マンマのレシピ

マンマの紹介

  • アッスンタ グアルニエリ(Assunta Guarnieri )さん
  • プーリア州チステルニーノ在住
  • 得意料理:ラグー、フォカッチャ

お料理説明・背景

ブラショーレ(brasciole)という言葉はプーリアの方言では肉のロール巻きのことだが、イタリア北部では骨つき肉の炭火焼きを意味する。これはミラノ出身で長年チステルニーノに住んでいる友人から聞いた話。炭火焼という意味のalla braceからきていると思われる

一般的にはインヴォルティーニ(involtini =ぐるっと巻いたもの)と言った方が間違いがない。しかし試しにネット検索してみるとBrasciole di cavalloで何件もレシピが出てきたので、プーリア料理としてイタリア全土で認識されているということだろう。

プーリアは他地域のイタリア人にも食べるものがおいしい場所と評判が高い。ブレーシャに住む友人もトスカーナに住む友人も大きく首を縦にふってくれる。嬉しいことだ。
この一品もシンプルだがじっくり煮込むことで深い味わいが出る。当地でも馬肉はどこの肉屋にでも置いてあるものではない。馬肉専門店が街に何軒かある。 写真はマルティナ フランカで唯一の馬肉専門店。馬肉のサルシッチャ、ボンベッティ、サラミなども自家製で売られている。月に2回はロバ肉も捌くとのこと。馬肉は生後24ヶ月から30ヶ月までの言わば仔馬プレドロ(Puledro)を食用に飼育している地元の牧場から仕入れるそうだ。

馬肉の代わりにロバ肉で作ったブラショーレもとてもおいしい。昔は農耕用に使われていたロバの肉を食べていた訳だが、今ではヘルシーな肉として人気があり食用に飼育されている。

この料理はプーリアでは定番中の定番で多分どこの家でも1ヶ月に最低でも2、3度は作る。アッスンタさんの家でもそうらしい。彼女はニンニクが苦手なので入れないが、チステルニーノのレシピには入る。トマトソースに入れるタマネギの量も少なめ。

トマトソースはオレキエッテと一緒にプリモとして食べて、肉はその後セコンドとして食べる。一品で2度おいしい、これもクチーナ・ポーヴェラ(貧しい料理)の知恵。パスタはペンネやリガトーニなどショートパスタであればオレキエッテでなくても良いが、モチモチ感のある生のオレキエッテだとさらにおいしさが増す。特別なフェスタでもない家族揃った普通の日曜日のちょっと嬉しい昼食の一品。

レポート:大橋 美奈子(Minako Ohashi)
プーリア州在住。1999年プーリアと日本の架け橋になるべく(有)ダプーリア設立。2008年子育てのため夫の故郷Valle d’Itriaへ移住。スローライフを実践しながらプーリア仲間増殖活動中。

材料

馬肉ロールのトマト煮(2人分)

・馬肉の薄切り200g(4枚ほど)厚さ2~3mm
・ハードタイプのチーズ50g・カチョカヴァッロ、ペコリーノまたはパルミジャーノ・レッジャーノなど
・パセリ適量
・塩適宜
・コショウ適宜
・ニンニクお好みで
・楊枝肉の枚数部
・トマトソース500ml
・タマネギ1/2個
・ローリエ1枚
・白ワイン100cc
・エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル適量

作り方

下ごしらえ

  1. チーズは薄切り、パセリ、ニンニク、タマネギはみじん切りにしておく。
  2. 肉の幅が広い場合は12-15cmぐらいに切っておく。

作り方

  1. 肉の中央部にチーズ、パセリ、ニンニクを置き、軽く塩コショウする。(写真a 参照)
  2. 両サイドから1を被せるように折り、下から巻き上げる。(写真b,c 参照)
  3. 楊枝で巻き終わりを留める。(写真d 参照)
  4. 鍋にオリーヴオイル、タマネギ、ローリエ、肉を入れる。(写真e 参照)
  5. ロール巻きにした肉の表面に焦げ目がつくように焼く。(写真f 参照)
  6. 白ワインを入れアルコール分を飛ばす。(写真g 参照)
  7. トマトソースを加え煮立ったら弱火にして2時間ほど煮る。(写真h 参照)
  • a. 肉に具材をのせる
  • b. 両サイドを被せるように折る
  • c. 下から巻いていく
  • d. 楊枝で巻き終わりを留める
  • e. 鍋にオイル、タマネギ、ローリエを入れる
  • f. 肉の表面を焼く
  • g. 白ワインを加えてアルコール分を飛ばす
  • h. トマトソースを加えて2時間ほど煮込む

お料理ポイント

馬肉が手に入らない時は仔牛でも。仔牛の場合は1時間位煮れば柔らかくなる。ニンニクお好みで入れても入れなくても良い。