マンマのレシピ

マンマの紹介

  • ジュセッピーナ・ドナート(Giuseppina Donato) さん
  • フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州ウーディネ在住
  • 【得意料理】季節野菜のクレスペッレやミネストラ

お料理説明・背景

ジュセッピーナ(通称ピーナ)さんは、ウーディネ郊外の小さな町の出身。女3姉妹の真ん中で、明るく朗らかな優しいマンマだ。長く小学校の先生として教職につき、現在はウーディネ市内に住居を構える。二人のお子さんはすでに独立し、彼女自身は一人暮らしをしているが、息子さん、娘さんとの交流は盛んで食卓を一緒に囲むことは頻繁だ。

そんな食卓に登場するメニューのうち、日常もしくは祝い事がある時などにかなりの確率で作るのがこの料理。ピーナさんの得意料理の一つだ。季節が変われば中に入る具材も変わり、「バラエティが尽きることはないのよ!」と、私たちに自信満々でこの料理を取り上げてくれた。

台所に立つピーナさんを見ていて感じること。作る工程でさりげなく使用する道具たちの存在がとても印象的なことだ。台所のあちこちにある調理道具類のうち、いかにも長く現役を継続している風な道具たちが次々と登場する。レトロ感を出しつつも、新品のように清潔に磨き上げられているそれらを見ると、丁寧な生活が皆見える。それは、おっとりとしながら冗談好き、優しくもしっかりものの彼女の人柄を表すかのようだ。

電動ホイッパークレスペッレの生地を混ぜる際に大切そうに取り出してきた電動ホイッパーは30年もの。落としても大抵の衝撃くらいでは壊れなさそうな感じのしっかりとした頑丈な作りだ。

そして使用するオーブンは今回は電気オーブンを使用したが、冬場には通常、電気オーブンの横に設置してある薪のストーブを使用する。これもかなりの年代もの。寒くて長いフリウリの冬の室内を温めるための暖房機能と調理機能とを兼ねるお役立ちものだ。ここで仕上げる料理は数多くある。オーブンの上には長時間の調理が必要な煮込み料理やポレンタの調理などの鍋を置いておきゆっくりとした火入れが可能。いくつかに代表されるフリウリの冬の郷土料理の準備には、この薪オーブンが大活躍するのだ。また、肉のローストやトルタなどの焼き菓子はこの薪オーブンの内部を使って焼き上げる。微妙な焦げ具合での仕上がりが絶妙だ。

どれもこれも古さを感じさせることなくピカピカに磨き上げられ、今後もさらに息の長さを感じさせる。たくましささえ感じられる、ピーナならではの台所だ。

レポート:白浜 亜紀(Aki Shirahama)
ヴェネトおよびフリウリを中心に、通訳、翻訳、地元マンマの料理レッスン及び生産者訪問コーディネイト、そして野菜を中心とする農産品の輸出業などの活動を行う。 ブログ『パドヴァのとっておき』にて料理や季節のおいしい情報を中心に、日々のできごとを発信中。

材料

ズッキーニのクレスペッレ(直径20cmクレープパン約15枚分)

<クレスペッレ用>
・小麦粉250g
・牛乳500ml
・溶かしバター50g無塩
・塩少々
<ベシャメル用>
小麦粉50g
・牛乳500ml
・無塩バター50g
・塩適宜
・ナツメグ少々
<具材>
・ズッキーニ5~6本約500g
・エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル 大2
・リコッタチーズ125g
・グラーナ・パダーノ大2すりおろしたもの
・モンタージオチーズ100g

作り方

下ごしらえ:クレスペッレの生地を準備する

  1. ボウルに卵を割り、溶きほぐす。(写真a 参照)
  2. 小麦粉を加え、ホイッパーで混ぜ、さらに分量の牛乳を何度かに分けながら加える。(写真b,c 参照)
  3. 溶かしバター、塩をひとつまみ加え調味したら、冷蔵庫で30分休ませる。

作り方

  1. クレスペッレを作る。クレープ用パン(またはフライパン)を十分に温め、表面に溶かしバター(分量外)をキッチンペーパーなどで薄くぬる。(写真d 参照)
  2. お玉一杯弱のクレスペッレの生地をクレープ用パンの中央部に流し、ゆっくりと回しながら全体に広げる。(写真e 参照)
  3. 火が入って端が上がってきたらひっくり返し、もう片面をさっと焼き、皿に移す。生地がなくなるまで繰り返す。(写真f,g 参照)
  4. ベシャメルを作る。 鍋にバターを溶かし、粉を加え手早くかき混ぜる(写真h 参照)
  5. 牛乳を少しずつ加え、ダマができないように注意しながら手早くかき混ぜ続ける。
  6. 塩、ナツメグを加え、しばらく濃度が出るまで火をいれる。(写真i 参照)
  7. ズッキーニの具材を作る。ズッキーニは粗めの細切りにする。フードカッターがある場合にはそれを利用するとよい。(写真j 参照)
  8. ズッキーニをオリーヴオイルで炒める。(写真k 参照)
  9. 途中、軽く塩をし、水分は飛ばすように火を入れていく。ズッキーニの仕上がりは、しっかりとしんなりとするまで炒めても良いし、少し歯応えが残る程度に留めておいても、好みの仕上がりで良い(ピーナは少し生の状態で火を止めた)。(写真l 参照)
  10. 火を止めたらしばらく置いて荒熱をとり、リコッタチーズを混ぜ合わせる。(写真m 参照)
  11. 続いてグラーナ・パダーノを加え、全体を混ぜ、塩で味を調節する。(写真n 参照)

仕上げ

  1. オーブン皿にオーブンシートを広げ、そこに室温で柔らかくしたバターを薄くぬっておく。(写真o 参照)
  2. モンタージオは長さ約5cmくらいに切る。(写真p 参照)
  3. クレスペッレを広げ、上側1/3くらいのところにズッキーニの具材を載せ(スプーン大盛り2杯程度)、さらにモンタージオを載せる。(写真q 参照)
  4. 端からふんわりと巻く(写真r参照)
  5. 巻き終わりが下になるように用意したオーブン皿に並べる。(写真s 参照)
  6. ベシャメルをクレスペッレの上に載せる。(写真t 参照)
  7. 180℃に温めたオーブンで約30分ほど焼いたら出来上がり。出来立ての熱いものでも、冷めてからいただいてもどちらもおいしい。(写真u 参照)
  • a.卵を割る
  • b.小麦粉を加え混ぜる
  • c.牛乳を加えながら混ぜる
  • d.フライパンにバターを薄くぬる
  • e.生地を流しいれる
  • f.全体に広げ端が上がってくるのを待つ
  • g.もう片面もさっと焼く
  • h.バターを溶かし粉を加えて手早くかき混ぜる
  • i.牛乳を少しずつ加えたら塩、ナツメグも加える
  • j.フードカッターでズッキーニを細切りにする
  • k.ズッキーニを炒める
  • l.塩をして水分を飛ばすように
  • m.リコッタチーズを混ぜ合わせる
  • n.グラーナ・パダーノを加える
  • o.室温で柔らかくしたバターを薄くぬる
  • p.モンタージオを5cmくらいに切る
  • q.上側1/3くらいのところに具材を載せる
  • r.端からふんわりと巻く
  • s.巻き終わりを下にしてオーブン皿に並べる
  • t.ベシャメルを載せる
  • u.オーブンで焼く

お料理ポイント

ピーナのお気に入りの具材は、プロシュットコットとエメンタールを合わせたもの。また、アスパラの時期には白または緑のアスパラで、夏前からはピゼッリ、夏場にはズッキーニを、秋冬はキノコやラディッキオ、ホウレンソウ……と全シーズンを通して楽しめる料理だ。 また、仕立て方を変えてもよし。今回は巻いてインヴォルティーニにしたが、クレスペッレを半分または1/4折りにしたりするとさらに違ったバリエーションになる。