プーリアのNataleといえばPresepe Vivente(プレセーペ・ヴィヴェンテ)
プレセーぺとはイタリアのクリスマスには欠かせないイエス・キリストの誕生場面を描いた飾り物のこと。信者達が劇のように登場人物を演じることから”生きているプレセーぺ”と言われるのがプレセーぺ・ヴィヴェンテです。イタリア各地で行われますが、プーリアでは特に盛んで多くの町で住民一同挙げての大イベントです。
イエス・キリストはグロッタ(洞窟)の中で産まれた?
プーリア中央部、州都Bari(バーリ)からもアッピア街道終点地としても知られるBrindisi(ブリンディジ)からも60kmほどの距離に位置するPezze di Greco(ペッツェ ディ グレーコ)という小さな町のプレセーぺ・ヴィヴェンテは今年で33回目。年々訪問者数が増え、プーリアを代表するプレセーぺ・ヴィヴェンテの町として知られるようになりました。開催期間中連日見学者を乗せた観光バスが何台も並びます。
聖書にはキリストは馬小屋で産まれたという記述がありますが、各地で行われるプレセーぺ・ヴィヴェンテではその土地特有の場所が選ばれます。誕生場面だけでなく郷土の生活の歴史を再現する仕立てが背景として繰り広げられます。ペッツェ・ディ・グレーコでは100年ほど前まで使われていた洞窟住居内で町民がその当時の衣服を身に纏い、洞窟内の台所でパンを焼き、綿花や羊毛から糸を紡いで機を織り、自転車のベルトで刃物を研ぐ様子などの他、民謡や民族舞踊が演じられます。
12月6日から1月6日まで1ヵ月かけて祝うナターレは家族のお祭り
プーリアではサンタクロースのモデルとも言われる聖ニコラの命日である12月6日から、8日の聖母マリア処女懐胎の祭日、クリスマス・イヴの24日、クリスマス当日25日、26日の最初の殉教者聖ステファノの祭日の三連休、そして1月6日のEpifania(エピファニア=公現祭)まで1ヵ月間クリスマスムードが続きます。プレセーぺ・ヴィヴェンテのイベントは例年6日間、今回は12月26,28,29,1月1,5,6日、夕方4時から夜9時まで公開されました。クリスマス当日とイヴの日は出演者もミサに行ったり家族揃って会食をして祝うため開催されないのもイタリアらしいところ。初日には毎年どんな赤ちゃんがキリスト役になったかも楽しみに周辺の町からも多くの家族連れで賑わいます。
昔の生活を再現することによって感じられること
プレセーぺ・ヴィヴェンテの準備は、オリーヴオイルを圧搾するための石臼や機織機など昔から伝わる道具や衣装を管理し整備すること、またそれらを使いこなせる人々の高齢化に伴いその知識や技を伝えることなど、一年を通じて住民一丸となって進められます。タイムスリップしたような非日常の世界を演者も観客も楽しみながらそこには世代を超えて繋がる郷土愛が溢れています。
イタリア随一の農作物の生産地であるプーリアでは昔ながらの郷土料理や農民文化の伝承が観光資源としても重要な要素として注目されています。スローフード、スローライフの原点を実際に見て感じられる機会としてもプレセーぺ・ヴィヴェンテは大事な役割を果たしているのです。
(2020年1月)
インフォメーション
場所: Villaggio Rupestre “Lama del Trappeto”
Pezze di Greco (BR)
開催時期;毎年12月末と1月初めの6日間ほど
https://www.presepeviventepezzedigreco.it/
プーリア中央部、州都Bari(バーリ)からもアッピア街道終点地としても知られるBrindisi(ブリンディジ)からも60kmほどの距離に位置するPezze di Greco(ペッツェ ディ グレーコ)という小さな町のプレセーぺ・ヴィヴェンテは今年で33回目。年々訪問者数が増え、プーリアを代表するプレセーぺ・ヴィヴェンテの町として知られるようになりました。開催期間中連日見学者を乗せた観光バスが何台も並びます。
聖書にはキリストは馬小屋で産まれたという記述がありますが、各地で行われるプレセーぺ・ヴィヴェンテではその土地特有の場所が選ばれます。誕生場面だけでなく郷土の生活の歴史を再現する仕立てが背景として繰り広げられます。ペッツェ・ディ・グレーコでは100年ほど前まで使われていた洞窟住居内で町民がその当時の衣服を身に纏い、洞窟内の台所でパンを焼き、綿花や羊毛から糸を紡いで機を織り、自転車のベルトで刃物を研ぐ様子などの他、民謡や民族舞踊が演じられます。
プーリアではサンタクロースのモデルとも言われる聖ニコラの命日である12月6日から、8日の聖母マリア処女懐胎の祭日、クリスマス・イヴの24日、クリスマス当日25日、26日の最初の殉教者聖ステファノの祭日の三連休、そして1月6日のEpifania(エピファニア=公現祭)まで1ヵ月間クリスマスムードが続きます。プレセーぺ・ヴィヴェンテのイベントは例年6日間、今回は12月26,28,29,1月1,5,6日、夕方4時から夜9時まで公開されました。クリスマス当日とイヴの日は出演者もミサに行ったり家族揃って会食をして祝うため開催されないのもイタリアらしいところ。初日には毎年どんな赤ちゃんがキリスト役になったかも楽しみに周辺の町からも多くの家族連れで賑わいます。
プレセーぺ・ヴィヴェンテの準備は、オリーヴオイルを圧搾するための石臼や機織機など昔から伝わる道具や衣装を管理し整備すること、またそれらを使いこなせる人々の高齢化に伴いその知識や技を伝えることなど、一年を通じて住民一丸となって進められます。タイムスリップしたような非日常の世界を演者も観客も楽しみながらそこには世代を超えて繋がる郷土愛が溢れています。
イタリア随一の農作物の生産地であるプーリアでは昔ながらの郷土料理や農民文化の伝承が観光資源としても重要な要素として注目されています。スローフード、スローライフの原点を実際に見て感じられる機会としてもプレセーぺ・ヴィヴェンテは大事な役割を果たしているのです。
(2020年1月)
Pezze di Greco (BR)
開催時期;毎年12月末と1月初めの6日間ほど
https://www.presepeviventepezzedigreco.it/
















































