お料理説明・背景
この取材は2020年2月。新型コロナウイルスが世界中を席捲する直前、シチリアのアーチレアーレのカーニバルを中心にシチリア東側の特集を組んだときのこと。
紹介するレシピはアーチレアーレで宿泊したB&Bのマンマのレシピ。到着した夜にベッドが足らないことから始まったB&Bの家族との交流が、思わぬ展開となって一緒に食事をすることに。料理好きのマンマアンジェラさんとご主人のフィリッポさん、長女のキアラさん、次女でB&B担当のフランチェスカさんに三女のアレッサンドラさん。カーニバルの日曜日の昼食は賑やかで楽しい時間だった。
朝の取材を引きあげ宿に戻ると、フランチェスカさんが、いろいろと世話をしにやってきた。足りないベッドを持ってきて部屋を整えてくれた。本当は宿を変えるつもりだったのに、問題なく4人が寝られることになり一安心した。
昨夜、深夜に着いたにもかかわらず、早朝から対応してくれてとても感じがよく、急に距離が近くなったような気がして、今朝の取材で聞いたカーニバルのパスタの話を聞いてみた。
「やっぱり今日はカーニバルのパスタを食べるの?」と聞くと、「今、マンマが作っているのよ、食べる?」って突然のお誘い。昼食に取材を予定していましたが、そう言われたら食べないわけにはいかない(笑)。見学と少し味見ということで、飛び入りで家族の食卓におじゃますることになった。
明るい笑顔で迎えてくれたキアラさん。マンマアンジェラさんは、ちょうどポルペッタを丸めて焼いていた。突然の来客にも、ニコニコと料理の話をしてくれる。セッテ・ブーキという7つの穴の空いたパスタを使うのが、伝統的カーニバルバージョンで、ポルペッタ(肉団子)のトマトソースで食べる。パスタにはトマトソースだけをかけて、ポルペッタはセコンドとして食べてもいい。朝食にあったレモンケーキがしっとりして、レモンの香りがよくおいしかったので聞くと、庭のレモンを使って作っているという。2月はちょうどレモンの季節、見れば大きなレモンの樹には実がたわわになっている。
マンマアンジェラさんの出身はエトナ。そこでブドウやオリーヴ、野菜なども作っているから自家製のものも多い。そうなると当然、テーブルにはご主人フィリッポさん自慢の自家製ワインが出てくる。
そのご主人とはパスクエッタのピクニックで知り合ったそうだ。「パスクアのチョコの卵の中に入っているおまけみたいなものね」と笑いながら言うけれど、夫婦はとても仲がよさそう。週末は、家族揃って食事をするのが生活の一部だという。結局居心地がよくて、食後の自家製リモンチェッロまでいただいてしまった。
食べるよりも作るほうが好きだというマンマアンジェラさん。料理もお菓子もおいしかったけど、なにより迎え入れてくれたおもてなしに感謝。
文:イタリア好き編集長 マッシモ 写真:遠藤素子
東シチリア、アーチレアーレのホスピタリティに包まれる
ヴェネチアと並ぶイタリア3大カーニバル開催地の一つ、カターニアのアーチレアーレを取材。さらにピスタチオ、アランチャ、レモン、アーモンド農家を訪ねる。食べずにいられない! 即興パニーノを作る名物おじさんも再訪も必読!https://italiazuki.com/?p=40192
材料
レモンのケーキ(20×7×5.5cmパウンドケーキ型 約2台分)
・小麦粉 | 300g | |
---|---|---|
・レモンの皮 | 1個分 | 大きさ・好みにより調整 |
・レモンの果汁 | 1個分 | 大きさ・好みにより調整 |
・卵 | 4個 | |
・無塩バター | 230g | |
・砂糖 | 200g | |
・ベーキングパウダー | 10g |
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作り方
下ごしらえ
- 型にバターを塗って、小麦粉をはたいておく。
- 無塩バターと卵は常温に戻しておく。
- オーブンを170度に温めておく。