マンマの紹介
- アレッサンドラ・バルデスキ(Alessandra Baldeschi) さん
- ロンバルディア州ミラノ在住
- 【得意料理】Tiramisu(ティラミス)、Bistecca alla Fiorentina (フィレンツェ風Tボーンステーキ)
お料理説明・背景
東京と同様、ミラノのような都会には地方出身者や外国人が多い。アレッサンドラさんのファミリーはトスカーナの出身だが、父親の仕事の関係で彼女は子供の頃からアメリカ暮らし。そのまま大学もアメリカで卒業・就職し、その後、仕事の関係でイタリアに戻って来た。現在は、ミラノでPRエージェンシーを経営し、ホテルやフード関係のプレス業を行っている。2人の子供を持つ母でもありながら仕事もバリバリこなし、インテリア雑誌に出てくるような美しいキッチンをキープしながら、料理もしっかりやるというスーパーマンマだ。
アメリカで子供時代を過ごした彼女にとって、たまにイタリアに帰省する時の夏のバカンスの思い出は今でも鮮明に残っていると言う。イタリア人の典型的なバカンスとは、海や山の別荘で長期間、家族でゆっくり過ごすスタイルで、毎年、同じようなバカンス風景が繰り広げられるのが定番なのだが、彼女にとってはそれもイタリアで過ごすわずかで貴重な時間だった。
そんなバカンスの思い出のメニューがこの「オリーヴパテのリングイネ」。リグーリア州の海沿いに別荘があり、アレッサンドラさんの一家はそこで夏を過ごしていたが、そんなバカンス中に母がよく作ってくれたメニューだ。
「せっかくのバカンスの間も、結局のところ、イタリアの主婦は毎食料理しなくちゃいけないのよ。でもお休みの間くらいは主婦だって休みたい……だから、これはある種の手抜き料理(笑)。オリーヴを始めとした材料を全部細かく切ってパスタに混ぜるだけだから、簡単で手早くできるの。でもおいしくて満足感もあるから、家族みんなが大好きだった一品よ」とアレッサンドラさん。
リグーリアと言えば、バジルソースのパスタが主力なのだが、そのオリーヴバージョンのような感じで、メニューにバリエーションを加えるために登場する一皿だったとか。「私にとってこのパスタは家族と過ごした夏の思い出。でも、実際のところ使っている食材はすべて季節を問わないものばかりなので、年間通していつでも作れるのよ」。
オリーヴ、アンチョビ、パルミジャーノチーズが基本的にこのパテの味と香りを構成しているが、意外とレモンの風味が強く効いている。そしてパンチの効いた他の食材と絶妙のバランスを醸し出す。イタリアでの子供の頃の海のバカンスの経験がなくても、なんとなく懐かしい夏の気分を感じるのはこのレモンの風味のせいだろうか。
大学卒業後、雑誌編集者として活動後、イタリアへ。現在ミラノ在住。ファッションを中心に、カルチャー、食、旅、デザイン&インテリアなどの記事を有名紙誌、WEB媒体に寄稿。 TV、広告などの撮影コーディネーションや、イタリアにおける日本企業のイベントのオーガナイズやPR、企業カタログ作成やプレスリリースの翻訳なども行う。料理学校を経営していた母のもとで学んだ経験を活かし、ミラノの料理学校で講師としても活動中。 Instagram(@mikitanaka0909)
作り方
- イタリアンパセリをざっくりとみじん切りにする。(写真a 参照)
- オリーヴ、アンチョビ、パルメジャーノチーズ、洗って塩を落としたケッパーをそれぞれ細かく切る。レモンの皮は少量すりおろす。(写真b,c 参照)
- 1,2をミキサーに入れ、オリーヴオイルを加えてよく混ぜ合わせる。(写真d 参照)
- ミキサーでさらに細かくする。(写真e 参照)
- 鍋に塩を入れて湯を沸かし、沸騰したらリングイネを入れてアルデンテにゆでる。
- ゆであがったら、ゆで汁を捨て、鍋にリングイネを戻し入れて4を加え絡めながら温める程度にさっと火にかける。(写真f 参照)
- 6をお皿に盛り、お好みでパルミジャーノチーズを上からを添える。 (写真g 参照)