特別なバルサミコ酢 その2
前回特別なバルサミコ酢のお話の続きです。
写真はマゼット屋敷17 世紀中盤に建てられたもの。向かって左側の3階の円窓のところに醸造室がありました。
我が家に受け継がれる樽は1700年代中盤のものですから、かれこれ250年以上手入れを繰り返しながら、大事に使い続けており、最終製品を取り出す樽の容量は 約30Lですが、酢酸菌や他の微生物のバランスが変わらないように年間、2〜3Lしか樽から取り出すことができません。そのため通常、フォルニ家の特別な食事や、特別な贈答品として使われ来ました。
現在では醸造室を見学に来てくださる方だけに特別にお出ししているだけで、一切販売はしてきませんでした。
ところが去年の秋、懇意にさせて戴いている、厳選したイタリア食材を扱うEeT株式会社の山田さんから特別な販売会のお話があり心が動いたのでした。
http://eet.co.jp/デパートが主催する外商顧客で招待状をお持ちの方のみご入場いただける特別な販売会との事。
逸品会という特別な販売に市場には出回らない、ワイン、生鮮品以外のイタリア食材を探し出して、出品しなければならないのだけれど、どう考えてもバルサミコ酢しか思い浮かばないのですが、どうでしょうか?とその本数は100mlを7つ。
条件はある金額以上の価値がある物、そしてストーリー性、オリジナル性、限定品である事。
今まで贈答用のものであっても、市販の容器に入れていたのですが、これはもう容器も一点ものの手作りにしたい。思い浮かぶ方はこの方しかいない。
イタリアで活躍する、陶芸家 林由紀子さん。
イタリア好きVol.33マルケ州特集のコーディネイト、Web通信でもおなじみであり、大切なお友達でもある彼女に是非担当してもらいたい!とお願いしたのです。林さんの記事はこちらから
https://italiazuki.com/category/tsushin/marche_h/
(写真は個人所有の博物館で見つけたタラーニョで3L以上入りそうな大きなものも)
容器の形はTragnoタラーニョ。モデナでは伝統的に液体を搬送するために使っていました。通常はもっと大きな容器で、横についた取手は紐を通して運搬するためのもので、馬車の荷台に乗せた時に振動で割れたり壊れたりを防ぐため上から吊り下げて、まっすぐに保てるという機能性を備えています。
一つづつろくろ引きして作ったタラーニョ100mlと小さなものに我が家の紋章を一つ一つ手描きで絵付けしていただき、裏にはBalsamico 2019と由紀子さんのサイン入り。
手書きですからまさに一点もの。
箱にもこだわって、バルサミコ酢の樽を彷彿とさせるような濃い目の茶色に、金の留め金…中にはなめし皮風のクッション…色も作品に合いそうなものを彼女に選んでもらいました。
正面には夫と立ち上げたバルサミコ酢のコミュニティーサイトal vasèlのロゴバルサミコ酢の樽を模したものを入れ、並べると醸造室を思い浮かべることができるという寸法です。
https://www.alvasel.com/2月の上旬と中旬の2回に分けて販売されるとのこと。価値がわかる方のところへお嫁に行って欲しいと願うばかりです。
イベントのお知らせです
モデナの我が家マゼット屋敷にて5月4日にイベントを開催します。ゴールデンウイークにイタリア旅行を考えていらっしゃる方是非いらして下さい。
13年物蔵出しバルサミコ酢お披露目会と
イタリア好きVol.36で紹介された
Mirkoシェフの料理レッスン&ケータリング
お陰さまで今年で夫Massimilianoと増やした樽が13年目を迎えます。伝統的製法のバルサミコ酢は最低でも12年の熟成を必要とし、納得いくものを待って、今年13年目皆様にお披露目いたします。その間葡萄の出来だけでなく、作り手にも子供が生まれたり、良いことも苦労も含め造り手にも変化がありました。バルサミコ酢の歴史は家族の歴史でもあります。
そんな要素が絡まって一年一年熟成した13年目のバルサミコ酢のお披露目をさせていただきたく、今回特別な会を開きます。
–スケジュール
※おおよその時間です。多少前後することがありますので、ご了承ください。
イタリア好きVol.36に特集された
11:00 バルサミコ酢醸造室見学
11:30 バルサミコ酢試飲鑑定講習会
日本人初A級バルサミコ酢鑑定士 堂内あかねが
どんなものを基準にバルサミコ酢選びを
すべきかを伝授。
12:00 郷土料理講習会
地元でモデナで高級ケータリング会社を営むこだわりの
出張料理人ミルコ ピンナシェフをお呼びして
13:00 モデナの郷土料理と地元食材を使ったお食事会
モダンと伝統が共存した素晴らしいお料理の数々。
ミルコシェフが腕を振るいます
メニュー内容
アペリティーボ 10種類の前菜と地元ワインで
プリモピアット
セコンドピアット
付け合わせ各種
ドルチェ各種
ワイン、リキュール、コーヒー
15:30 販売会、解散
すべて日本語での説明、もしくは通訳をいたします。
グループでなくても個人でもお申し込みが可能ですので、是非お申し込みください。
参加費用 250ユーロ/1人
最小催行人数5名 最大12名 (先着順)
☆申し込み方法
4月26日までに当FacebookページAkane in balsamiclandよりメッセージ、またはコメントも合わせてご参加申し込みください。双方確認後メッセンジャーにて会場アクセスなど詳細をお送りいたします。https://www.facebook.com/events/176606216942784/
注:Facebookのイベント参加表明だけではお申し込み完了になりませんのでお気をつけ下さい。