マンマのレシピ

マンマの紹介

  • アンナ・マリア・フロルディ(Anna Maria Froldi)さん
  • ロンバルディア州マントバ県在住
  • 【得意料理】トルタ・ディ・サン・ビアジョ

お料理説明・背景

イタリアの北東に位置するマントバ県で生まれ育ったアンナ・マリアさん。3兄妹の真ん中、兄と弟に囲まれた唯一の女子として、花のように育った彼女は、アメリカやスイスへの留学経験もある才女。そして不思議と日本との縁があり、一時は日本の洗足学園音楽大学でイタリア語を教えていたこともあるそうです。今は、子供の頃、夏のバカンスを家族で過ごしていたガルダ湖の側で暮らしつつ、堪能な語学力を活かし、通訳としてバリバリと仕事をこなしています。

今彼女が暮らしているガルダ湖は、イタリアでも有名な避暑地。イタリア一大きい湖の景色は雄大で、南側はまるで海のように開けた広々とした景色、北側には雪を抱くアルプス山脈の山影が望める、心癒される絶景です。アンナ・マリアさんにとっては、家族との楽しい思い出が詰まった場所でもあります。家族、時には親戚も集まって賑やかに過ごすイタリアの夏休み。その思い出の中心には、いつも料理上手だったマンマの料理があったそうです。

そんなマンマを見て育ったアンナ・マリアさんもしっかりとその姿を受け継いだ料理上手。しかも、子供の頃から勉強熱心だったアンナ・マリアさんはマンマのレシピをしっかりノートに記録していました。丁寧に書きまとめられたマンマのレシピ帳は、お母さんの思い出とともに大切に今もとってあるそうです。まさにマンマから受け継がれた宝物ですね。

さて、その宝のレシピ帳から、家族みんな大好きで、特に小さい頃は弟と競い合うように食べたという思い出の一品を教えていただきました。パプリカをふんだんに使うこのメニューは、一品でお肉と野菜をしっかり摂ることができる栄養バランス食。パプリカのうまみたっぷりに、柔らかくしっとりと煮込まれた鶏肉は、大人から子供まで食べやすく、人気のメニューです。お肉を食べたあとに残ったソースは、なんとパスタソースとして再活用できるイタリアのマンマならではの知恵が詰まった、一度で二度おいしいレシピなのです。またたくさん作って、作り置きにしておいても、野菜の煮汁がお肉をしっとり保ってくれるので、翌日も、翌々日もおいしくいただくことができます。時間のある週末に作って、冷蔵保存しておいて、忙しい平日にさっと温め直して食べるにも便利ですよ。作り方は材料を切って、ゆっくり煮込んでいくだけなのでとっても簡単です。ぜひ試してみてくださいね。

レポート:藤原 亮子(Ryoko Fujiwara)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。

材料

鶏肉のパプリカ煮込み(4人分)

・パプリカ 赤と黄色あわせて400g程度
・鶏もも肉600g
・ニンジン1本
・セロリ1/2本
・タマネギ1個
・ニンニク1片
・オレガノ少々
・白ワイン1/2カップ
・トマトピューレ200g
・バターまたはオリーヴオイル大さじ2
・塩・コショウ適量

作り方

  1. ニンニク、セロリ、ニンジン、タマネギをみじん切りにし、バターもしくはオイルできつね色になるまでじっくりいためる。(写真a 参照)
  2. 鶏肉を加えて、焼き色がつくまで、ふたをせずに強火~中火で焼く。(写真b 参照)
  3. 肉に塩コショウをしたら、ワインを加えてさらに20分程中火で焼く。(写真c 参照)
  4. パプリカの種を取り除き、食べやすい大きさに切る。(写真d 参照)
  5. パプリカ、オレガノ、トマトピューレを加え、ふたをしてさらに20~30分、中火~弱火で、時折混ぜながらじっくり煮る。(写真e 参照)
  6. 鶏肉が骨からすっと外れるようになったらできあがり。(写真f 参照)
  • a. カットした野菜をいためる
  • b. 鶏肉を焼く
  • c. 肉に塩コショウをしてワインを加える
  • d. パプリカを食べやすい大きさに切る
  • e. パプリカ、オレガノ、トマトペーストを加えじっくり煮る
  • f. 鶏肉が骨からすっと外れたら完成

お料理ポイント

パプリカがとろけるように柔らかくなるとさらにうまみが増しますので、じっくりゆっくり火を通しましょう。