マンマのレシピ

マンマの紹介

  • マリーノ・アンジェローニ(Marino Angeloni) さん
  • サルデーニャ州オルビア在住
  • 【得意料理】魚介料理

お料理説明・背景

サルデーニャ島には、ムール貝の産地がいくつかありますが、サルデーニャ島北東部のオルビア湾は、サルデーニャ島で最も古い歴史を誇る生産地。オルビア湾で現在サルデーニャ州から認可を受けたおよそ150ヘクタールの海域を有するコンソルツィオの始まりは100年以上前の1920年に遡ります。

オルビエーゼ(オルビアの人々)は、オルビア産のムール貝をコッツェ・ディ・オルビアと、オルビア産のという意味の「ディ・オルビア」をコッツェ(ムール貝)につけてよび、他の産地のものとは風味が違うと胸を張ります。

ムール貝の最も一般的で簡単な食べ方は、鍋に洗ったムール貝を入れ、エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイルを少したらし、ニンニクとイタリアンパセリを入れて蒸したマリナーラ。また、サルデーニャでは、ムール貝は生でも食されます。加熱したものよりも、ムール貝の独特な味わいが顕著になります。

でも、今回のレシピは、魚貝料理は苦手というイタリア人でも、これだけは大好きという人も多い、ムール貝のパン粉焼きをご紹介いたします。貝の風味が、こんがりと焼けたチーズやパセリの入ったパン粉に浸み込み、双方のうまみが貝殻に詰まった一品で、レストランなどで前菜としても出されることも多い調理方法です。

ムール貝は、イタリアでは庶民の貝。値段はあさりの5分の1くらいで、1袋1.5kgから2kg入りの網の袋に入れられて売られています。ムール貝のパン粉焼きは、冷めてもおいしく頂けるため、たくさん作ってホームパーティの時などのアンティパストにも最適。

ムール貝は、開けると、アイヴォリー色のものとサーモン色がかったオレンジ色のものがあります。季節により色は、夏はアイヴォリー色、冬はオレンジ色となることが多いですが、アイヴォリー色のものはオス、オレンジ色のものはメスだそうです。

オルビアのムール貝は、一年中食べることができますが、貝がふっくらとして最もおいしい季節は、5月から7月。サルデーニャの人々も、毎年この旬の時期を心待ちにしています。

今回も、魚介類のフレーゴラに続き、サルデーニャ島北東部のオルビア湾でアサリや牡蠣、マテ貝などの貝の漁師をしているマリーノのレシピです。

マリーノが認可を受けているコンチェッシオーネの海域は、天然のマテ貝を採るのに適している場所のため、また、10年ほど前から始めた牡蠣の養殖に力をいれているため、マリーノは、マテ貝や牡蠣のパン粉焼きも作ります。マテ貝や牡蠣でも、是非、お試しあれ。

レポート:加藤 佐和子(Sawako Kato)
イタリア・サルデーニャ州公認観光ガイド。2004年からサルデーニャ島在住。2016年にサルデーニャ州公認観光ガイドライセンス取得し、「サルデーニャガイド」を設立。サルデーニャ島での現地ガイド、アテンドの他、サルデーニャ島に関する調査、執筆、各種アレンジなどを致しております。サルデーニャ島の食とワインツアーも行っております。 https://sardegnaguida.com/

材料

ムール貝のパン粉焼き 4人分

・ムール貝1kg
・パン粉大8
・パルミジャーノ・レッジャーノ大4
・イタリアンパセリ大4
・ニンニク大1
・エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル大4
・ペペロンチーノお好みで適量パウダー状のもの

作り方

  1. ニンニクはすり下ろし、イタリアンパセリはみじん切りにする。(写真a 参照)
  2. パン粉、パルミジャーノ・レッジャーノ、イタリアンパセリ、ニンニク、お好みで粉末ペペロンチーノを混ぜ合わせる。(写真b 参照)
  3. 2にエクストラ・ヴァージン・オリーヴオイルを加え、しっとりするくらいまで混ぜる。(写真c,d 参照)
  4. ムール貝を洗い、ナイフで開ける。(写真e 参照)
  5. ムール貝の上にスプーンで3をのせる。(写真f 参照)
  6. 180度のオーブンでおよそ15分ほど焼き、パン粉が香ばしい色になったら出来上がり。(写真g 参照)
  • a. ニンニクをすり下ろす
  • b. パン粉、チーズ、パセリ、ニンニクを混ぜ合わせる
  • c. オイルを加える
  • d. しっとりするまで混ぜる
  • e. 貝をナイフで開ける
  • f. フィリングを詰める
  • g. 180度のオーブンで焼く

お料理ポイント

イタリアのパン屋さんで売られているイタリアのパン粉は、日本のパン粉と比べてかなり細かくサラサラしています。イタリアのパン粉の作り方は、日数が経って固くなったバゲット(または、オーブンで5分くらい焼いたパン)などをフードプロセッサーで細かくします。