絶景360度のモンテバルド縦走 ガルダ湖を眼下に望みながら
コロナによる規制が再び厳しくなってきたイタリアですが、そうなる数週間前、初めてモンテバルド(バルド山)へ山登りに出かけてきました。宿泊可能な山小屋も点在する中、仲間6人でのテント泊です。
イタリア最大の湖、ガルダ湖の東側にそびえる南北に長いモンテバルドは、標高2,000m前後の主要な頂が13座連なる山々の総称であり、バルドという山頂は存在しません。
今回の登山は南のヴェローナ側から入り、北のトレンティーノ地方ナーゴ村へとひたすら尾根を歩くルート。出発の前夜、ゴール地点にワゴン車を置きに行き、翌朝、スタート地点のプラダ村へと向かいます。
この登山を行ったのが真夏ではなく秋口だったのは、いくつか理由があってのこと。
・日差しを避けられないため、夏は暑すぎる
峰から峰へと歩き続ける日陰のないルートのため、暑さが大敵となります。(真夏はもっと標高の高い、涼しい山のほうへと繰り出すことが多いです。)
・湧き水がない
モンテバルドでは、汲めるような湧き水が一切ありません。これは、かなり登山者泣かせ。適度な水分補給が重要となる登山で、家から持って行った貴重な水を、残量を気にしながら飲まなければならないのです。水が限られていることは、酷暑の時期だと危険な状態にもなりえます。(山小屋で買うことは可能)
・夏の景色は靄がかっている
上からの眺めが楽しみでもある登山。モンテバルドからは、ガルダ湖を一望できるだけでなく、対岸(ロンバルディア州ブレーシャ県)の山々や反対側のヴェローナ、ポー平原の広がる地帯まで360度のパノラマを見渡せるのですが、真夏はモヤモヤと白っぽくなりがちです。
これらの理由から、涼しくなった頃に決行したモンテバルド縦走。森林を抜けて稜線まで着くとこの景色が待っていました!
ガルダ湖南に突き出た半島、シルミオーネまでくっきり見えたのです。
とはいえ、天気が変わりやすいのが山。1日の間に快晴と曇り空を繰り返し、雪まで降り始めて冷えとのたたかいになりました。
常に絶景を見下ろしながら稜線をアップダウンし、時に崖上の狭い箇所を恐る恐る進まなければならないモンテバルドの山道は、険しいというより、とにかく長い!
終わりが見えず、心折れそうになり、ようやくテントを立てたときにはすでに真っ暗になっていました。
遠くにヴェローナの夜景を望みながら、ラーメンをゆがいて食べ、早々に就寝。標高2,000mの氷点下の中、愛用の羽毛寝袋にくるまって暖をとります。外はこんなに寒いのに、一見簡易なテントと寝袋だけでゆっくり眠れる温かさ。テント泊登山の醍醐味です。
そして、翌朝-
まさに清々しいという言葉がピッタリの朝を迎え、感動もひとしおでした。
さて朝食を済ませたら、再び絶景の中を北進していきます。
しばらく下りが続き、車道に出たところで、州境を越えてトレンティーノ₋アルト・アディジェ州へ。実はこの辺りは一般車でも乗り入れられ、部分的にトレッキングやハイキングを楽しむこともできます。
下った分を登り直すように、ここからまた最後の山頂を目指して600mの標高差を登ることになるとは想定外でした。テントは男性陣に担いでもらいましたが、寝袋やマット、着替え、食料、調理具を詰め込んだリュックは12kg超。肩と腰にずっしり、特に後半に重くのしかかります。
なんとか最後の頂、モンテ・アルティッシモ(2,074m)にたどり着くも、残念ながら真っ白な霧に包まれていて何も見えず。
ともあれ、登り切った後はゴールを目指してどんどん下りるのみです。下りって楽そうに聞こえて相当、膝に応えるんですよね。
こうして夕方6時前、ワゴン車をとめていたナーゴ村の駐車場に到着し、ほっと一息。2日間の総距離にして、なんと32㎞も歩いたんだとか。登った高さは計2,400mもあったというから、出発前に知っていたら、あきらめていたような数字です。正直なところ、こんな大変な登山になるとは思っていませんでした。
が、仲間と一緒だからこそ成し得た素晴らしい経験となりました。
なお、ガルダ湖畔の町、マルチェージネからは回転ロープウェイで標高1,800m近くまで上がれるので、もっと気軽に日帰りでモンテバルドを楽しむことも可能です。
イタリア最大の湖、ガルダ湖の東側にそびえる南北に長いモンテバルドは、標高2,000m前後の主要な頂が13座連なる山々の総称であり、バルドという山頂は存在しません。
今回の登山は南のヴェローナ側から入り、北のトレンティーノ地方ナーゴ村へとひたすら尾根を歩くルート。出発の前夜、ゴール地点にワゴン車を置きに行き、翌朝、スタート地点のプラダ村へと向かいます。
この登山を行ったのが真夏ではなく秋口だったのは、いくつか理由があってのこと。
・日差しを避けられないため、夏は暑すぎる
峰から峰へと歩き続ける日陰のないルートのため、暑さが大敵となります。(真夏はもっと標高の高い、涼しい山のほうへと繰り出すことが多いです。)
・湧き水がない
モンテバルドでは、汲めるような湧き水が一切ありません。これは、かなり登山者泣かせ。適度な水分補給が重要となる登山で、家から持って行った貴重な水を、残量を気にしながら飲まなければならないのです。水が限られていることは、酷暑の時期だと危険な状態にもなりえます。(山小屋で買うことは可能)
・夏の景色は靄がかっている
上からの眺めが楽しみでもある登山。モンテバルドからは、ガルダ湖を一望できるだけでなく、対岸(ロンバルディア州ブレーシャ県)の山々や反対側のヴェローナ、ポー平原の広がる地帯まで360度のパノラマを見渡せるのですが、真夏はモヤモヤと白っぽくなりがちです。
これらの理由から、涼しくなった頃に決行したモンテバルド縦走。森林を抜けて稜線まで着くとこの景色が待っていました!
ガルダ湖南に突き出た半島、シルミオーネまでくっきり見えたのです。
とはいえ、天気が変わりやすいのが山。1日の間に快晴と曇り空を繰り返し、雪まで降り始めて冷えとのたたかいになりました。
常に絶景を見下ろしながら稜線をアップダウンし、時に崖上の狭い箇所を恐る恐る進まなければならないモンテバルドの山道は、険しいというより、とにかく長い!
終わりが見えず、心折れそうになり、ようやくテントを立てたときにはすでに真っ暗になっていました。
遠くにヴェローナの夜景を望みながら、ラーメンをゆがいて食べ、早々に就寝。標高2,000mの氷点下の中、愛用の羽毛寝袋にくるまって暖をとります。外はこんなに寒いのに、一見簡易なテントと寝袋だけでゆっくり眠れる温かさ。テント泊登山の醍醐味です。
そして、翌朝-
まさに清々しいという言葉がピッタリの朝を迎え、感動もひとしおでした。
さて朝食を済ませたら、再び絶景の中を北進していきます。
しばらく下りが続き、車道に出たところで、州境を越えてトレンティーノ₋アルト・アディジェ州へ。実はこの辺りは一般車でも乗り入れられ、部分的にトレッキングやハイキングを楽しむこともできます。
下った分を登り直すように、ここからまた最後の山頂を目指して600mの標高差を登ることになるとは想定外でした。テントは男性陣に担いでもらいましたが、寝袋やマット、着替え、食料、調理具を詰め込んだリュックは12kg超。肩と腰にずっしり、特に後半に重くのしかかります。
なんとか最後の頂、モンテ・アルティッシモ(2,074m)にたどり着くも、残念ながら真っ白な霧に包まれていて何も見えず。
ともあれ、登り切った後はゴールを目指してどんどん下りるのみです。下りって楽そうに聞こえて相当、膝に応えるんですよね。
こうして夕方6時前、ワゴン車をとめていたナーゴ村の駐車場に到着し、ほっと一息。2日間の総距離にして、なんと32㎞も歩いたんだとか。登った高さは計2,400mもあったというから、出発前に知っていたら、あきらめていたような数字です。正直なところ、こんな大変な登山になるとは思っていませんでした。
が、仲間と一緒だからこそ成し得た素晴らしい経験となりました。
なお、ガルダ湖畔の町、マルチェージネからは回転ロープウェイで標高1,800m近くまで上がれるので、もっと気軽に日帰りでモンテバルドを楽しむことも可能です。