マンマの紹介
- アレッサンドラ・バルデスキ(Alessandra Baldeschi) さん
- ロンバルディア州ミラノ在住
- 【得意料理】Tiramisu(ティラミス)、Bistecca alla Fiorentina (フィレンツェ風Tボーンステーキ)
お料理説明・背景
日本ではお菓子作りが趣味でもない限り、特別な機会以外、手作りでケーキを作るという事はあまりないのではないだろうか。が、イタリア人マンマたちは気負いなく割と頻繁にケーキを焼く。お客様を自分の家に招くときはもちろん、食事に招かれた時のお持たせとして自作のケーキを持参することもしばしば。時間さえあれば普段の朝食のためにもささっとケーキを作ってしまう(ちなみにイタリアの典型的朝食は、甘いお菓子がメイン)。
それは忙しいミラノのキャリアマンマも同様だ。PRエージェンシーを経営し、プレス業を行うアレッサンドラもそんな一人。毎日の仕事がどんなに忙しくても、食事は出来合いに頼らずしっかり作り、休みの日にはケーキを焼く。最も得意なお菓子はティラミスだそうだが、今の季節には、洋ナシのチョコレートケーキが定番だ。
「これは祖母がよく作ってくれたケーキなの。祖母の家で日曜にランチをするときに、このケーキを作るのをいつも手伝っていたのよ。実際のところは、オーブンに入れて焼く前の生地を“味見”という名目で食べるのが楽しみで、祖母がケーキを作っている間、ずっと張り付いていたのだけどね(笑)。
4人兄弟が奪い合うように“味見”するものだから、生地の量がすっかり減ってしまって祖母によく怒られたわ」とアレッサンドラは言う。
イタリアのファミリーは、日曜には集まってランチをするのが習慣なので、アレッサンドラの一家も、彼女が小さい頃は日曜ごとに祖母の家に集合していた。そんな時の祖母のお得意がこのケーキだったのだ。大人になってからも、自分の家での日曜のランチに時々祖母を招いていたが、そんな時もやはり祖母は自分が焼いた洋ナシのチョコレートケーキをよくお持たせとして持ってきてくれたとか。だからこのケーキは、「お祖母ちゃんとの日曜日のランチ」の思い出でもあるのだそうだ。
「このレシピは祖母が作っていた通りにずっと忠実に守ってきたものよ。とてもシンプルで、失敗なくできる最強のレシピなので、これをベースに自分でアレンジして、洋ナシの代わりにリンゴと胡桃を入れて、カカオは使わないバージョンもよく作るけど、子供たちにはこちらもなかなか好評よ」
祖母や母から受け継ぐ一家の秘伝のレシピたち。イタリア人マンマたちが、普段からケーキをささっと作ってしまうのは、小さい頃から祖母や母が作っている様子を何度も見ているからなのかもしれない。
大学卒業後、雑誌編集者として活動後、イタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、カルチャー、食、旅、デザイン&インテリアなどの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。 TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントのオーガナイズやPR、企業カタログ作成やプレスリリースの翻訳なども行う。料理学校を経営していた母のもとで学んだ経験を活かし、ミラノの料理学校で講師としても活動中。 Instagram(@mikitanaka0909)
作り方
下ごしらえ
- オーブンを180度に温めておく。
- 材料を全て計量しておく。
- 洋ナシは洗って芯だけ取って皮をむかずにスライスしておく。
作り方
- 鍋にバターを入れ弱火で(または電子レンジで)溶かしたら、砂糖を加えてよく混ぜる。(写真a,b 参照)
- 卵を卵黄と卵白に分け、卵黄のみ1に加えて混ぜ、ふるった小麦粉を加える。(写真c,d 参照)
- 生地が固い場合はあまりゆるくならない程度に少量の牛乳を注いで混ぜてから、カカオパウダーを加え、ベーキングパウダーを入れて混ぜる。(写真e,f,g 参照)
- 卵白をハンドミキサーで角が立つまで泡立てる。(写真h 参照)
- 3の生地に4の泡立てた卵白を加え、混ぜすぎないようざっくりとまぜる。(写真i 参照)
- ケーキ型全体に軽く油を塗って打ち粉をする。またはベーキングペーパーを側面と底に敷く(焼き上がり生地を取り出しやすくする)。そこに5を流し込み、上から洋ナシのスライスを放射状に並べ、表面全体を覆う。(写真j 参照)
- ケーキ型をオーブンに入れ、180度で約1時間焼く。ケーキの真ん中につまようじ等を刺し、乾いていたらできあがり。お好みでパウダーシュガーをかけたり、洋ナシのスライスを飾る。