M.Cエッシャーと巡るアブルッツォの小さな村
だまし絵や独特の幾何学的な絵で有名なオランダ人画家、M.C.エッシャー(1898〜1972)。今年は、東京を皮切りに全国で彼の展覧会も開かれていますね。
実は、エッシャーは1928年〜30年頃にかけて、ローマからアブルッツォへ足を伸ばしては小さな村々を巡っています。
オランダといえば干拓の地。それとは対象的なアブルッツォでの山が連なる風景や、山間にひっそりと佇む小さな村々の存在に彼は強く惹かれ 、風景画や写真に収めてきました。また、こうした風景との出会いが、後の作品へも大きく影響したと言われています。
今回は彼が残した作品と共にアブルッツォの小さな村を少しご紹介します。
まず、彼が残した風景画の中でも特に評価の高い、Castrovalva(1930)。標高約900mに位置する小さな集落ですが、山の尾根にへばり付くように住宅が連なり、窓の外は崖っぷち、どの様にして建物を建てたのかさえ不思議です。
ただ、ここへたどり着くまでの景色は最高。彼の絵からも山の連なりやその奥行が臨場感をもって伝わってきます。
私も以前、下からだけ眺める機会があったので、記念に写真を。
彼の風景画と比べるとなんともお粗末で、逆に彼はどこからあの絵を描いたのか教えて欲しいくらいですが・・せめて少しでも絵に近づけるためにモノクロにしておきます。
そして、このCastrovalvaからもほど近い、「イタリア最も美しい村」の1つで、アブルッツォを代表する風光明媚な地、スカンノも彼が気に入って通っていた村です。
歩く度に変化する迷路の様な町並み、細い路地の外階段やアーチが作り出す陰影など、そこには彼を魅了するもので溢れていました。
今もまちの人たちが看板を設置して、彼の足跡を辿れる様にと工夫しています。
後の作品であるだまし絵などの着想のきっかけと言われれば、そんな気もしてくる作品です。
下は現在のスカンノ。かなり正確に描写していたのが分かります。
最後は、これも標高720mの山間に位置する小さな村、Goriano Sicoli。
ここでは、彼の最初のリトグラフとされる”Veduta di Goriano Sicoli(ゴリアーノ・スィーコリの眺め・1929)”が描かれています。
私も教会のファサードが見える噴水広場まで移動。これもモノクロに加工してみました。
上の2つの作品より先に描かれたもので、それらに比べると少しファンタジーが入っている感じがしますが、建物が重なり合う様子など特徴がよく伝わり、今の景色に作品と重ねてみるのも楽しいものです。
何より、今に生きる私達が、彼が見たのと同じ風景を見れることにロマンを感じますね。
これからエッシャーの作品に触れる機会がありましたら、是非ふとアブルッツォのことも思い出して頂けると嬉しいです。
実は、エッシャーは1928年〜30年頃にかけて、ローマからアブルッツォへ足を伸ばしては小さな村々を巡っています。
オランダといえば干拓の地。それとは対象的なアブルッツォでの山が連なる風景や、山間にひっそりと佇む小さな村々の存在に彼は強く惹かれ 、風景画や写真に収めてきました。また、こうした風景との出会いが、後の作品へも大きく影響したと言われています。
今回は彼が残した作品と共にアブルッツォの小さな村を少しご紹介します。
まず、彼が残した風景画の中でも特に評価の高い、Castrovalva(1930)。標高約900mに位置する小さな集落ですが、山の尾根にへばり付くように住宅が連なり、窓の外は崖っぷち、どの様にして建物を建てたのかさえ不思議です。
ただ、ここへたどり着くまでの景色は最高。彼の絵からも山の連なりやその奥行が臨場感をもって伝わってきます。
私も以前、下からだけ眺める機会があったので、記念に写真を。
彼の風景画と比べるとなんともお粗末で、逆に彼はどこからあの絵を描いたのか教えて欲しいくらいですが・・せめて少しでも絵に近づけるためにモノクロにしておきます。
そして、このCastrovalvaからもほど近い、「イタリア最も美しい村」の1つで、アブルッツォを代表する風光明媚な地、スカンノも彼が気に入って通っていた村です。
歩く度に変化する迷路の様な町並み、細い路地の外階段やアーチが作り出す陰影など、そこには彼を魅了するもので溢れていました。
今もまちの人たちが看板を設置して、彼の足跡を辿れる様にと工夫しています。
後の作品であるだまし絵などの着想のきっかけと言われれば、そんな気もしてくる作品です。
下は現在のスカンノ。かなり正確に描写していたのが分かります。
最後は、これも標高720mの山間に位置する小さな村、Goriano Sicoli。
ここでは、彼の最初のリトグラフとされる”Veduta di Goriano Sicoli(ゴリアーノ・スィーコリの眺め・1929)”が描かれています。
私も教会のファサードが見える噴水広場まで移動。これもモノクロに加工してみました。
上の2つの作品より先に描かれたもので、それらに比べると少しファンタジーが入っている感じがしますが、建物が重なり合う様子など特徴がよく伝わり、今の景色に作品と重ねてみるのも楽しいものです。
何より、今に生きる私達が、彼が見たのと同じ風景を見れることにロマンを感じますね。
これからエッシャーの作品に触れる機会がありましたら、是非ふとアブルッツォのことも思い出して頂けると嬉しいです。