
お料理説明・背景

マルターノの旧市街で7年間小さなトラットリアを営業していたアントニアさん、2022年11月に、1700年代のマッセリアを修復した、店内に180席もある大きなレストランに移転した。小さな店から大きなパッシオーネを詰め込んで……。白いレッチェ石で造られたマッセリアは、輝くプーリアの夏の太陽を浴びてまぶしい。ここは「Trattoria Griglieria Nonna Consiglia」。
アントニアさんの実家は昔、精肉店を営んでいたこともあり、エントランスのショーケースにはさまざまな肉が並べられていた。当時は、家族の料理はいつもノンナが作っていて、その料理を食べて育った彼女が、ノンナの味を引き継ぐのは必然だったようだ。この日紹介してくれた料理も、古くからサレント地方では親しまれているものだった。
調理を始める前に「野菜を採りに行くわよ」と目前の広い畑へ。そこではワイン用のブドウに、トマトやナス、ズッキーニ、バジルなどの夏野菜がたくさん育っていた。常時12、3種類は栽培しているという。そして採れたての野菜で作るパスタは、トマトのフレッシュさと、鮮烈なバジリコの香りがたまらない。最高のごちそうだった。
「この地方の料理は、大地と自然の味がするの」と、生きいきと調理するアントニアさんの好きな料理は、馬肉のトマトソース煮込みとトリッパだそうだ。精肉店の娘らしい。今度はぜひ食べてみたい。
豊かな畑を望むテラスには、心地よい風が吹き抜け、アントニオさんの料理は確かに大地の味がした。
Grazie! Antonia
文:マッシモ 写真:Rie Matsushita
作り方
- エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイルを100ccほど入れた鍋に、スライスした赤タマネギを入れて、弱火でゆっくり炒める。(写真a 参照)
- 赤タマネギがしんなりしてきたら、半分に切ったミニトマトを入れ、塩を加え、弱火で30〜40分煮込む。オリーヴオイルの量はミニトマト全体が浸かる程度が目安。足りなければ加える。(写真b 参照)
- 2の鍋の火を止めて、バジリコを入れて混ぜる。(写真c 参照)
- パスタをゆでる。(写真d 参照)
- 3のソースをフライパンに移して、そこに4を入れてよくからめる。(写真e 参照)
- 皿に盛って飾りのバジリコ(分量外)と好みでカチョ・リコッタをかけて出来上がり。