「主役は食材」+おもてなしの心 ヴェローナ屈指の宮殿風レストラン
ヴェローナの路地裏、アレーナからわずか徒歩5分とは思えない、静かな一角。そこにダリ・リストランテ&エノテカはある。ヴェネツィアゴシック様式の3つに並ぶ窓がシンボルだ。
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ヴェローナ旧市街、人通りの少ない突き当たりに位置するDarì Ristorante & Enoteca
中世の頃、ヴェローナを統治していたスカラ家が代々所有してきたというこの邸宅で、2019年からレストランを営むのはコリンナ・ダリさん。イタリア各地、特にヴェネツィアを長く拠点として、30年以上の経験を積んできたシェフでもある。
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オーナー兼シェフ Corinna Darì(Photo: Alessandro Gloder)
この度、『イタリア好き』本誌、北イタリアのチーズ特集号の取材を締めくくるにあたり、快く撮影に協力してくれたコリンナさんを改めて訪ねた。
扉を開けると、まるで異世界のような空間が広がり、その豪華さに魅了される。大小の5つの部屋に分かれ、それぞれテーマに沿った調度品やデコレーションが美しい。
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ワインが豊富に並ぶBiblioteca Liquida(リキッド・ライブラリーの意)
中心には鏡の間。歴史あるこの館にふさわしく、煌びやかな宮殿らしい雰囲気が漂っている。
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Sala degli Specchi(鏡の間)
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ヴェネツィア、ムラーノ島のシャンデリアも目を引く
奥へ進むと個室利用のできる「ローザの間」やエキゾティックな温室をイメージした「冬の庭園」
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Sala Rosa(ローザの間)
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Sala Giardino d’Inverno(冬の庭園)
夏には、完全に外の喧騒から遮断された中庭での食事も可能だ。
コリンナさんとともにアートな料理を織りなすのは、新進気鋭のシェフ、アンドレア・ガスバッロさん。微生物学を学んだ後、料理の世界に入った。
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シェフ Andrea Gasbarro(Photo: Alessandro Gloder)
「あくまで主役は食材。そこに自分の感情を織り交ぜていく感じ」で一品ひと品を丁寧に演出する。
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サーモンのマリネ(Photo: Alessandro Gloder)
彼らの料理哲学は、伝統をベースとしつつ、厳選された最高の食材を使い、そのポテンシャルを最大に引き出すこと。
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サルメリーノのカルパッチョ ~ブッラータクリームとピゼッリのガスパチョを敷いて
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牛肉のタルタル ~キャラメルオニオン&マスタードシード、秘伝ソースに和えて
そのため、旬に合わせて季節ごとにメニューも変えていく。
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鴨肉のトルテッリ ~マルガのダブルクリームと黒トリュフ、モリーユ茸ソースを添えて
肉も魚もパスタもリゾットも、彼らの手にかかれば芸術作品のようだ。
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サフランとマスカルポーネのリゾット ~生の赤エビ&アスパラなどを載せて
どのピアットにも多くの具材を組み合わせ、今までに食べたことのない新たな風味を生み出しているのだが、その中でもメインの食材の味が際立っているのがさすがである。
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ラムチョップ ~アキレア、ラベンダーとリンデンハチミツをかけて
さらに、香ばしくとろける食感のトロのグリルをいただくと、あるチケットを渡された。
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トロのシャトーブリアン
ダリのために養殖されたマグロは、チケット裏のQRコードからトレーサビリティまで可能な仕組みになっているのだ。
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「トレーサビリティ証明書」
また、日本の食材も大好きだというアンドレアさんのアイデアで三杯酢や味噌も使用するなど、世界の食文化にも目を向け、見事に取り入れる。
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トロにはひよこ豆の味噌が合わせられている
「新メニューを考えるのはシンフォニーを作曲するような感覚かしら」とコリンナさん。アーティスティックで詩的な彼女の持つ、客に対するきめ細やかなおもてなしの心も素晴らしいが、ここで働くスタッフたちへの思いも熱い。「私と一緒にやっていくのは難しいわよ」なんて笑うが、「一度やめていったスタッフも、帰ってきたいと言ったらウェルカムよ。家族みたいなものだから」と断言する。それは、移民の多いイタリアで、実家のような落ち着く場所になれば、と願っているからなのだ。
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「戻ってくるってことは、居心地が良いからだと信じているわ」とコリンナさん
「次の夏のメニューは、ヴェローナの野外オペラにちなんで、『アイーダ』や『カルメン』などのオペラをイメージしたものを考えているの。でも、その次は、移民スタッフたちの母国の食材などもいろいろ使って、皆の家の味を表現できたら嬉しいわね」と近い未来への目標を掲げている。
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くつろぎながら食後酒を楽しめるSala degli Spiriti(精霊の間)
苗字の「ダリ」は、中東にルーツを持つ祖先から受け継いだアラビア語で、「我が家」や「おもてなし」の語源なのだそう。ダリに来れば、旅行者たちもほっと一息つけるに違いない。
Un ringraziamento a
Darì Ristorante & Enoteca
Vicolo Cieco San Pietro Incarnario 5
37121 Verona
https://ristorantedari.com/
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中世の頃、ヴェローナを統治していたスカラ家が代々所有してきたというこの邸宅で、2019年からレストランを営むのはコリンナ・ダリさん。イタリア各地、特にヴェネツィアを長く拠点として、30年以上の経験を積んできたシェフでもある。
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この度、『イタリア好き』本誌、北イタリアのチーズ特集号の取材を締めくくるにあたり、快く撮影に協力してくれたコリンナさんを改めて訪ねた。
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扉を開けると、まるで異世界のような空間が広がり、その豪華さに魅了される。大小の5つの部屋に分かれ、それぞれテーマに沿った調度品やデコレーションが美しい。
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中心には鏡の間。歴史あるこの館にふさわしく、煌びやかな宮殿らしい雰囲気が漂っている。
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奥へ進むと個室利用のできる「ローザの間」やエキゾティックな温室をイメージした「冬の庭園」
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夏には、完全に外の喧騒から遮断された中庭での食事も可能だ。
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コリンナさんとともにアートな料理を織りなすのは、新進気鋭のシェフ、アンドレア・ガスバッロさん。微生物学を学んだ後、料理の世界に入った。
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「あくまで主役は食材。そこに自分の感情を織り交ぜていく感じ」で一品ひと品を丁寧に演出する。
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彼らの料理哲学は、伝統をベースとしつつ、厳選された最高の食材を使い、そのポテンシャルを最大に引き出すこと。
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そのため、旬に合わせて季節ごとにメニューも変えていく。
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肉も魚もパスタもリゾットも、彼らの手にかかれば芸術作品のようだ。
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どのピアットにも多くの具材を組み合わせ、今までに食べたことのない新たな風味を生み出しているのだが、その中でもメインの食材の味が際立っているのがさすがである。
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さらに、香ばしくとろける食感のトロのグリルをいただくと、あるチケットを渡された。
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ダリのために養殖されたマグロは、チケット裏のQRコードからトレーサビリティまで可能な仕組みになっているのだ。
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また、日本の食材も大好きだというアンドレアさんのアイデアで三杯酢や味噌も使用するなど、世界の食文化にも目を向け、見事に取り入れる。
![](https://italiazuki.com/izk/wp-content/uploads/2024/05/18-1024x768.jpg)
「新メニューを考えるのはシンフォニーを作曲するような感覚かしら」とコリンナさん。アーティスティックで詩的な彼女の持つ、客に対するきめ細やかなおもてなしの心も素晴らしいが、ここで働くスタッフたちへの思いも熱い。「私と一緒にやっていくのは難しいわよ」なんて笑うが、「一度やめていったスタッフも、帰ってきたいと言ったらウェルカムよ。家族みたいなものだから」と断言する。それは、移民の多いイタリアで、実家のような落ち着く場所になれば、と願っているからなのだ。
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「次の夏のメニューは、ヴェローナの野外オペラにちなんで、『アイーダ』や『カルメン』などのオペラをイメージしたものを考えているの。でも、その次は、移民スタッフたちの母国の食材などもいろいろ使って、皆の家の味を表現できたら嬉しいわね」と近い未来への目標を掲げている。
![](https://italiazuki.com/izk/wp-content/uploads/2024/05/21-1024x768.jpg)
苗字の「ダリ」は、中東にルーツを持つ祖先から受け継いだアラビア語で、「我が家」や「おもてなし」の語源なのだそう。ダリに来れば、旅行者たちもほっと一息つけるに違いない。
Un ringraziamento a
Darì Ristorante & Enoteca
Vicolo Cieco San Pietro Incarnario 5
37121 Verona
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