絵画のモデルにもなったフィレンツェの美しい「イギリス人墓地」
イタリアにいながら新年号「令和」や新天皇御即位を実感
イタリアに住んでいると日本の年号にはとんと無頓着になります。平成何年であるのかは、もう随分前からわからないほど。それくらいイタリアでは使用する機会もなく無縁の存在です。日本のネット記事などで「平成最後」や「令和になってから初」などの見出しが踊っていましたが、いまいちその高揚感に浸れず日本を遠く感じながらフィレンツェで令和を迎えました。ところが令和になった5月1日、朝からイタリア人の友人からこんなメッセージが。
「Buongiorno Mako! Evviva al nuovo imperatore del Giappone Naruhito! 」
直訳:おはよう、マコ!日本の新しい徳仁天皇ばんざ〜い!
私の友人には日本に興味がある人も多いのですが、朝イチで、しかもイタリア人からこんなメッセージをもらうとは少々驚きました。この新天皇御即位のニュースはイタリアの大手新聞でも写真付き一面トップ記事で取り上げられました。
まさかイタリア人からのメッセージで新年号を実感することとなったわけですが、翌日2日には在イタリア日本大使館からこんなメールが届きました。祝意表明は海外からもできるそうです。
これから日本ではしばらく「令和初の〜」をニュースの見出しでよく見かけることとなりそうですね。令和になりましてもフィレンツェからレポートを続けますので、これからもよろしくお願いします。
この時期に訪れたい、絵のモデルにもなった美しいフィレンツェの「イギリス人墓地」
さて、早速「令和初」の記事ですが、今回お伝えするのは「cimitero degli ingesiイギリス人墓地」というお墓。少々おめでたくはない場所ですが、今まさにこの時期にこそ訪れたい場所なのです。「イギリス人墓地」はフィレンツェのドゥオモから徒歩20分ほどのドナテッロ広場にあります。大きな通りが周りをぐるっと囲み、島状態になっている場所がお墓になっています。ここは、1827年に主にプロテスタントを埋葬するために建造されたお墓で、エリザベス・バレット・ブラウニング(イギリスの詩人)や、ウォルター・サヴェージ・ランダー(英国の詩人・作家)など1409個のお墓があります。
このお墓は、スイス出身の画家アルノルト・ベックリンの代表作「死の島」の最初の3点のモデルにもなっていることでも有名で、ベックリンが娘のマリアを埋葬した場所でもあります。
イギリス人墓地には、目隠しした骸骨像や、今にも動き出しそうなほどリアルな悲しみに暮れている女性の像など美術館にあるような素晴らしい像もあり、普段から観光客も訪れる場所です。
この墓地がひときわ美しくなるのがちょうどこの時期。というのも、お墓中に植えてある紫色のアイリスの花が一斉に咲き誇り、えも言われぬ美しさに。
この時期フィレンツェを訪れる機会があれば、アイリスの花に包まれた美しいお墓を静かに鑑賞してはいかがでしょうか。(ただあくまでここはお墓。エチケットは守りましょう。)オープン時間が日と季節によって異なりますので必ずサイト等で時間をチェックしてから訪れてください。
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