Vol.55よりスタートした新コーナー「新時代のシェフを訪ねて」(提供:亀屋食品株式会社)これからの日本のイタリア料理業界を担ってゆく若手シェフの半生と、思い入れの深い一皿にまつわるストーリーをご紹介していきます。
4回目は京都宇治市にある「Antica Pizzeria L’ASINELLO」の大削恭介さん(41)です。
大削さんは語り口こそ穏やかだが、ピッツァへの好奇心、出会った人々への思いは溢れんばかりだ。ナポリの修業店で門前払いをされたときも、現地の石窯職人にラジネッロの窯造りをなかなか引き受けてもらえなかったときも、諦めずに粘った。今ではナポリの修業店に立ち寄れば大歓迎されるし、帰国後に経験を積ませてくれた店の仲間たちとも切磋琢磨するいい関係が続いている。
大削さんは、これまでにピッツァがもたらしてくれた喜びを、次の世代に伝えることで恩返ししていきたいという。店では3人のピッツァ職人を育てているところだ。「ピッツァに興味のある子を無下にはできない」と、一人一人としっかりと向き合っている。「ゆくゆくは彼らのための店も作りたい。人生一度きり。彼らを応援してあげたいし、自分も負けていられない」と話す。
2022年には京都で初の「真のナポリピッツァ協会」に認定され、同協会のエリアリーダーに就任した。ピッツァイオーロという体で覚える職人の仕事を、言葉にして人に伝えることは、自分を客観的に省みることでもあり、それが職人を志す人たちの役に立てれば、という思いでいる。
「自分がいちばん楽しんでますよ」ピッツァを愛する人々と共に、ピッツァのある人生を純粋に楽しむ。大削さんのそんな姿が、自然とその輪を広げているように思えた。
●生地(12枚分)
・ドッピアエッセ(モリーノマグリ) 800g
・マニトヴァ(カプート) 800g
・セモリナ※打ち粉 適量
・水 1リットル
・塩 42g
・酵母 0.2g
●具材(1枚分)
・グリーンオリーブ 5g
・カルチョーフィ・アッロスティーティひまわり油漬け 15g
・イエロートマトピューレ 80g
・パンチェッタ 50g
・パルミジャーノ・レッジャーノ 5g
・モッツァレッラ・ディ・ブッファラ 40g
・バジリコ 大きめの葉3〜4枚
・エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル 適量
生地の下ごしらえ
1)生地の具材をマシンで捏ねる。
2)約220gに小分けし、番重にいれて、20〜25度で16〜24時間発酵させる。
具材の下ごしらえ
1)イエロートマトピューレを手でつぶしながら塩を加えてソースを作る。
2)モッツァレッラを水切りしてちぎっておく。
3)グリーンオリーヴを5mm程度の大きさに刻む。
4)カルチョーフィを2cm程度の大きさにカットする。
5)パンチェッタを1cm×1cm×2.5cm程度の大きさにカットする。
作り方
1)石窯の温度を460~480℃に調整する。
*家庭用オーブンの場合は200〜250℃で予熱設定する。
2)打ち粉をして生地を伸ばし成形する。縁の部分は押し付けると膨らみにくくなるため、あまり触らないようにする。
3)イエロートマトソースをひき、グリーンオリーブ、パルミジャーノ?、カルチョーフィ、パンチェッタ、モッツァレッラ2種、バジルを載せ、エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイルをまわしかける。
4)生地を広げながらパーラの上に載せる。
5)石窯の中へ。生地の焼け具合によって回転させながら1分10~20秒程で焼き上げる。
*家庭用オーブンの場合は200〜250℃で約10〜15分焼く。
6)石窯から取り出して完成。アツアツのうちに召し上がれ!
ポイント
大削さんがカプート杯のために試行錯誤して考案した渾身のオリジナルメニュー。カプリチョーザを基に、カルチョーフィやパンチェッタ(グアンチャーレを使っていたこともある)を用いることでローマのイメージを加えている。
食感や味わいを際立たせるために、具材の大きさにバリエーションを持たせているのがポイント。バジルの後載せなどはせず、具に火が入ったときの香ばしさを大切に、焼き上がりの時点で最高のピッツァになることを目指しているのだそう!
Antica Pizzeria L’ASINELLO
0774-74-8358
京都府宇治市宇治妙楽41 大阪屋マーケット
https://www.anticapizzerialasinello.com/
文:宮丸明香 写真:日高奈々子
これまでの連載記事はこちら
◾️新時代のシェフを訪ねて1 VIA DEI PEPI岡本紘明さん
https://italiazuki.com/?p=59200
◾️新時代のシェフを訪ねて2 ITALIAN GARAGE村田友哉さん
https://italiazuki.com/?p=60371
◾️新時代のシェフを訪ねて3 PIZZERIA Kiraku 川村修也さん
https://italiazuki.com/?p=61568
4回目は京都宇治市にある「Antica Pizzeria L’ASINELLO」の大削恭介さん(41)です。
楽しみ、喜び、恩返し
宇治駅から茶屋を眺めつつ世界遺産の平等院へと歩いていく途中、昭和から続くマーケットの軒先にナポリの香りを漂わせる店がある。「本場の味を地元宇治へ届けたい」との思いで大削恭介さん(41)が創り上げたのが、ここアンティカ・ピッツェリア・ラジネッロだ。大削さんは語り口こそ穏やかだが、ピッツァへの好奇心、出会った人々への思いは溢れんばかりだ。ナポリの修業店で門前払いをされたときも、現地の石窯職人にラジネッロの窯造りをなかなか引き受けてもらえなかったときも、諦めずに粘った。今ではナポリの修業店に立ち寄れば大歓迎されるし、帰国後に経験を積ませてくれた店の仲間たちとも切磋琢磨するいい関係が続いている。
大削さんは、これまでにピッツァがもたらしてくれた喜びを、次の世代に伝えることで恩返ししていきたいという。店では3人のピッツァ職人を育てているところだ。「ピッツァに興味のある子を無下にはできない」と、一人一人としっかりと向き合っている。「ゆくゆくは彼らのための店も作りたい。人生一度きり。彼らを応援してあげたいし、自分も負けていられない」と話す。
2022年には京都で初の「真のナポリピッツァ協会」に認定され、同協会のエリアリーダーに就任した。ピッツァイオーロという体で覚える職人の仕事を、言葉にして人に伝えることは、自分を客観的に省みることでもあり、それが職人を志す人たちの役に立てれば、という思いでいる。
「自分がいちばん楽しんでますよ」ピッツァを愛する人々と共に、ピッツァのある人生を純粋に楽しむ。大削さんのそんな姿が、自然とその輪を広げているように思えた。
〈レシピ〉
材料●生地(12枚分)
・ドッピアエッセ(モリーノマグリ) 800g
・マニトヴァ(カプート) 800g
・セモリナ※打ち粉 適量
・水 1リットル
・塩 42g
・酵母 0.2g
●具材(1枚分)
・グリーンオリーブ 5g
・カルチョーフィ・アッロスティーティひまわり油漬け 15g
・イエロートマトピューレ 80g
・パンチェッタ 50g
・パルミジャーノ・レッジャーノ 5g
・モッツァレッラ・ディ・ブッファラ 40g
・バジリコ 大きめの葉3〜4枚
・エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル 適量
生地の下ごしらえ
1)生地の具材をマシンで捏ねる。
2)約220gに小分けし、番重にいれて、20〜25度で16〜24時間発酵させる。
1)イエロートマトピューレを手でつぶしながら塩を加えてソースを作る。
2)モッツァレッラを水切りしてちぎっておく。
3)グリーンオリーヴを5mm程度の大きさに刻む。
4)カルチョーフィを2cm程度の大きさにカットする。
5)パンチェッタを1cm×1cm×2.5cm程度の大きさにカットする。
作り方
1)石窯の温度を460~480℃に調整する。
*家庭用オーブンの場合は200〜250℃で予熱設定する。
2)打ち粉をして生地を伸ばし成形する。縁の部分は押し付けると膨らみにくくなるため、あまり触らないようにする。
3)イエロートマトソースをひき、グリーンオリーブ、パルミジャーノ?、カルチョーフィ、パンチェッタ、モッツァレッラ2種、バジルを載せ、エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイルをまわしかける。
4)生地を広げながらパーラの上に載せる。
5)石窯の中へ。生地の焼け具合によって回転させながら1分10~20秒程で焼き上げる。
*家庭用オーブンの場合は200〜250℃で約10〜15分焼く。
6)石窯から取り出して完成。アツアツのうちに召し上がれ!
大削さんがカプート杯のために試行錯誤して考案した渾身のオリジナルメニュー。カプリチョーザを基に、カルチョーフィやパンチェッタ(グアンチャーレを使っていたこともある)を用いることでローマのイメージを加えている。
食感や味わいを際立たせるために、具材の大きさにバリエーションを持たせているのがポイント。バジルの後載せなどはせず、具に火が入ったときの香ばしさを大切に、焼き上がりの時点で最高のピッツァになることを目指しているのだそう!
Antica Pizzeria L’ASINELLO
0774-74-8358
京都府宇治市宇治妙楽41 大阪屋マーケット
https://www.anticapizzerialasinello.com/
文:宮丸明香 写真:日高奈々子
◾️新時代のシェフを訪ねて1 VIA DEI PEPI岡本紘明さん
https://italiazuki.com/?p=59200
◾️新時代のシェフを訪ねて2 ITALIAN GARAGE村田友哉さん
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◾️新時代のシェフを訪ねて3 PIZZERIA Kiraku 川村修也さん
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