マンマのレシピ

マンマの紹介

  • ラウラ・アントリーニ(Laura Antolini)さん
  • ウンブリア州ペルージャ市在住
  • 【得意料理】ミートソース

お料理説明・背景

イタリアの叔母ちゃんことZia Lauraのレシピ第2弾をウンブリア州からお届けします。 幼稚園の先生として勤労40年のZia Lauraは、夫の叔母であり、私にイタリアの暖かい家庭の味を感じさせてくれる一人です。

お料理は人それぞれ作り方が違うと思うのですが、彼女の作り方は、どちらかと言うと「感覚」でお料理をするタイプです。レシピを見ながらも自分でアレンジをしてしまいます。出来上がりは、いつも深みを感じさせてくれる味わい。私が同じように作っても全く同じ味にはならないのは、イタリア語でいうとtocco d’amore(愛のタッチ)、日本語の意味では「母の味」というところでしょうか。
そんなZia Lauraの今回ご紹介するレシピは3月19日イタリアではイエス様のお父さんの聖ヨセフの日(イタリア語では聖ジュセッペの日)に作られるフリッテッレです。

このフリッテッレは、聖ヨセフの日に食べる典型的なお菓子ですが、中部イタリアのトスカーナ州、ウンブリア州、ラツィオ州で聖ヨセフへのお供え物としても作られていました。また3月の半ば過ぎのこの時期は冬の終わりであり、昔は畑の残骸を燃やし春に向けて農業の浄化の儀式が祝われる時に振舞われたお菓子でもあります。

トスカーナ州では「聖ヨセフの日はフリッテッレなしでは、お祝いできない」ということわざがあるほど、この日フリッテッレを食べることは、昔から根付いた伝統の一つです。 お米を使ったシンプルなお菓子ですが、各州によって違い、いろんなバリエーションがあるようです。
Zia Lauraはお祝いの日のお料理やお菓子は、若い頃はお母さんとお姉さんと、それぞれの家族分を一緒に作っていたそうです。その後、お友達とも。今はお嫁さん達と一緒にワイワイお話ししながら作るのが楽しいそうですよ。是非、お試しあれ。

レポート:大竹裕子(Yuko Otake)
20代前半にヨーロッパを旅行中にイタリアに一番魅了される。数度目のイタリア旅行でウンブリア州にある陶器村デルータを訪れた際、マヨルカ焼きの絵付師になりたいと感じ、1年後の95年に渡伊。ロマーノ・ラニエリ師に師事しながらフリーの絵付け師として活動。現在はアーティスト活動しながら、長年のイタリア在住の経験を生かし企業通訳を始め個人旅行の通訳や旅のコーディネーターとしても活動中。ロコタビ(YUKO):https://locotabi.jp/loco/yukospagliccia

材料

聖ヨセフのフリッテッレ(5~6人分)

・お米300g
・牛乳牛乳500ccお水500ccでも可
・レモン(皮を使用)1個
・シナモン大さじ1
・卵2個
・レーズン60g
・小麦粉大さじ4
・砂糖大さじ4
・バター小さじ1
・塩ひとつまみ
・ベーキングパウダー20g
・サラダ油1L程度
・ラム酒50㏄お好みで

作り方

下ごしらえ

  1. お鍋に牛乳、レモンの皮を5cmほど剥いて入れ、一旦沸騰させる。(写真a 参照)
  2. 沸騰したら弱火にしてお米を入れる。炊く際、常にかき混ぜながら炊く。完全に水分がなくなったら出来上がり。所要時間は約25分。レモンの皮を取り除き、冷蔵庫の中で約半日ほど冷やす(前夜に作っても大丈夫です)。(写真b 参照)

作り方

  1. ボールに炊き上がったお米を入れ、ラム酒を入れる。(写真c 参照)
  2. 1に、卵、塩、レーズン、小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、バター(またはオリーヴオイル適量)を入れる。(写真d,e 参照)
  3. 最後にシナモンを入れ、全体をよくかき混ぜる。(写真f 参照)
  4. サラダ油を温め、130~180度になったらスプーンを二つ使って、片方ですくい、もう片方で形を整えながら落とす。(写真g 参照)
  5. フリッテッレが油の表面に上がってきて、茶色に色がついてきたら取り出す。表面がカリッとして、爪楊枝をさして、中にスッと通ればOK。5~6分が目安。器にフリッテッレをあげていく際は、キッチンぺーパーをひいて余分な油を取り除く。最後にグラニュー糖をお好みでふりかけたら出来上がり。(写真h 参照)
  • a.牛乳とレモンの皮を沸かす
  • b.お米を炊く
  • c.冷ましたお米にラム酒を加える
  • d.卵、塩、レーズンを加える
  • e.小麦粉、砂糖などを加える
  • f.シナモンを混ぜ合わせる
  • g.油で揚げる
  • h.油を切って最後にグラニュー糖をふりかける

お料理ポイント

ご使用されるお米は 日本のお米でも大丈夫ですが、イタリアのお米カルナローリが理想です。バスマティ米はこのお菓子に適していません。 また、揚げ油の温度が、重要なポイントです。油の温度の目安は130度〜180度です。揚げている最中も、油の温度が上がり過ぎず下がり過ぎずにならないように調節してください。具材を油に落とし、上に浮いてきてからもしばらく上下をひっくり返しながら揚げます。爪楊枝で刺してみて表面がカリッとしていて、中がサクッと通るようなら出来上がり。