寒い冬に恋しくなるあったかメニュー②
前回はからだの芯まで温めてくれる、熱々のポレンタを紹介しました。
今回の料理は冬以外も登場はしますが、暑い夏より寒い冬に食べたくなる2皿です。
その2つに共通するのは、”スープ仕立て”であること。
日本でもあったかいおうどんやお蕎麦、粕汁に鍋料理など”お汁もの”が恋しくなるのと同様、寒い季節はこのスープ仕立てにして食べるショートパスタがたまりません。
イタリア語ではこういう”汁多め、つゆだく”のことを”brodoso(ブロドーソ=スープ量の多い)”というのですが、今回はいずれも普段のトマトソースにパスタの茹で汁を多めに入れて延ばしてスープ仕立てにして作ります。
※反対にお汁の少ないスパゲッティ用のパスタなどはpastasciutta , pasta asciutta(アシュッタ=水気のない、スープ状でない)と呼びます。
私が”イタリアのマンマ”と慕うアンナマリアは、若い頃手打ちパスタ店を経営していた程のパスタ名人。彼女が作る手打ちパスタ料理の中でも1,2を争う私の好物である今回の2皿。
1つ目は「羊飼い風指輪のパスタ(anellini alla pecorara)」。
羊の移動放牧が長く経済を支えてきたアブルッツォ。長い間家を空けて羊と共に生活をする羊飼いのために、早く食べられ且つ、紐などに通して持ち運びやすいようにと指輪型にしたとされるパスタです。
トマトソースとたっぷりのリコッタチーズを入れた鍋に茹でたてのパスタを加え、味を見ながら茹で汁を足していきます。仕上げには羊のチーズを振りかます。
このパスタに関しては、スープ仕立てである以上に比較的冬に食べる理由があります。それは手間のかかるパスタ作り。暑い夏はできるだけ短縮したい台所仕事。冬なら長い夜の時間、暖炉の前に陣取ってゆっくりおしゃべりを楽しみながら作ることができます。
小麦粉に卵、水、塩を加えた生地を短い棒状に切り分け、
それをひとつひとつくるりと指に巻き付けて指輪状にしていきます。その際、指の腹をつかって少しねじりを加えるのがポイントです。
パスタに独特の弾力が加わり、チーズがたっぷりはいった重めのソースとも相性が抜群です。
そして2皿目。こちらは正直年中食べてしまう大好物「豆のショートパスタ(sagne e fagioli)」。夏場はasciuttaで食べることも多いのですが冬場は断然brodosoでいただきます。
こちらは日本のうどんに似た、小麦粉と水、塩だけでつくるシンプルなsagneと呼ばれるパスタを使います。
トマトソースにホクホクに炊いたうずら豆を加え、こちらも茹で汁で延ばしたスープを和えていただきます。出来たて熱々の上にたっぷりのチーズに加え、唐辛子を刻んで少し味にアクセントを足すことも忘れません。
休日のお昼などは友人や家族が集まり、皆でテーブルを囲んでいただきます。大きなスプーンいっぱいに掬って熱々をハフハフと頬張ると少し汗ばむほど。この、スプーンでパクパクいけるのが、ショートパスタの魅力でもあります。
あったかいスープが五臓六腑に沁み入って寒さも吹き飛びます。
今回の料理は冬以外も登場はしますが、暑い夏より寒い冬に食べたくなる2皿です。
その2つに共通するのは、”スープ仕立て”であること。
日本でもあったかいおうどんやお蕎麦、粕汁に鍋料理など”お汁もの”が恋しくなるのと同様、寒い季節はこのスープ仕立てにして食べるショートパスタがたまりません。
イタリア語ではこういう”汁多め、つゆだく”のことを”brodoso(ブロドーソ=スープ量の多い)”というのですが、今回はいずれも普段のトマトソースにパスタの茹で汁を多めに入れて延ばしてスープ仕立てにして作ります。
※反対にお汁の少ないスパゲッティ用のパスタなどはpastasciutta , pasta asciutta(アシュッタ=水気のない、スープ状でない)と呼びます。
私が”イタリアのマンマ”と慕うアンナマリアは、若い頃手打ちパスタ店を経営していた程のパスタ名人。彼女が作る手打ちパスタ料理の中でも1,2を争う私の好物である今回の2皿。
1つ目は「羊飼い風指輪のパスタ(anellini alla pecorara)」。
羊の移動放牧が長く経済を支えてきたアブルッツォ。長い間家を空けて羊と共に生活をする羊飼いのために、早く食べられ且つ、紐などに通して持ち運びやすいようにと指輪型にしたとされるパスタです。
トマトソースとたっぷりのリコッタチーズを入れた鍋に茹でたてのパスタを加え、味を見ながら茹で汁を足していきます。仕上げには羊のチーズを振りかます。
このパスタに関しては、スープ仕立てである以上に比較的冬に食べる理由があります。それは手間のかかるパスタ作り。暑い夏はできるだけ短縮したい台所仕事。冬なら長い夜の時間、暖炉の前に陣取ってゆっくりおしゃべりを楽しみながら作ることができます。
小麦粉に卵、水、塩を加えた生地を短い棒状に切り分け、
それをひとつひとつくるりと指に巻き付けて指輪状にしていきます。その際、指の腹をつかって少しねじりを加えるのがポイントです。
パスタに独特の弾力が加わり、チーズがたっぷりはいった重めのソースとも相性が抜群です。
そして2皿目。こちらは正直年中食べてしまう大好物「豆のショートパスタ(sagne e fagioli)」。夏場はasciuttaで食べることも多いのですが冬場は断然brodosoでいただきます。
こちらは日本のうどんに似た、小麦粉と水、塩だけでつくるシンプルなsagneと呼ばれるパスタを使います。
トマトソースにホクホクに炊いたうずら豆を加え、こちらも茹で汁で延ばしたスープを和えていただきます。出来たて熱々の上にたっぷりのチーズに加え、唐辛子を刻んで少し味にアクセントを足すことも忘れません。
休日のお昼などは友人や家族が集まり、皆でテーブルを囲んでいただきます。大きなスプーンいっぱいに掬って熱々をハフハフと頬張ると少し汗ばむほど。この、スプーンでパクパクいけるのが、ショートパスタの魅力でもあります。
あったかいスープが五臓六腑に沁み入って寒さも吹き飛びます。