マンマの紹介
- エマヌエラ・ロンジェッティ(Emanuela Longetti) さん
- ウンブリア州ペルージャ県ベットーナ市在住
- 【得意料理】レパートリーが広くて何のお料理も作りこなしてしまうスーパーマンマですが、イチゴのタルトやカスターニョーレ(カーニバルの時のウンブリアの揚げ菓子)などスイーツ系も得意。
お料理説明・背景
ブロセーガ(Brosega)は、トラジメーノ湖(Lago Trasimeno)から数キロ離れた農村パチャーノ(Paciano)で、農民の朝食として生まれたお料理らしいのですが、正直なところウンブリア州の他の地域ではあまり知られていません。本来イタリア人の朝食というと甘いパンにコーヒーと言う簡単なスタイルのものが多い中で、『朝食に卵料理を食べると良いと考えたのはアメリカ人だけではないようだ』などと冗談を言われたります。
ちなみにトラジメーノ湖はイタリアで4番目に大きな湖で、歴史上では紀元前217年6月21日(日にちは諸説あり)に、ハンニバル率いるカルタゴ軍が共和政ローマ軍を破った第二ポエニー戦争の舞台となった湖です。
夏はトマトがおいしい季節。イタリア人は生で、調理して、または加工してと、ご承知の通り、とにかくトマトの消費量は年間通してとても多くメニューも豊富です。私の暮らす長閑な地区では家庭菜園規模から本格的な畑所有者まで、トマトを自宅で栽培している家庭が多く、エマヌエラさんも広大な畑にやはり数種類のトマトを栽培しています。
このブロセーガは熟したトマトとタマネギをフライパンで熱してソースにした中に、卵を割り入れてさらに煮込むお料理です。卵を割りほぐさずにそのまま煮込むバージョンと、卵を割りほぐすバージョンがある様なのですが、エマヌエラさんの家庭では卵を割りほぐすのが常だそうです。卵を割らないバージョンは、ナポリ料理のUovo in Purgatorioにも似ています。
エマヌエラさんの家庭では、畑で野菜を育てるだけではなく、鶏も飼っています。現在は9羽! だから卵も産みたての新鮮な卵が手に入るのです。トマトが旬の時期ならまさに最も安全でおいしい自家栽培品で出来る理想的な逸品なのです。
作り方はとても簡単で、しかも日本でも問題なく調達できる食材でのウンブリア料理ということで、今回レシピを披露してもらう事になりました。
このメニューが生まれたパチャーノでは、出来立てをそのまま食卓に出し、スプーンとパンで食べるのが本来の食べ方とか! エマヌエラさんはお皿によそって食卓に出すそうなのですが、ふと、パンでなくご飯にかけて"ブロセーガ丼"にしてもおいしいに違いないと思った私です!
イタリア在住30年。かつて旅行業界に憧れ東京の旅行会社に就職した後イタリアの魅力にとりつかれて渡伊。イタリアでも添乗業務・通訳ガイド・通訳を本業としながら今年20歳の長男誕生と共に専業主婦に一変。ペルージャ・ローマ・フィレンツェ郊外と暮らした後、2009年よりウンブリア州アッシジ市民。今までの経験や料理好きを生かしつつ、イタリアに暮らす日本人として何ができるかを未だ模索中。
インスタでは主に愛猫と普段の生活からの投稿https://www.instagram.com/kiuchi703/ また、雑記ブログの中でイタリアライフもたまに発信しています。 ケ・サラ〜サラ〜の日々♪ブログhttps://nandemocho.com