パンドーロを焼いてみたい!元バンカーのパパに教わる作り方のコツ
イタリアのクリスマス菓子といえば、パネットーネが一番に思い浮かぶかもしれません。しかし、イタリア好きの皆さんの間ではパンドーロの知名度も上がってきましたよね。
これ、実はヴェローナ発祥ってご存知でしたか?1894年10月14日、ヴェローナ出身のパティシエ、ドメニコ・メレガッティによって特許が取られていることから、はっきりと証明された事実です。
ドライフルーツなどの入っていないシンプルな生地ながら、バターたっぷりのしっとり感が美味しいオーロのパン、つまり「金のパン」はヴェロネーゼたちの誇り。当然のごとく、ヴェロネーゼたちはパネットーネよりパンドーロを食べています。
11月にもなるとスーパーにはパンドーロ売り場が設けられ、1つ750g~1kgと大きな箱がずらっと並ぶ光景はなかなかの迫力。ですが、大半は比較的リーズナブルな工場生産ものです。
パティシエの手作りだと値が張り、1つ40ユーロはくだらない、なかなか手の出にくい高級菓子ともなっています。
「それなら家で作ってみよう」なんて安易に考えた私。パンドーロ専用型を買ってみたものの、早2年が経ち、いまだに重い腰が上がりません。
だって。
素人が作るには難しすぎる&ものすごく手間がかかるんですよ・・・。
そんなとき。
身近なところに救世主が登場しました!それは友達のお父様。ということで早速、教わりに行くことに。
「もともと料理が好きなのは、軍のコックだった父の影響があるかもしれません」と言うジョヴァンニ・カステッラーニさんは16年前まで、なんと銀行員でした。
定年退職後に「ようやく時間ができたから」と、趣味のお菓子作りに精を出し、今ではパンドーロも毎冬30個以上作る強者。ですが「作り始めた頃は運任せで、どれだけ捨てたことか」と当時を振り返って苦笑します。
1kgの型4つ、750gの型を3つも持つほどのパンドーロ愛。10月にもなるとせっせとパンドーロ作りを始め、家族や親族、友人たちに配るのを1つの楽しみにしています。
普段から天然酵母を育て、1週間に一度はそれを使ってパンやピザを作っていますが、「パンドーロ作りに天然酵母を使うのはすごく難しい」とのこと。代わりにビール酵母を使用します。
まず、パンドーロを作るにあたっては「食べる4日前から準備を始めるのが理想的。」
というのも、作るのに2日かけ、焼いた後に2日置いてから食べるのがベストなんだとか。小麦粉は強力粉の一種、マニトバ粉。ビール酵母を溶かすのには本来、水を使うそうですが、ジョヴァンニさんは少し温めた牛乳を使います。
これに小麦粉、卵の黄身を混ぜ、パンミキサーで約20分こねたら1日目の「イーストを作る」工程は終了。まだ手でもこねられますが、この先どんどん重くなっていくため、「パンミキサーは必需品です。」
こね終わったら透明の容器に入れ、冷蔵庫の冷たすぎない箇所を選んで12時間以上寝かせます。ジョヴァンニさんは通常、1日目の夕方にここまでを終え、一晩経ってから次の段階へ。
翌朝、イーストが倍以上に膨らんだのを確認し、もう一度こねていきます。小麦粉と酵母、4分の3の分量の卵を加え、約20分こねてパンミキサーのボウルがきれいになったら、残りの卵、砂糖をゆっくり何回かに分けて混ぜ合わるのですが、この工程で重要なのが温度。
「決して生地が26度を超えてはいけません。もし、超えてしまったら中断して、冷蔵庫に1時間ほど入れてから再開するべきです。」
なかなか繊細ですよね。
最後に生クリーム由来の柔らかいバターを加え、一つの塊になるまでこねてからまた休憩です。
このとき、生地の一部を引っ張ってみること。「生地が薄く透明感がある状態まで伸びたらOKですが、逆にブチッと切れてしまったら、こね直す必要があります。」
3~4時間後、寝かせた生地が発酵して3倍の大きさになったのを目安に、3回目のこねスタート。
とその前に、「待っている時間を使ってバターやバニラシュガー、バニラエッセンス、ハチミツ、カカオバター、オレンジとレモンの皮のすりおろしを混ぜた『エマルジョン』を用意しておくと効率的です。」また、「パンミキサーのボウルやブレード、卵の黄身などは使用直前まで冷蔵庫で冷やしておくと生地が温まりにくくて良いですよ」とのアドバイスをもらいました。
さて、生地に再び小麦粉とビール酵母を加えて混ぜ、さらに少量の塩と黄身を少しずつ入れていきます。最後に事前に作っておいたエマルジョンをこね合わせ、柔らかくゴムのような弾力のある生地ができれば、やっとOK!ここまでちょっと気の遠くなる作業でしたが、生地は出来上がりです。
15分寝かせた後、バターを塗っておいた型に入れます。
しかしながら。「発酵に最適な温度は26~28度です。」ここでもまた数時間、発酵を待たなければなりません。とにかく工程が長いので根気が必要ですね。
そして4~5時間後、型の口から1cm下の辺りまで膨らんだら、いよいよオーブンへ。
185度で最初の10分、165度に下げてから45分が目安です。焼き加減を知るには50分後を目処に生地の温度を測り、「94度になっていればPerfetto!」
オーブンから取り出したら、そのまま4時間以上置いて冷まします。出来立ても気になりますが、ジョヴァンニさん曰く「2日後のほうが美味しい」と。ジョヴァンニさんはいつも夜に焼いて、一晩以上、常温で置いておくそうです。
そして、ひっくり返すと・・・
まさにパンドーロの形ができていて感動もの!
さぁ、試食タイム。食べる直前にバニラ風味の粉糖をかけ、いただきます!!
家庭での手作りとは思えないくらい、しっとりと本格的な仕上がりで、それはそれは高級感のあるお味がいたしました。
それなのに、ジョヴァンニさんは未だ満足のいくレシピに出合えていないようでして。「毎年、新しいレシピを探して挑戦している」なんて言います。しかも、「夏は暑すぎるから、作るのは冬だけでしょう。そうなると、冬が来る度にまたゼロからスタートする感じなんですよ」と、感覚を取り戻す必要があるみたい。いくつになっても、まだまだチャレンジは続きます。
なお、すぐに食べない場合は、96度のアルコールスプレーをかけ、プラスティックの袋に入れておくことで10~12日間は日持ちするそうですよ。
パンドーロの型や詳しいレシピが気になる方は、インスタ@yukino.itを通じて個別にお問い合わせくださいね。
これ、実はヴェローナ発祥ってご存知でしたか?1894年10月14日、ヴェローナ出身のパティシエ、ドメニコ・メレガッティによって特許が取られていることから、はっきりと証明された事実です。
ドライフルーツなどの入っていないシンプルな生地ながら、バターたっぷりのしっとり感が美味しいオーロのパン、つまり「金のパン」はヴェロネーゼたちの誇り。当然のごとく、ヴェロネーゼたちはパネットーネよりパンドーロを食べています。
11月にもなるとスーパーにはパンドーロ売り場が設けられ、1つ750g~1kgと大きな箱がずらっと並ぶ光景はなかなかの迫力。ですが、大半は比較的リーズナブルな工場生産ものです。
パティシエの手作りだと値が張り、1つ40ユーロはくだらない、なかなか手の出にくい高級菓子ともなっています。
「それなら家で作ってみよう」なんて安易に考えた私。パンドーロ専用型を買ってみたものの、早2年が経ち、いまだに重い腰が上がりません。
だって。
素人が作るには難しすぎる&ものすごく手間がかかるんですよ・・・。
そんなとき。
身近なところに救世主が登場しました!それは友達のお父様。ということで早速、教わりに行くことに。
「もともと料理が好きなのは、軍のコックだった父の影響があるかもしれません」と言うジョヴァンニ・カステッラーニさんは16年前まで、なんと銀行員でした。
定年退職後に「ようやく時間ができたから」と、趣味のお菓子作りに精を出し、今ではパンドーロも毎冬30個以上作る強者。ですが「作り始めた頃は運任せで、どれだけ捨てたことか」と当時を振り返って苦笑します。
1kgの型4つ、750gの型を3つも持つほどのパンドーロ愛。10月にもなるとせっせとパンドーロ作りを始め、家族や親族、友人たちに配るのを1つの楽しみにしています。
普段から天然酵母を育て、1週間に一度はそれを使ってパンやピザを作っていますが、「パンドーロ作りに天然酵母を使うのはすごく難しい」とのこと。代わりにビール酵母を使用します。
まず、パンドーロを作るにあたっては「食べる4日前から準備を始めるのが理想的。」
というのも、作るのに2日かけ、焼いた後に2日置いてから食べるのがベストなんだとか。小麦粉は強力粉の一種、マニトバ粉。ビール酵母を溶かすのには本来、水を使うそうですが、ジョヴァンニさんは少し温めた牛乳を使います。
これに小麦粉、卵の黄身を混ぜ、パンミキサーで約20分こねたら1日目の「イーストを作る」工程は終了。まだ手でもこねられますが、この先どんどん重くなっていくため、「パンミキサーは必需品です。」
こね終わったら透明の容器に入れ、冷蔵庫の冷たすぎない箇所を選んで12時間以上寝かせます。ジョヴァンニさんは通常、1日目の夕方にここまでを終え、一晩経ってから次の段階へ。
翌朝、イーストが倍以上に膨らんだのを確認し、もう一度こねていきます。小麦粉と酵母、4分の3の分量の卵を加え、約20分こねてパンミキサーのボウルがきれいになったら、残りの卵、砂糖をゆっくり何回かに分けて混ぜ合わるのですが、この工程で重要なのが温度。
「決して生地が26度を超えてはいけません。もし、超えてしまったら中断して、冷蔵庫に1時間ほど入れてから再開するべきです。」
なかなか繊細ですよね。
最後に生クリーム由来の柔らかいバターを加え、一つの塊になるまでこねてからまた休憩です。
このとき、生地の一部を引っ張ってみること。「生地が薄く透明感がある状態まで伸びたらOKですが、逆にブチッと切れてしまったら、こね直す必要があります。」
3~4時間後、寝かせた生地が発酵して3倍の大きさになったのを目安に、3回目のこねスタート。
とその前に、「待っている時間を使ってバターやバニラシュガー、バニラエッセンス、ハチミツ、カカオバター、オレンジとレモンの皮のすりおろしを混ぜた『エマルジョン』を用意しておくと効率的です。」また、「パンミキサーのボウルやブレード、卵の黄身などは使用直前まで冷蔵庫で冷やしておくと生地が温まりにくくて良いですよ」とのアドバイスをもらいました。
さて、生地に再び小麦粉とビール酵母を加えて混ぜ、さらに少量の塩と黄身を少しずつ入れていきます。最後に事前に作っておいたエマルジョンをこね合わせ、柔らかくゴムのような弾力のある生地ができれば、やっとOK!ここまでちょっと気の遠くなる作業でしたが、生地は出来上がりです。
15分寝かせた後、バターを塗っておいた型に入れます。
しかしながら。「発酵に最適な温度は26~28度です。」ここでもまた数時間、発酵を待たなければなりません。とにかく工程が長いので根気が必要ですね。
そして4~5時間後、型の口から1cm下の辺りまで膨らんだら、いよいよオーブンへ。
185度で最初の10分、165度に下げてから45分が目安です。焼き加減を知るには50分後を目処に生地の温度を測り、「94度になっていればPerfetto!」
オーブンから取り出したら、そのまま4時間以上置いて冷まします。出来立ても気になりますが、ジョヴァンニさん曰く「2日後のほうが美味しい」と。ジョヴァンニさんはいつも夜に焼いて、一晩以上、常温で置いておくそうです。
そして、ひっくり返すと・・・
まさにパンドーロの形ができていて感動もの!
さぁ、試食タイム。食べる直前にバニラ風味の粉糖をかけ、いただきます!!
家庭での手作りとは思えないくらい、しっとりと本格的な仕上がりで、それはそれは高級感のあるお味がいたしました。
それなのに、ジョヴァンニさんは未だ満足のいくレシピに出合えていないようでして。「毎年、新しいレシピを探して挑戦している」なんて言います。しかも、「夏は暑すぎるから、作るのは冬だけでしょう。そうなると、冬が来る度にまたゼロからスタートする感じなんですよ」と、感覚を取り戻す必要があるみたい。いくつになっても、まだまだチャレンジは続きます。
なお、すぐに食べない場合は、96度のアルコールスプレーをかけ、プラスティックの袋に入れておくことで10~12日間は日持ちするそうですよ。
パンドーロの型や詳しいレシピが気になる方は、インスタ@yukino.itを通じて個別にお問い合わせくださいね。