お料理説明・背景
今回は番外編として、プロセッコの産地トレヴィーゾから、職人気質でシャイなシェフに教わる人気鶏料理をご紹介します。
vol.16(2014年2月発行)「ヴェネト特集」の取材でここを訪れたのは2013年9月でした。よく晴れた気持ちのいい日でした。プロセッコの産地ヴォルドッビアーデネの丘を車で走っていると、「Strada del Prosecco」という標識が目に入り、ブドウ畑の美しい景色が広がっていました。その道を10kmほど東に行ったところに「Osteria dai Mazzieri」(オステリア・ダイ・マッツェーリ)があり、シェフのヴィトさんと、ソムリエで弟のマウロさんの兄弟で営んでいます。
二人が通っていた小学校の建物が売りに出たのをきっかけに、そこを購入し、改築して店を始めたのが1992年。もう30年以上も地元に愛される店となっています。
ヴィトさんの料理は、季節の食材を使い、郷土色豊かな、気をてらわないシンプルな料理。どれも丁寧に仕上げられていてほんとうにおいしい。もちろんマウロさんおすすめのワインとのコンビネーションもすばらしい。そして店内は、マウロさんセレクトのセンスのいいたくさんのアート作品や調度品が飾られていて、心地よい空間を演出し、料理をさらに引き立てています。
今回紹介している料理はプロセッコの産地らしく、それを使って煮込んだ鶏肉料理。「プロセッコを使えば肉質が軟らかくなって、白ワインほど香りも強くないので、素材本来の味を引き立ててくれるから」と、ドバドバとしっかり1本入れてゆっくり煮込んで出来上がったのは、プリプリの食感と、ほんのりプロセッコの風味を感じる、しっかりうま味の詰まった鶏肉料理でした。このときに使ったプロセッコは、前日に取材した若い兄妹が手掛ける「シルヴァーノ・フォラドーリ」の物でした。化学肥料や除草剤を使わないでブドウを栽培して、酵母を加えずセメントタンクでゆっくり発酵させるなど、こだわりのプロセッコです。
「Osteria dai Mazzieri」は、実は取材の次の日もお昼を食べに行ったほど気に入った店で、その後もチャンスがあるたびに訪ねて行っています。
vol.47(2021年11月発行)「最強!イタリアワイン特集」-ヴェネトの地元ワインと郷土の味-特集でも再び取材に訪れ、ワインと料理を取り上げていますので、よかったらご覧ください。
文:イタリア好き編集長 マッシモ 写真:萬田康文
★『イタリア好き』本誌vol.16ヴェネト特集
選りすぐりの生産者を訪ねてhttps://italiazuki.com/?p=6866
★『イタリア好き』本誌vol.47最強!イタリアワイン特集
ヴェネトとカラブリアの地元ワインと郷土料理の味https://italiazuki.com/?p=46946材料
プロセッコ風味の鶏肉のロースト (6人分)
・鶏肉 | 2kg | さまざまな部位 |
---|---|---|
・タマネギ | 2個 | |
・ニンジン | 2本 | |
・セロリ | 2本 | |
・イタリアンパセリ | 1枝 | |
・ローズマリー | 1/2枝 | |
・セージ | 1枝 | |
・エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル | 200cc | |
・バター | 50g | |
・ニンニク | 2片 | |
・岩塩 | 適量 | |
・コショウ | 適量 | |
・プロセッコ | 1本 | 750cc |
・野菜のブロード | 750cc |