カラブリア州ってこんなところ!
はじめまして。カラブリア州コゼンツァ県コゼンツァ市在住の澤井英里です。「カラブリア州が大好き!」と言っては周囲に変人扱いをされています(笑
エノガストロノミーを基軸に置いた州内のご案内もしているのですが「日本語のカラブリア州に関する情報が極端に少ない」といった声も聞こえてきます。
これから、カラブリア州の一般観光情報や見どころの紹介、美味しいモノ情報やカラブリアでの生活、知られざる特産品などなどについて現地からお届けできたらと思います。
まず最初は「そもそも、カラブリア州って?」のご紹介を。
✅州の概要
カラブリア州はイタリア半島の南端、目の前はシチリアです。
カラブリア州を訪問したら体験しておきたいのがメッシーナ海峡越え。電車利用の場合は、電車のままフェリーに乗り込む体験もできますよ♪
写真右がカラブリア、左側がシチリアです。
かれこれ2000年以上「支配される側」にあった為、現在州内に存在する5つの県では、それぞれが異なる文化・風習・方言を持つ、複合文化州です。もちろん、食文化も県ごとに異なります。
5つある県の内、特に北部コゼンツァ県(県庁:コゼンツァ市)・中東部カタンツァーロ県(県庁で州都:カタンツァーロ市)・南部レッジョカラブリア県(県庁:レッジョカラブリア市)が歴史が古く、また規模も大きく有名です。
サッカーファンの方なら「日本人がプレーしていた街」としてレッジョカラブリア市をご存知かもしれないですね。
大雑把にナポリ文化圏のコゼンツァ、ギリシャ文化圏のカタンツァーロ、アラブ・シチリアよりのレッジョカラブリアと言われています。
✅豊かな自然
カラブリア州は700㎞とも800㎞ともいわれる美しい海岸線を持ち、山岳地帯多めの土地柄です。
イタリア最大の面積を誇るポッリーノ国立(Parco nazionale del Pollino)をはじめ、ヨーロッパで一番空気な場所らしいシラ国立公園内(Parco nazionale della Sila)など、豊かな自然に事欠きません。
州内にはスキー場も何か所かあり、豊富な雪解け水に支えられた耕作地帯も存在し、実はお米も作っています。
国立公園内では酪農も盛んで、コゼンツァ市のすぐ裏にあるシラ国立公園ではこの付近でしか見られなくなった古代種・ポドリカ牛も繁殖されています。
ローマ時代にはすでに繁殖が行われていたポドリカ牛は、乳牛でもあり肉牛でもある上に飼育が難しく、現在でも大変珍重されています。コゼンツァでは最高級のカッチョカバッロチーズはポドリカ100%もの、と言われているんですよ。
✅食生活
カラブリア州は「貧しい食事(Cucina povera)」を地で行く良く文化を持ちます。加えて、常に支配される側だったため、特に自然が厳しい地域では冬季に餓死者を出さない方法・保存食つくりの技術を発達させました。
手元にあるもので工夫して作られるレシピが多いのも被支配者だったころの名残。現在では逆に贅沢に思える、旬の食材のみを使った地産地消文化の根が張り巡らされ、村ごとに異なる郷土料理が存在しています。
農家の日曜日のごちそうランチはこんなカンジ。
同じ食べ物でも隣り合う村で呼び名・使う材料が違ったりして、在住者の私でも毎回新しい発見が楽しいのがカラブリア州の食卓事情も、今後折を見てお伝えいたしますね。
かつての支配者たちが残した食文化をうまく取り入れたカラブリア州独自の食品も多く、例えば世界的に有名になった辛くて塗れるサラミ・ンドゥイヤ(’Nduja)はナポレオン時代のフランス産サラミが由来と言われています。
✅さいごに
次回より、州の交通情報など旅に役立つ情報、美味しいモノのご紹介、州内の見どころや特産品などなどを写真たっぷりでお伝えします。
写真は最近人気の訪問地、陶器の街としても有名なスクイラーチェの城址。陶器作り体験もできるのですが、こんな小さな村の情報もどしどし発信予定です。お楽しみに!
「カラブリア州のこんな情報が欲しい!」などのご要望もお気軽にお寄せくださいね♪