イタリア半島の西側にサルデーニャ島がある。日本での知名度はシチリア島の陰に隠れがちだが、海岸には素晴らしいビーチが並び、ヨーロッパでは夏になるとセレブ達がこぞって集うバカンス地として有名だ。実は歴史も長く、紀元前18世紀頃から高度な文明があったことが多くの遺跡の発見でわかっている。
そんなサルデーニャ島で100年以上の歴史を誇るワイナリーがセッラ&モスカ社だ。イタリア語での読み方はセッラ・エ・モスカ。創業は1899年までさかのぼる。
「待っていましたよ」ワイナリーに着くと同社のエノロゴ(醸造家)のジョヴァンニさんが笑顔で私を迎えてくれた。
「まずはこうやってサルデーニャと我々のワイナリーをご紹介できるのをとても嬉しく思います。サルデーニャ島という場所柄、イタリアでもなかなか直接お客様にワイナリーを見て頂くことが無いので・・・ましてや日本のお客様にご案内できるのはとても素晴らしい機会ですから。」
ワイナリーとしては少し変わった創業経緯がある。
「セッラ&モスカ社は実はもともと1899年に苗木屋として創業しています。ちょうどサルデーニャ島にも一部にフィロキセラ(※)の被害が出始めていた頃ですね。セッラ&モスカ社は病害に強いアメリカ産の台木にヨーロッパのブドウ品種を接木する苗木作りからスタートしました。その当時は1,600種類以上のブドウ品種のクローン苗木を作って売っていたんですよ。創業から3年後の1902年にはワイン造りも開始して、拡張を重ねながらワイナリーが大きくなりました。」
※日本名ブドウネアブラムシ。耐性のないヨーロッパ原産のブドウ樹に瘤を生成し、ブドウ樹の生育を阻害する昆虫による病害。
案内して頂くと、まず驚かされるのはワイナリーの規模の大きさだ。巨大な醸造施設に加え、ワイナリーの周りに650ヘクタールの広大な土地を持ち、そのうち550ヘクタールがブドウ畑。残りの100ヘクタールは自然公園として残し、生物多様性を保ちながらブドウ畑で100%有機栽培を行っている。さらにサルデーニャ北側のガッルーラ地区の畑では“モンテオーロ”ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ(ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラはサルデーニャ唯一のDOCG格付ワイン)、サルデーニャ南西側のスルチス地区の畑では“テッレラーレ”カリニャーノ・デル・スルチス・リゼルヴァを造っている。
「セッラ&モスカ社の特徴は、苗木屋の経験に基づく知識や畑でのブドウの木の扱いにあります。例えば、ガッルーラ地区やスルチス地区の我々の畑は砂質土壌ですが、サルデーニャではこうした砂質土壌の畑にはフィロキセラの被害は届いていないんです。そのため私達はこういった畑では台木を導入せず、いまだに接木をしていないオリジナルの根を持ったブドウの木から収穫を行っています。やはり接木はどうしても根からの栄養を100%果実まで運べていないように思います。オリジナルの根を持ったブドウの木から出来るワインは、よりいっそう複雑味を持っていますね。」
ジョヴァンニさんにガッルーラ地区の畑もご案内して頂いたが、標高280~300mとガッルーラ地区の中でも少し小高い丘の上にあり、他のワイナリーの同地区の畑が平野部にあるのに比べ昼夜の寒暖差の出やすい、白ワイン造りには理想的な環境だ。またスルチス地区の畑も実際、非常にきめ細かな砂質土壌で構成されている。
「ワイナリーの周りの畑では大規模な土壌改革を行いました。この場所は一層目の表層土壌を1メートル弱掘ると二層目に硬い砂岩の一枚岩があり、ブドウの木がそれ以上根を伸ばせないことがわかったからです。そこで二層目の砂岩層を掘り出し、三層目にあった砂質土壌も掘り起こして、二層目だった砂岩層と三層目の砂質土壌の埋める順番を逆にしたのです。砂岩層は厚さ1.5m程。大変な作業で、一部の畑ではこの作業が未だに続けられています。」
ジョヴァンニさんが説明しながら掘り出した砂岩を見せてくれたが、あまりの大きさに驚かされた。
紳士的で物静かな雰囲気のジョヴァンニさんだが、話し始めると説明したい気持ちがほとばしる様な饒舌さ。そんな彼に最後に、セッラ&モスカ社のワインの魅力を聞いた。
「セッラ&モスカ社のワインの特徴は、エレガントさです。サルデーニャのワイン、と言うと暑い気候の下で作られる糖度の高い、味わいが濃いワインと思われがちですが、私達の造る土着品種の赤ワイン“カンノナウ・ディ・サルデーニャ”を一度飲んでみて欲しいですね。ピノ・ネーロやネッビオーロを思い起こさせる透明感のある色合いとともに、味わいの中にエレガンスを感じてもらえることと確信していますから。」
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼セッラ&モスカ社の詳細はこちら▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/sellamosca.html
そんなサルデーニャ島で100年以上の歴史を誇るワイナリーがセッラ&モスカ社だ。イタリア語での読み方はセッラ・エ・モスカ。創業は1899年までさかのぼる。
「待っていましたよ」ワイナリーに着くと同社のエノロゴ(醸造家)のジョヴァンニさんが笑顔で私を迎えてくれた。
「まずはこうやってサルデーニャと我々のワイナリーをご紹介できるのをとても嬉しく思います。サルデーニャ島という場所柄、イタリアでもなかなか直接お客様にワイナリーを見て頂くことが無いので・・・ましてや日本のお客様にご案内できるのはとても素晴らしい機会ですから。」
ワイナリーとしては少し変わった創業経緯がある。
「セッラ&モスカ社は実はもともと1899年に苗木屋として創業しています。ちょうどサルデーニャ島にも一部にフィロキセラ(※)の被害が出始めていた頃ですね。セッラ&モスカ社は病害に強いアメリカ産の台木にヨーロッパのブドウ品種を接木する苗木作りからスタートしました。その当時は1,600種類以上のブドウ品種のクローン苗木を作って売っていたんですよ。創業から3年後の1902年にはワイン造りも開始して、拡張を重ねながらワイナリーが大きくなりました。」
※日本名ブドウネアブラムシ。耐性のないヨーロッパ原産のブドウ樹に瘤を生成し、ブドウ樹の生育を阻害する昆虫による病害。
案内して頂くと、まず驚かされるのはワイナリーの規模の大きさだ。巨大な醸造施設に加え、ワイナリーの周りに650ヘクタールの広大な土地を持ち、そのうち550ヘクタールがブドウ畑。残りの100ヘクタールは自然公園として残し、生物多様性を保ちながらブドウ畑で100%有機栽培を行っている。さらにサルデーニャ北側のガッルーラ地区の畑では“モンテオーロ”ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ(ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラはサルデーニャ唯一のDOCG格付ワイン)、サルデーニャ南西側のスルチス地区の畑では“テッレラーレ”カリニャーノ・デル・スルチス・リゼルヴァを造っている。
「セッラ&モスカ社の特徴は、苗木屋の経験に基づく知識や畑でのブドウの木の扱いにあります。例えば、ガッルーラ地区やスルチス地区の我々の畑は砂質土壌ですが、サルデーニャではこうした砂質土壌の畑にはフィロキセラの被害は届いていないんです。そのため私達はこういった畑では台木を導入せず、いまだに接木をしていないオリジナルの根を持ったブドウの木から収穫を行っています。やはり接木はどうしても根からの栄養を100%果実まで運べていないように思います。オリジナルの根を持ったブドウの木から出来るワインは、よりいっそう複雑味を持っていますね。」
ジョヴァンニさんにガッルーラ地区の畑もご案内して頂いたが、標高280~300mとガッルーラ地区の中でも少し小高い丘の上にあり、他のワイナリーの同地区の畑が平野部にあるのに比べ昼夜の寒暖差の出やすい、白ワイン造りには理想的な環境だ。またスルチス地区の畑も実際、非常にきめ細かな砂質土壌で構成されている。
「ワイナリーの周りの畑では大規模な土壌改革を行いました。この場所は一層目の表層土壌を1メートル弱掘ると二層目に硬い砂岩の一枚岩があり、ブドウの木がそれ以上根を伸ばせないことがわかったからです。そこで二層目の砂岩層を掘り出し、三層目にあった砂質土壌も掘り起こして、二層目だった砂岩層と三層目の砂質土壌の埋める順番を逆にしたのです。砂岩層は厚さ1.5m程。大変な作業で、一部の畑ではこの作業が未だに続けられています。」
ジョヴァンニさんが説明しながら掘り出した砂岩を見せてくれたが、あまりの大きさに驚かされた。
紳士的で物静かな雰囲気のジョヴァンニさんだが、話し始めると説明したい気持ちがほとばしる様な饒舌さ。そんな彼に最後に、セッラ&モスカ社のワインの魅力を聞いた。
「セッラ&モスカ社のワインの特徴は、エレガントさです。サルデーニャのワイン、と言うと暑い気候の下で作られる糖度の高い、味わいが濃いワインと思われがちですが、私達の造る土着品種の赤ワイン“カンノナウ・ディ・サルデーニャ”を一度飲んでみて欲しいですね。ピノ・ネーロやネッビオーロを思い起こさせる透明感のある色合いとともに、味わいの中にエレガンスを感じてもらえることと確信していますから。」
http://www.montebussan.co.jp/
▼セッラ&モスカ社の詳細はこちら▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/sellamosca.html