マンマの紹介
- マリアンジェラ・ノダーリ(Mariangela Nodari)さん
- ロンバルディア州カスティリオーネ・デッレ・スティヴィエレ在住
- 得意料理:トルテッリ ディ ズッカ(南瓜の詰め物パスタ)
お料理説明・背景
今回のイタリアマンマ、マリアンジェラに地元料理の紹介をお願いした際、真っ先に彼女の口から出たのが今回のお料理の「Malfatti(マルファッティ)」、別名「Gnoccthetti verdi(ニョッケッティ ヴェルディ)=小さな緑のニョッキ」だ。
「Malfatti」は彼女の故郷のロンバルディア州ブレシャ県のカルペネードロと言う小さな町の、貧しくかつ味わい深い郷土料理の一つで、彼女の家にもノンナ(お婆ちゃん)の代から続くオリジナルのレシピがちゃんとある。彼女は結婚を機に(私も暮らす)マントヴァ県の隣町に越してきた訳だが、数キロ離れただけなのにこの町にはマルファッティがなく、驚いたと言う。
そんな「Malfatti」、別名「小さな緑のニョッキ」の面白いところは私達のニョッキのイメージとは違い、材料にジャガイモが全く入らないこと。リコッタチーズと卵とパン粉が主原料で、「緑」と言うだけあり、かなりの量の「緑色の野菜」が入る。カルペネードロのレシピには、Spinaci(ホウレンソウ)とErbette(エルベッテ)の両方が存在し、どちらも甲乙つけがたく美味しい。マリアンジェラの家でも、ホウレンソウ派とエルベッテ派はちょうど半々だとか!エルベッテは数あるイタリアの青菜の中ではクセがなく食べやすく、普通はゆでて塩、オリーヴオイル、レモン汁で合えて副菜として食べられることが多いが、ホウレンソウ同様、オムレツやキッシュ、ラザニアの具としても重宝する優れもの青菜だ。
「私は小学校を卒業してからずっと働いてきたの!」 と話すマリアンジェラはとにかく働きものだで、年齢は70歳を超えているが、私が娘のベビーシッターとして知り合いになった10年前と変わらずフットワークがとても軽く、実年齢を全く感じさせない。
今では2人の1歳児のノンナになり、週に4日は2人の孫を交代で朝から夕方まで預かり、残りの日はヘルパーの仕事をし、唯一の休みの日曜日の朝には教会のミサに行き、午後は亡くなったご主人が残した大きな家の、これまた大きな庭の手入れに明け暮れる日々。「家族のため、人のためになっていると思えるのがエネルギーの秘訣、幸せの秘訣!」とうマリアンジェラ。イタリアマンマの底力を垣間見れる瞬間だ。
イタリアワインを学ぶため2000年に渡伊。ブレーシャ近郊の2つ星レストランでのソムリエ勤務を経て、2004年からミラノで日本人向けのワインセミナー開講。現在はソムリエとしての仕事と平行し、主に食関連の日伊企業のコーディネーター業務にも携わる日々。イタリア人夫と娘(9歳)の3人、ロンバルディア州マントヴァ近郊で田舎暮らしをしている。ブログ『イタリアで暮らして』で日々の暮らしを綴る。
作り方
- 玉ねぎをみじん切りにする。
- ホウレンソウ(青菜)は洗って水を切っておく。
- バッドに布巾を敷いて置く。
- 厚手のフライパンにバターと玉ねぎを入れ、透明になるまで炒める。
- 1にホウレンソウを入れ、オリーヴオイルとブイヨンを加え25~30分ほどくたくたになるまで炒める。(写真a,b 参照)
- 2のホウレンソウを取り出し、包丁かフードプロセッサーで細かくする。(写真c,d 参照)
- 3をボウルに入れ、リコッタチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノのすりおろし、卵、小麦粉、パン粉の順に入れ、そのつど良く混ぜる。(写真e,f 参照)
- 4に塩、スパイスを適量入れ一つに纏める。(写真g 参照)
- 板やまな板に打ち粉をし、5の適量を取り出し、両手の平でクルクルと転がし幅約2センチくらいの棒状に伸ばす。(写真h 参照)
- 6を長さ約4センチくらいに切り分ける。(写真i 参照)
- 布巾を敷いたバッドに並べる。(写真j 参照)
- 鍋にお湯を沸かしマルファッティをゆで、浮き上がってきたら引き上げる。(写真k 参照)
- 小さなフライパンにバターとセージを入れ、弱火で薄茶色になるまでゆっくりと火を加える。(写真l 参照)
- 予めお皿に載せたマルファッティの上から溶かしバターを回しかけ、パルミジャーノ・レッジャーノをかけて仕上げる。