マンマの紹介
- マリアンジェラ・ノダーリ(Mariangela Nodari)さん
- ロンバルディア州カスティリオーネ・デッレ・スティヴィエレ在住
- 得意料理:トルテッリ ディ ズッカ(カボチャの詰め物パスタ)
お料理説明・背景
イタリアでは3月最後の日曜日に冬時間から夏時間に切り替わり、日が長くなることもあり、一気に春の訪れを感じるようになる。市場やスーパーマーケットの野菜売り場も途端にカラフルになり、まさに気分は春一色だ。
そんな春野菜の登場で市場から姿を消しかけているイタリアの秋・冬野菜の代表格「カボチャ」だが、マントヴァを代表する郷土料理の中では名実共にトップに君臨する「カボチャのトルテッリ」。先日オーガニックの市場でとってもよさそうなカボチャが見つかったこともあり、何とかマリアンジェラに彼女の得意料理の「カボチャのトルテッリ」の披露してもらえることになった!
「トルテッリをつくる時はいつも4人姉妹が集って分担して作業をしてたの」 と話すマリアンジェラ。実は2~3年前に偶然私が娘を連れて彼女を訪ねた時がその「姉妹共同のトルテッリ作り」の日で、彼女の家の台所に4人姉妹が集まり、流れ作業的にトルテッリを作っていた。マリアンジェラが予めカボチャの餡を作っておき、4人集まって「生地を延ばす係り」「生地を切る係り」「生地にカボチャ餡を載せる係り」「生地を包む係り」などと役割分担し、楽しそうにお喋りをしながら、それはそれは手際よくトルテッリを作っていた。しかもそれぞれの家族用だから大量のトルテッリを!
「最近は直ぐ上の姉の具合が悪く、中々皆で集まれなくてね・・・」と寂しそうに話すが、彼女は7人兄弟の次女で、一人を除いて6人全員が近隣に住んでいる。「兄弟が多いってことは、喜びも哀しみも多いってこと!」と口癖のように話すマリアンジェラは、初孫の誕生から20年経った昨年、再び2人の孫のノンナ(お婆ちゃん)となり、「この年になってこんな喜びは有難くて仕方がない」と目を細める。
ちなみに、レストランなどではカボチャが旬の時期に餡を大量につくり冷凍して、年中お客様にそのおいしさを提供しているようだ。それほど人気のある郷土料理なので、ぜひお試しあれ。
イタリアワインを学ぶため2000年に渡伊。ブレーシャ近郊の2つ星レストランでのソムリエ勤務を経て、2004年からミラノで日本人向けのワインセミナー開講。現在はソムリエとしての仕事と平行し、主に食関連の日伊企業のコーディネーター業務にも携わる日々。イタリア人夫と娘(9歳)の3人、ロンバルディア州マントヴァ近郊で田舎暮らしをしている。ブログ『イタリアで暮らして』で日々の暮らしを綴る。
作り方
- 皮と種を取り除いたカボチャをオーブンか電子レンジなどで柔らかくし、潰してボールに入れる。(写真a 参照)
- 1にフードプロセッサーなどで細かく砕いたアマレッティとリンゴのモスタルダを加える(リンゴのモスタルダは入れなくでも大丈夫)。(写真b 参照)
- 2にパルミジャーノのすりおろしと塩、スパイスミックスを少々加え、ひとつに纏める。(写真c,d 参照)
カボチャ餡
パスタ生地
- のし台に小麦粉を広げ、真ん中をくぼめる。(写真e 参照)
- くぼみに4つの卵を順に割り入れ、塩少々も加える。(写真f 参照)
- 2を内側から徐々に混ぜ合わせていく。(写真g 参照)
- ひとつに纏まったら、更に約10分捏ねて出来上がり。生地の硬さは耳たぶ程度が目安。(写真h 参照)
詰め物パスタ
- パスタ生地の適量を取り、餃子の皮くらいの薄さになるまで麺棒で薄くのばしていく(パスタマシンを使う場合、最後は一番薄い設定にしてのばす)。(写真i 参照)
- 1を大体7cm幅くらいに切り、更に7cm角の正方形に切り分ける。(写真j,k 参照)
- 切り分けた生地の上に順々にカボチャ餡を載せていく。(写真l 参照)
- 餡を包むように縦に半分に折り、カボチャの部分は触らず左右をピッタリと押さえつける。(写真m 参照)
- 布巾を敷いたバットか、紙のバットに並べる。(写真n 参照)
- 鍋にお湯を沸かし好みの量のトルテッリを入れゆでる。(写真o 参照)
- トルテッリが浮き上がってきたら引き上げる(引き上げるタイミングは、浮き上がってきてから更に1分くらい)。
- お皿にトルテッリを並べ、バターソース(バターとお好みでセージをフライパンに入れ弱火で薄茶色になるまでゆっくりと火を加えたもの)又はオリーヴオイルとパルミジャーノをかけて仕上げる。