マンマのレシピ

マンマの紹介

  • イザベッラ・ボニーノ(Isabella Bonino) さん
  • ラツィオ州ラツィアーノ在住
  • 【得意料理】海沿の街に暮らしているので、魚介を使った料理をよく作る

お料理説明・背景

vol.12(2013年2月発行)掲載のマンマのレシピは、2012年の9月の取材でした。この号はラツィオ州の特集で、主にローマ以外のところを訪ねていました。その中の一つがアンツィオやネットゥーノというローマより南に行ったテレニア海沿の街。この辺りはローマからも近く、ハイシーズンの夏の週末は、海へ向かう道路は渋滞して大変だとのこと。湘南海岸のようなところでしょうか。ただ、この辺りは第二次世界大戦中には、上陸作戦の戦場となったところでもあり、その爪痕も所々に残っています。

魚介がおいしいと評判のトラットリアで食べた料理はどれも新鮮でおいしいものばかりでした。中でも気に入ったのは、皿に山盛りに盛られて運ばれてきたテッリーネという、シジミほどの大きさの小さな二枚貝。白ワインで蒸して、ほんのりニンニク風味のピリ辛味付けのそれを、摘んでチュウチュウやりながら、白ワインをグビグビ飲む。これが夕暮れの海時間にはピッタリでした。

自宅のリビング壁の絵画イザベッラさんの家は、このゾーンの少し北側の住宅地にあり、自然環境のいいこの辺りにはロマーニたちも多く移り住んできているとのことでした。貿易関係の仕事していたご主人のマリオさんの関係で、アジアや中東などでも暮らしていたこともあるという二人も、13年前(取材当時)からここで暮らしています。

ローマ出身のイザベッラさん、以前はアーティストとして絵を描いていたそうで、大きな窓のある自宅のリビングの壁には、当時描いた絵が飾られていました。その後セラミック・アートを始めて、取材した当時は週に4回ほど自宅のアトリエで教室をやられていて、この日も数名の生徒さんがいました。アトリエに入ると「描いてみる?」と言われて、渡された皿にイザベッラさんの似顔絵を描いたら、苦笑いされたのを覚えています。

食事風景この日、イザベッラさんは地元で獲れるシーフードが大好きだと、ムール貝とテッリーネの白ワイン蒸し。それに簡単でボリュームもあって、季節のトマトのみずみずしさが魚介にぴったりだと、トマトの中に米を入れてオーブンで焼く「ポモドーリ・コン・リーゾ」を作ってくれました。テッリーネは僕が前の日に食べて大変気に入っていたことを聞いて、まさに旬のこの時期だからこそと、わざわざ用意してくれていました。お気に入りの生産者のチーズも並んでヘルシーな食卓に。

娘のアンナ・リサさんと友だちに、セラミック・アートの生徒さんが加わったテラスでの食事の時間は、穏やかで大らかなイザベッラさんと、ウイットに富んだご主人マリオさんの会話がとてもリラックスできて、おいしい料理と幸せの時間を共有できました。

文:イタリア好き編集長 マッシモ 写真:萬田康文

作り方

  1. トマトの頭を切る。切った部分は後で蓋として使う。(写真a 参照)
  2. スプーンでトマトの中身をくり抜き、芯のある部分は捨てて、それ以外はボウルに移しておく。(写真b 参照)
  3. ボウルの中に入れたトマトの中身に、ニンニク、塩、ミントの葉、オレガノを入れる。(写真c 参照)
  4. 3をミキサーに入れ30秒回す。(写真d 参照)
  5. 4にエクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル大さじ1と米を入れ、ペペロンチーノを適量いれて、この状態で1時間置く。(写真e 参照)
  6. 1のくり抜いたトマトそれぞれにミントの葉(分量外)を入れて、エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル小さじ1と、5を等分して入れて、蓋をする。(写真f,g 参照)
  7. 適当に切ったジャガイモを余った5のソースを絡めておく。(写真h 参照)
  8. 耐熱容器に6を置き、空いているスペースに7をいれて軽く塩を振る。(写真i 参照)
  9. 8を280°に温めておいたオーブンで50分焼いて出来上がり。(写真j 参照)
  • a. トマトの頭を切る
  • b. 中身をくり抜く
  • c. トマトの中身、ニンニク、塩、ミントの葉、オレガを合わせる
  • d. ミキサーで30秒回す
  • e. オイル、米、ペペロンチーノを入れて1時間置く
  • f. ミントの葉を入れる
  • g. eを入れる
  • h. ジャガイモを残ったソースに絡める
  • i. 耐熱容器に並べる
  • j. オーブンで焼く

お料理ポイント

塩味が足らなければ好みで後から掛けてね。