ミラノ料理 Al’ Less
みなさま、明けましておめでとうございます。毎年恒例、年末年始のミラノのライティングも、そろそろ終わりを迎える頃となりました。
(左下)ミラノの南・ナビリオ運河のライティング(右下)ミラノの北・ガエ・アウレンティ広場のクリスマスツリー
(上)ソルフェリーノ通りのライティング
年末年始はガラン、としていたミラノもやっと通常の顔が戻ってきました。ミラノの80%はプーリア人、というジョークをよく聞きますが、クリスマスは故郷に帰る人が多く、また山の家や海外旅行に行く人も多く、街はいたって静か。最近、急に観光客で賑わうようになったドゥオモなどの街の中心部はまた別ですが。
今年の大晦日は友人の家で、お決まりの年越しの一皿”Cotechinoコテキーノ”と”Lenticheレンティーケ(レンズ豆)”をいただいた後、新しい年が訪れると同時にミラノ中で鳴り響く花火の音を聞きながら、みなでスプマンテで乾杯をしました。
年越しの縁起もの料理コテキーノは、豚の皮やパンチェッタを豚肉に混ぜて作った太めのサラミで、火を通していただくもの。食感は、極めてこってり。イタリアの北部フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアで生まれたと言われていますが、いかにも北のお料理ですね。
コテキーノと並んで大晦日から新年にかけていただくのが、”Zamponeザンポーネ”。モデナ生まれの豚足で、コテキーノと同じ中身を詰めたもの。一緒にお皿に盛るレンズ豆は、古代ローマの時代から金貨を象徴し、豚足がお金をかき集めるという一皿で、新年に開運を、という訳です。日本の熊手と同じですね。
さてこの休暇中、ミラノに里帰りしている友人を囲み、初めて訪れるミラノ料理屋「Al’ Lessエル・レス」で集うことに。”Al’ Less”とはミラノ方言で、”Lessoレッソ=茹で肉” の意味。メニューを開くと、その名のとおりミラノ料理が充実。ワインやプリモ(パスタ料理)にはピエモンテのものも。
ミラノ料理といえば、”Cotoletta Milanese コトレッタ・ミラネーゼ”(オイルでなく、バターで揚げるってご存知でした?)が有名ですが、この季節は”Cassoeulaカッスーラ”という豚の煮込み料理も名物。これにも豚の皮が入り、そしてちりめんキャベツがたっぷり。その昔、11月から12月に豚を屠殺した際に、最後の最後まで無駄なく使い切る知恵だったのでしょうね。そして安い部位を他の安価な素材と組み合わせて、どうやって美味しくいただくかを考えて考えてきっと生まれ、そして伝えられた伝統なのでしょう。
今回はこのカッスーラはちょっと重すぎるということで、お店の名前を冠したレッソと、”Risotto Milaneseミラノ風リゾット”と” Osso Buco オッソブーコ”を皆でチョイス、分け合って堪能しました。
さてミラノ方言。文字で見るとイタリア語とフランス語の間のようなところにある言語のような気がしますが、耳にすると発音も言葉も独特すぎて、さっぱりわからないのです。スペイン、オーストリア、フランスなど様々な文化の支配下を生きてきた都市・ミラノ。その歴史が育んだ言葉ですから、当然でしょうが、それにしてもチンプンカンプン。
同世代のミラノ出身の友人から聞いた話。彼のおじいさんはBIANCHIビアンキという自転車工場で工員をしていて、ミラノ語しか話せないそう。つまりイタリア語が話せない、ということ。ほんの三世代前に遡れば、イタリア語は大学に行くような人たちが話す言葉だったそうで、、。ミラノ事情、まだまだ知らないことがたくさんあるなあ、と実感したのでした。
さて、ふと思いついて、LessoレッソとBollitoボッリートは、何が違うのかしらん、とネットで検索してみたところ、お湯が湧いてからお肉を入れたのがボッリートで、レッソは水からお肉を茹でる、と書いてありました。本当??今や区別せずに一緒に使っているような気がしますが、、。エミリアやヴェネトの人にぜひ機会があれば、ぜひ聞いてみたいと思います。
”Al Less”、私のような昔ながらのトラットリア好きには最高でした。お料理も丁寧に作られていて美味しかったし、お値段も手頃。レトロな雰囲気で、居心地がよい店でした。こういう昔ながらのトラットリアがミラノから激減している中、貴重な一軒を見つけた気分。ぜひ機会があればお試しください!
「AL’ LESS アル・レス」http://www.alless.it/
Viale Lombardia, 28 – 20131 Milano
Tel. 02.70635097
(左下)ミラノの南・ナビリオ運河のライティング(右下)ミラノの北・ガエ・アウレンティ広場のクリスマスツリー
(上)ソルフェリーノ通りのライティング
年末年始はガラン、としていたミラノもやっと通常の顔が戻ってきました。ミラノの80%はプーリア人、というジョークをよく聞きますが、クリスマスは故郷に帰る人が多く、また山の家や海外旅行に行く人も多く、街はいたって静か。最近、急に観光客で賑わうようになったドゥオモなどの街の中心部はまた別ですが。
今年の大晦日は友人の家で、お決まりの年越しの一皿”Cotechinoコテキーノ”と”Lenticheレンティーケ(レンズ豆)”をいただいた後、新しい年が訪れると同時にミラノ中で鳴り響く花火の音を聞きながら、みなでスプマンテで乾杯をしました。
年越しの縁起もの料理コテキーノは、豚の皮やパンチェッタを豚肉に混ぜて作った太めのサラミで、火を通していただくもの。食感は、極めてこってり。イタリアの北部フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアで生まれたと言われていますが、いかにも北のお料理ですね。
コテキーノと並んで大晦日から新年にかけていただくのが、”Zamponeザンポーネ”。モデナ生まれの豚足で、コテキーノと同じ中身を詰めたもの。一緒にお皿に盛るレンズ豆は、古代ローマの時代から金貨を象徴し、豚足がお金をかき集めるという一皿で、新年に開運を、という訳です。日本の熊手と同じですね。
さてこの休暇中、ミラノに里帰りしている友人を囲み、初めて訪れるミラノ料理屋「Al’ Lessエル・レス」で集うことに。”Al’ Less”とはミラノ方言で、”Lessoレッソ=茹で肉” の意味。メニューを開くと、その名のとおりミラノ料理が充実。ワインやプリモ(パスタ料理)にはピエモンテのものも。
ミラノ料理といえば、”Cotoletta Milanese コトレッタ・ミラネーゼ”(オイルでなく、バターで揚げるってご存知でした?)が有名ですが、この季節は”Cassoeulaカッスーラ”という豚の煮込み料理も名物。これにも豚の皮が入り、そしてちりめんキャベツがたっぷり。その昔、11月から12月に豚を屠殺した際に、最後の最後まで無駄なく使い切る知恵だったのでしょうね。そして安い部位を他の安価な素材と組み合わせて、どうやって美味しくいただくかを考えて考えてきっと生まれ、そして伝えられた伝統なのでしょう。
今回はこのカッスーラはちょっと重すぎるということで、お店の名前を冠したレッソと、”Risotto Milaneseミラノ風リゾット”と” Osso Buco オッソブーコ”を皆でチョイス、分け合って堪能しました。
さてミラノ方言。文字で見るとイタリア語とフランス語の間のようなところにある言語のような気がしますが、耳にすると発音も言葉も独特すぎて、さっぱりわからないのです。スペイン、オーストリア、フランスなど様々な文化の支配下を生きてきた都市・ミラノ。その歴史が育んだ言葉ですから、当然でしょうが、それにしてもチンプンカンプン。
同世代のミラノ出身の友人から聞いた話。彼のおじいさんはBIANCHIビアンキという自転車工場で工員をしていて、ミラノ語しか話せないそう。つまりイタリア語が話せない、ということ。ほんの三世代前に遡れば、イタリア語は大学に行くような人たちが話す言葉だったそうで、、。ミラノ事情、まだまだ知らないことがたくさんあるなあ、と実感したのでした。
さて、ふと思いついて、LessoレッソとBollitoボッリートは、何が違うのかしらん、とネットで検索してみたところ、お湯が湧いてからお肉を入れたのがボッリートで、レッソは水からお肉を茹でる、と書いてありました。本当??今や区別せずに一緒に使っているような気がしますが、、。エミリアやヴェネトの人にぜひ機会があれば、ぜひ聞いてみたいと思います。
”Al Less”、私のような昔ながらのトラットリア好きには最高でした。お料理も丁寧に作られていて美味しかったし、お値段も手頃。レトロな雰囲気で、居心地がよい店でした。こういう昔ながらのトラットリアがミラノから激減している中、貴重な一軒を見つけた気分。ぜひ機会があればお試しください!
「AL’ LESS アル・レス」http://www.alless.it/
Viale Lombardia, 28 – 20131 Milano
Tel. 02.70635097