お料理説明・背景
フィランダ・デ・ボロン」(p25)のアグリトゥリズモで、週末はシェフとして腕を振るうアレッサンドラさん。 平日は中学校でテクノロジーを教えている。数学が好きで、建築系のエンジニアの道に進み働いていたが、2013年に第1 子を出産して、仕事と子育ての両立が難しくなってきた頃、ご主人のニコラさんとアグリトゥリズモをオープンすること になり、エンジニアを辞めた。子供の頃から、食べるのも作るのも好きだったというアレッサンドラさんだが、そのとき は料理学校に通い、改めて料理を学んだそうだ。
父親の出身はシチリア、母親はヴェローナ。彼女はトレントで生まれ育ち、ニコラさんとは高校のときに知り合い結婚 した。祖母からはシチリア料理、母からはヴェローナ料理、そして義母からはトレンティーノ料理を教えてもらうようになった。「イタリア中の料理を作れるわ(笑)。カポナータも大好きよ」と言う。
食材には自前の畑で採れる野菜や、地元の食材を使うように心がけ、生産者を巡り、旬のもの、こだわりの強いものを探して、前菜、プリモ、セコンド、ドルチェとメニューを月ごとに替えて提供している。今回作ってくれた料理は、自宅で採れた新鮮な卵と、エルベッテの緑、トレンティーノ名産のジャガイモの白、ビーツの赤と、色どりのきれいさもさることながら、家族愛とイタリア愛の詰まった一皿になった。
文:イタリア好き編集長 マッシモ 写真:萬田康文
★『イタリア好き』本誌vol.51魅せられてトレンティーノ特集
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おいしいを約束するトレンティーノ地方の熱き生産者たち
トレンティーノの熱い生産者と特産品を存分に紹介しているので、その魅力にどっぷり浸かってほしい。https://italiazuki.com/?p=52478
作り方
下ごしらえ
- ビーツは皮をむいてゆでておく。
作り方
- 生地を作る。ジャガイモ(生地用、フィリング用も合わせて)を蒸して細かくつぶす。
- (1)のジャガイモが冷めたらフィリング用を分けて、小麦粉とコーンスターチ、卵黄、塩を加え混ぜて寝かせておく。(写真a,b 参照)
- この間に、フィリングの準備をする。ビーツ、蒸したジャガイモ、リコッタチーズをすべてミキサーで混ぜて、塩、コショウを加えてペースト状にし、絞り袋に入れる。(写真c,d 参照)
- 生地を適当な大きさに取り、麺棒で3㎜ 程度の厚さに伸ばす。*小麦粉をまぶしながらやるとくっつきにくい。(写真e 参照)
- (4)を直径9㎝ の丸い型(ペストリーリング)を使って切り抜く。(写真f 参照)
- (3 )を(5 )に絞り、生地の内側の縁に卵白をぬったら半分に折って半月状にする。最後にフォークで押し付けながら縁をしっかりとくっつける。(写真g,h 参照)
- 塩(分量外)を少々入れた熱湯で、浮き上がってくるまで(6)をゆでる。
- フライパンにバターを入れ焦がして、7 を入れてからめる。皿に盛り付け、残りのバターをかける。さらに、トレンティングラナとポピーシードをトッピングして出来上がり。(写真i,j 参照)