シャンパーニュ好きも唸る!?急成長のアルタランガに注目 Presented by モンテ物産

『アルタランガD.O.C.G.』と聞いて、どのようなワインをイメージするだろうか?初めて聞いたという人もいるかもしれない。

アルタランガは、2011年にD.O.C.G.に認定されたピエモンテで造られる瓶内二次発酵のスパークリングワインだ。

▲ミッレージマート・スプマンテ・パドゼ/“フォー・イングランド”スプマンテ・パドゼ

この認証を得るためには、シャンパーニュよりも長い、30ヶ月以上の瓶内熟成が規定されており、適切な設備投資と販売までに非常に長い年月を要する。アルタランガの生産が容易でないことは想像に難くない。

そんなアルタランガというワインを知るには、そのパイオニアとも言える、コントラットのワイン造りの歩みを理解するのが近道だろう。

1867年に、カネッリ(ピエモンテ州アスティ県)に創業したコントラットは、十数年かけて丘をくりぬき、地下32mに大理石のカンティーナを完成させ、1900 年初頭にはメトド・クラッシコ(瓶内二次発酵のスパークリング)の生産者としてイタリア内外において有名になった。

1919年にイタリアで初となるメトド・クラッシコのミッレジマートを造り、1920年頃からはイギリス王室向けにドライな味わいのスプマンテを製造。その名も『フォー・イングランド』。市場に甘口のシャンパーニュが多かった時代に、辛口のワインを造ったことは革新的なことだったのだろう。コントラットはイギリス王室だけでなく、各国の王室を顧客に抱えようになり、1900 年代初頭にはピエモンテ州全体がメトド・クラッシコの一大産地として世界で名を馳せた。

しかし、第2次世界大戦の影響で、急激に輸出需要がなくなると、その後さらに厳しい時代が続くことになる。フランチャコルタの市場が拡大したのだ。
1960年代にフランチャコルタで初となるメトド・クラッシコが生産されると、多くのワイナリーが開業。その後の80年代はフランチャコルタの時代となった。

コントラットは、その後、1993 年には、グラッパの蒸留で有名だったカネッリのボッキーノ家の手に渡った。カンティーナの修繕等に多くの投資が行われたが、重きが置かれたのは、スプマンテではなく、バローロ、バルバレスコ、モスカート、ガヴィなどのスティルワインの醸造だった。
こうして、伝統的なメトド・クラッシコの造り手だったコントラットも、市場での存在感を失っていった。

しかし、2011 年についに転機が訪れる。

バルバレスコ、バローロの生産者として名の知れた、ラ・スピネッタのオーナー、ジョルジョ・リヴェッティ氏の手に渡り、名門復活に向け動き出したのだ。

▲ジョルジョ・リヴェッティ氏

ジョルジョ氏が指揮する『名門復活に向けた改革とは、何か?』
それは一言でいえば、ブドウの改革に尽きる。

ジョルジョ氏は、『ワインの90%は畑仕事で決まる』という信念のもと、ワイン造りを行ってきた。ジョルジョ氏に会ったことのある人なら、誰もが、一度のみならず、繰り返し、繰り返し耳にしてきたであろう、昔から変わらず貫いてきた醸造哲学だ。
それは、アルタランガのワイン造りにおいても同じで、まず、自身が求めるブドウを育てるのに適した畑を購入することから始めたのだ。

とはいえ、理想の畑を買えばすぐにワインを造れるというものではない。まず、元々畑ではない場所を、畑にする為には、最低でも2年を要する。土壌を耕してから丸1年以上休ませる必要があるからだ。

その後ブドウ樹を植えて、実際に醸造するまでに最低4 年、瓶内熟成に更に4年。つまり畑を購入してから、ワインが市場に出回るのは最低でも10 年はかかるのだ。

それほどの労力をいっさい惜しまず、理想のブドウ、理想の畑にこだわって購入したのが、標高800mに位置する『ボッソラスコ』の畑だ。

▲標高800mにあるボッソラスコの畑

ボッソラスコというエリアは、アルタランガD.O.C.G.の中でも特に標高が高く、その高さにより、夏でも日中の気温が25~27℃と平野部に比べて涼しく、夜は更に15~18℃まで下がる。ブドウがゆっくりと成熟するため、収穫時期は9月の半ば頃となる。

一般的なアルタランガの収穫期は8月半ば~9月の上旬までに終わることが多いため、コントラットのブドウは、別のエリアの収穫期と比べて遅いといえる。また、ブドウの成熟サイクルも、バローロ・バルバレスコ用のネッビオーロと比べても約2週間、フランチャコルタと比べると約1ヶ月遅いのだ。

このように、ブドウがゆっくりと時間をかけて成長する環境だからこそ、酸と糖、様々な香りを構成するフェノール分が十分に成熟し、非常にバランスの良い状態で収穫することが可能になる。

リグーリア海まで直線距離で約50キロと近いことも、『冬は気温が下がりすぎず風通しがよい』という特徴をもたらしているのだろう。

ジョルジョ氏が『世界で唯一シャンパーニュを越えられる可能性を持つ畑はボッソラスコだ』と豪語するほど、ボッソラスコには唯一無二の自然環境が整っていたのだ。

更に、コントラットは、このような素晴らしい環境で栽培されたブドウを生かすことができる醸造・熟成環境にも恵まれている。それこそが、世界遺産にも登録されているカテドラルセラーの存在だ。

▲地下32mにあるカテドラルセラー

1年を通して温度は13℃に維持される自然環境、地下聖堂と称される幻想的なカンティーナは、誰もが羨むコントラットの大きな強みである。

アルタランガは、ワイン造りの偉大な伝統を誇るピエモンテにふさわしい、瓶内二次発酵のスパークリングワインを造ろう、という機運が高まった1990年代以降、バローロやバルバレスコの優れた生産者がこぞって参入し、2002年にD.O.C.認定、2011年にD.O.C.G.に昇格した、今後の成長が楽しみなワインである。

ピエモンテの偉大な赤ワイン同様、長期熟成を経て生み出されるアルタランガ。

シャンパーニュを愛するワイン通の皆さんにもぜひお試し頂きたい。まずは、その中心的存在とも言えるコントラットのアルタランガからお手にとってみてはいかがだろうか。

※コントラットは現在、新たに購入した『ボッソラスコ』(標高700~800m)と、アスティ県の『ロアッツォーロ』(標高600~650m)の2ヶ所で、ピノ・ネーロとシャルドネを栽培しています。


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