ワインを理解する上での心得とは?その2
皆さん、こんにちは。シエナのソムリエ鈴木です。
今回は、“ワインを理解する上での心得とは?その2”と題して、普段ワインに馴染みのない皆さんにもなるべくわかるように、ワインの世界をご案内したいと思います。
ワインを理解する上での心得とは?その1→コチラ
前回もお話ししたように、このワインの世界が難しい理由の一つに、その多様性があります。
ブドウの種類であったり、産地、畑の土壌や気候の条件、またブドウの収穫の仕方や製法により色・香り・味わいに違いがでます。そして瓶詰したあとも熟成において変化が生まれます。
つまり工場でつくられるような飲料は、毎年同じ内容物で常に同じ味わいでなければいませんが、ワインは様々な条件下で味わいに変化・違いが生まれる飲み物なのです。
そのため、プロのソムリエやジャーナリストの方であっても存在する全てのワインを知り尽くすことはできませんし、全てのワインの熟成・変化を完全に理解することはできません。それだけ混沌とした膨大な種類のワインの世界の中に我々はいるのです。
どのように理解していけばよいのでしょうか。
『ワインの理解する上での心得その1』でお話したように、まずはなるべく簡潔に考え、そしてワインの世界を身近に感じるように、何かに例えてみましょう。
音楽には、クラシックからロック、ポップス、R&B、ジャズ、レゲエ、テクノなど、色々なジャンルがあり、それぞれ世界中にたくさんのアーティスト、演奏者がいます。
皆さんも個人的に好きなジャンルの音楽や贔屓のアーティストがいらっしゃるのではないでしょうか?
ワインも同様に色々な種類があり、それを造っているいわばアーティストなる生産者たちが存在しています。原料となるブドウの品種にはそれ自体が甘いアロマやハーブのようなアロマを持っていたり、酸や渋みが特徴的な品種、皮からの色合いが強く抽出される品種、フローラルなアロマやスパイシーなアロマが特徴の品種など、ワインに反映される様々な個性があります。また淡くゆるやかで軽快なワインから濃厚で凝縮感のあるタフなワインまで、その種類は千差万別です。
つまり、皆さんが音楽のジャンル(体系)を理解しているように、まずはワインにどういった味わいの種類があるのか、そしてその個性を理解する必要があります。
注意したいのは、このワインの個性というのは甲乙をつけるべきものではないということです。つまり、どちらの方が優れているとか、劣っているという議論は通常しません。何故なら、ここで話しているのは種類(ヴァラエティー)のことで質(クオリティー)の話ではないからです。
音楽の話に戻りましょう。
音楽の“ジャンル”をブドウ品種やワインのタイプの“ヴァラエティー”とした場合、“クオリティー”にあたるのは、演奏者のスキル、または音楽が流れるステレオの音質と言えます。
すなわちクオリティーが良くないワインというのは、楽器の音・メロディーがずれていたり、音質に雑音・ノイズが混じっている、音量が小さすぎる・大きすぎるというようなことになります。
ワインの世界を理解し楽しむためには、特別な嗅覚や味覚が必要ではありません。世の中に溢れている音楽のように、ワインを楽しみ、経験を積めばよいだけなのです。
その中で、ワインのタイプとそのクオリティーを理解していくことができるでしょう。
ぜひ色々なワインを味わって、皆さんの好きな音色を探してくださいね!
それでは、また次回もお楽しみに!
鈴木暢彦
ホームページ 『トッカ・ア・シエナ』https://www.toccaasiena.com
今回は、“ワインを理解する上での心得とは?その2”と題して、普段ワインに馴染みのない皆さんにもなるべくわかるように、ワインの世界をご案内したいと思います。
ワインを理解する上での心得とは?その1→コチラ
前回もお話ししたように、このワインの世界が難しい理由の一つに、その多様性があります。
ブドウの種類であったり、産地、畑の土壌や気候の条件、またブドウの収穫の仕方や製法により色・香り・味わいに違いがでます。そして瓶詰したあとも熟成において変化が生まれます。
つまり工場でつくられるような飲料は、毎年同じ内容物で常に同じ味わいでなければいませんが、ワインは様々な条件下で味わいに変化・違いが生まれる飲み物なのです。
そのため、プロのソムリエやジャーナリストの方であっても存在する全てのワインを知り尽くすことはできませんし、全てのワインの熟成・変化を完全に理解することはできません。それだけ混沌とした膨大な種類のワインの世界の中に我々はいるのです。
どのように理解していけばよいのでしょうか。
『ワインの理解する上での心得その1』でお話したように、まずはなるべく簡潔に考え、そしてワインの世界を身近に感じるように、何かに例えてみましょう。
ワインの世界=音楽の世界
今回は皆さんがよく知っている音楽の世界で例えてみるとします。音楽には、クラシックからロック、ポップス、R&B、ジャズ、レゲエ、テクノなど、色々なジャンルがあり、それぞれ世界中にたくさんのアーティスト、演奏者がいます。
皆さんも個人的に好きなジャンルの音楽や贔屓のアーティストがいらっしゃるのではないでしょうか?
ワインも同様に色々な種類があり、それを造っているいわばアーティストなる生産者たちが存在しています。原料となるブドウの品種にはそれ自体が甘いアロマやハーブのようなアロマを持っていたり、酸や渋みが特徴的な品種、皮からの色合いが強く抽出される品種、フローラルなアロマやスパイシーなアロマが特徴の品種など、ワインに反映される様々な個性があります。また淡くゆるやかで軽快なワインから濃厚で凝縮感のあるタフなワインまで、その種類は千差万別です。
つまり、皆さんが音楽のジャンル(体系)を理解しているように、まずはワインにどういった味わいの種類があるのか、そしてその個性を理解する必要があります。
注意したいのは、このワインの個性というのは甲乙をつけるべきものではないということです。つまり、どちらの方が優れているとか、劣っているという議論は通常しません。何故なら、ここで話しているのは種類(ヴァラエティー)のことで質(クオリティー)の話ではないからです。
ワインにおけるクオリティーとは?
一般的にクオリティーが高いワインというのは、外観、香りや味わいに澱みや雑味(不快な要素)がなく綺麗であること。酸や糖、ミネラル、渋みなど、ワインとしてのバランスの良さ。ブドウからの成分の抽出の強さ、奥深さ、余韻の長さなどの点の評価があります。クオリティーを得るためには?
日照や気候、土壌の条件に恵まれている産地にもなれば、ワインの質につながる良いブドウが得られる可能性がありますが、それ以外にも、ブドウ畑の仕立て方、その状態、管理や選定の仕方、収穫時の選果やタイミング、醸造の仕方・テクニックなどワイナリーの投資と努力によってもたらされる部分も当然あります。特に選定や選果によって、一つの畑からの得るブドウの生産量(収穫量)を抑えるということは、質(クオリティー)を高める上で重要です。音楽の話に戻りましょう。
音楽の“ジャンル”をブドウ品種やワインのタイプの“ヴァラエティー”とした場合、“クオリティー”にあたるのは、演奏者のスキル、または音楽が流れるステレオの音質と言えます。
すなわちクオリティーが良くないワインというのは、楽器の音・メロディーがずれていたり、音質に雑音・ノイズが混じっている、音量が小さすぎる・大きすぎるというようなことになります。
ワインの世界を理解し楽しむためには、特別な嗅覚や味覚が必要ではありません。世の中に溢れている音楽のように、ワインを楽しみ、経験を積めばよいだけなのです。
その中で、ワインのタイプとそのクオリティーを理解していくことができるでしょう。
ぜひ色々なワインを味わって、皆さんの好きな音色を探してくださいね!
それでは、また次回もお楽しみに!
鈴木暢彦
ホームページ 『トッカ・ア・シエナ』https://www.toccaasiena.com