Made in Italy 職人さんの世界
Ciao a tutti
気が付けばあっという間に三月も半ば。「Marzo pazzo」の言葉通り、5分おきに太陽と雨雲が入れ替わる三月。
でも、春はもうそこまで来ていますね。やっぱり暖かいのです。
さて、冬~春は展示会や発注の時期で、イタリアのファッション業界は大きく動き出します。
Made in Italyと言えば、華やかなファッションか美味しい食品か?
いずれの分野においても、ハイスペックな職人さんたちの腕が欠かせません。
先週はナポリの路地裏にひしめき合う、小さな革製品の工房をたくさん回らせて頂きました。
北イタリアのミラノやフィレンッエにはブランドのショールームがあります。
南イタリアには、それらのブランドの製品を作る工房が沢山あるのです。ほらほら~、下請け社会ですよ。
南は昔から安い賃金で下請け搾取され続けてきました(笑)
そして大きな工場というのは街中になく、自宅兼、工房のような家族経営工房が旧市街地の一部区域に密集しています。
この辺りを歩くと、ドアの隙間から、開いた窓の向こうに、職人さんの姿を見るよく見かけます。
◆各国別に細かいサイズにカスタマイズされた部品◆
当初、こんな恐ろしい地域で国際的なモノづくりをしていることに衝撃を受けました。
アメリカ、日本、イギリスなど、だれでも知っている有名デパートや、有名ブランドの高級品が、こんな場所で作られていいんですか?
でもね、製品が素晴らしいのです。
そして職人さんたちの物づくりに対する態度や環境を聞いているとうなづけます。
現在80歳を超えるご高齢の職人さんたちもたくさんいます。彼らは10代から工場に入り、ずっとこの道で来たベテランの方々。
職人さんたちの高齢化は深刻で、後継者不足が大きな問題です。若い世代は楽して早く稼ぎたい!はどこの世界でも同じですね。その反面、彼らの息子さんたちが育ち、最新技術やネットを駆使しビジネスを始めるようになったので、モノづくりの現場もだいぶ変わったヨと職人さんが答えてくれました。
◆染色の技術や発色もイタリアの革製品は素晴らしいです◆
それでもやはり製品はミリ単位でカスタマイズして行くこともあります。フランスに出稼ぎに出て工場で働き、革のカット、なめし、縫製の技術など学んだ後、ナポリに戻りここで工房を始めた高齢の職人さんたちの指先感覚は言葉にできない位鋭いんですよね。
この技術が10年、20年と続く事を祈らずにいられません!