秋と山とビバッコと。
日本は紅葉が美しくなってくる頃でしょうか。こちら、イタリアの山々の秋はキイロ。
赤いモミジが恋しくもなりますが、雲一つない秋晴れの下で無数のカラマツが輝きを放つ光景は、何気ない秋の物悲しさを払拭してくれるものです。
我が家ではこの時季、山登りに出かけて「ビバッコ」で一晩過ごすのが定番となりつつあり、今年はトレンティーノ地方のペーイオ渓谷へ行くことに。
アウトドア好きにはたまらないある種の「贅沢」を味わいに-
いざ出発です!
まずは登山に不可欠な飲み水の確保から。鉄分が豊富というペーイオの水は、なんと小屋まで設置されて汲めるようになっています。
初めて飲んでみてビックリ!正に鉄を飲んでいるかのような味。こんな水が自然に湧き出ているなんて不思議ですが、ピリッと炭酸も効いていて、慣れてくると抵抗なく飲めるようになりました。
ステルヴィオ国立公園の端っこに位置するこの場所は決して有名ではありません。あえてマイナーな方面を選ぶのが我々のスタイルでもあります。
しばらく森林の中を登って行くとダム湖を望む絶景が待っていましたが、人っ子一人おらず、独り占め。
この翌日に下山するまで誰とも会うことはありませんでした。
さて、寝袋や着替え、防寒具に食材などがたっぷり詰まった12kgのリュックを担ぎ、登ること2時間弱。標高2100m地点、今夜の宿となるビバッコに到着です。
「避難小屋」と訳されるビバッコは、その性質上、鍵はかかっておらず、通常は誰でも自由に無料で使えるようになっています。もちろん、他の方がいれば共有。情報量が少なくて下調べの段階では詳細がわからないことが多く、ドキドキワクワク。早速、中をチェックします!
入ってすぐに二段ベッドが2つ、奥に素敵な木のテーブルとイス、そして薪ストーブに暖炉という設備です。
もともと、ここは羊飼いたちの小屋だったそうですが、近年改装され、綺麗に整っていて感激。
ビバッコは雨風を凌ぐ程度の小さな小屋のこともあれば、地元の愛好家たちによってしっかり調えられているところもあり、今回の場合は調理道具や枕、毛布なども備わっていました。
そばに水場がなかったため、近くの小川で水をたっぷり汲んでおきます。
さらに明るいうちに薪を集め、この滞在に最も重要なストーブの火を焚いてみると、煙が一気に内部に充満するというトラブル発生!!どうやら、排気筒が機能していない模様です。
着火が簡単で調理もでき、小屋全体が温まりやすいのが本来のストーブ。
それが使えないとは致命的だったのですが、外は氷点下。暖を取るために、暖炉を使用することにしました。子どもの頃からアウトドアに親しんできた夫はこういうときに機転が利いて本当に心強い存在!
暖炉の火が順調に燃え始め、
これはこれで雰囲気が最高でした。
熾火調理は時間がかかりますが、特に急ぐ必要もない山の時間。火の暖かさに癒されながら、ぼーっと過ごす心地よさに眠くなるのを我慢して、夕食タイムにします。
ビバッコ定番メニューはタマネギと一緒に炒めたルガネガ(生ソーセージ)&白インゲン豆のトマトソース和え。山での食事はシンプルでも格別なんですよね。
外はすでに真っ暗、電気もないため、頼りになるのはろうそくの火。ゆらゆら、ゆらゆらと雰囲気も増すばかりです。
携帯もつながらず、大自然の中でゆったりとアナログに過ごす贅沢。一歩外に出れば空一面に無数の星が輝いていて、言葉では言い表せないほどの美しい夜でした。
寝袋にくるまって眠り、翌朝。
コーヒーとビスケットで朝食を済ませ、ビバッコを掃除して後にします。
周辺散策を終えたら、再びキイロに染まった森林を通り抜けて帰路へ。
水道も電気もない不便なビバッコ泊は、普段の暮らしとは程遠い唯一無二の体験ができ、何より楽しいからやめられません。
不安に感じる方もいるかもしれませんが、皆様はいかがでしょうか。ご質問やご感想など、気軽にインスタグラム(@yukino.it)にコメントいただけたら嬉しい限りです。
赤いモミジが恋しくもなりますが、雲一つない秋晴れの下で無数のカラマツが輝きを放つ光景は、何気ない秋の物悲しさを払拭してくれるものです。
我が家ではこの時季、山登りに出かけて「ビバッコ」で一晩過ごすのが定番となりつつあり、今年はトレンティーノ地方のペーイオ渓谷へ行くことに。
アウトドア好きにはたまらないある種の「贅沢」を味わいに-
いざ出発です!
まずは登山に不可欠な飲み水の確保から。鉄分が豊富というペーイオの水は、なんと小屋まで設置されて汲めるようになっています。
初めて飲んでみてビックリ!正に鉄を飲んでいるかのような味。こんな水が自然に湧き出ているなんて不思議ですが、ピリッと炭酸も効いていて、慣れてくると抵抗なく飲めるようになりました。
ステルヴィオ国立公園の端っこに位置するこの場所は決して有名ではありません。あえてマイナーな方面を選ぶのが我々のスタイルでもあります。
しばらく森林の中を登って行くとダム湖を望む絶景が待っていましたが、人っ子一人おらず、独り占め。
この翌日に下山するまで誰とも会うことはありませんでした。
さて、寝袋や着替え、防寒具に食材などがたっぷり詰まった12kgのリュックを担ぎ、登ること2時間弱。標高2100m地点、今夜の宿となるビバッコに到着です。
「避難小屋」と訳されるビバッコは、その性質上、鍵はかかっておらず、通常は誰でも自由に無料で使えるようになっています。もちろん、他の方がいれば共有。情報量が少なくて下調べの段階では詳細がわからないことが多く、ドキドキワクワク。早速、中をチェックします!
入ってすぐに二段ベッドが2つ、奥に素敵な木のテーブルとイス、そして薪ストーブに暖炉という設備です。
もともと、ここは羊飼いたちの小屋だったそうですが、近年改装され、綺麗に整っていて感激。
ビバッコは雨風を凌ぐ程度の小さな小屋のこともあれば、地元の愛好家たちによってしっかり調えられているところもあり、今回の場合は調理道具や枕、毛布なども備わっていました。
そばに水場がなかったため、近くの小川で水をたっぷり汲んでおきます。
さらに明るいうちに薪を集め、この滞在に最も重要なストーブの火を焚いてみると、煙が一気に内部に充満するというトラブル発生!!どうやら、排気筒が機能していない模様です。
着火が簡単で調理もでき、小屋全体が温まりやすいのが本来のストーブ。
それが使えないとは致命的だったのですが、外は氷点下。暖を取るために、暖炉を使用することにしました。子どもの頃からアウトドアに親しんできた夫はこういうときに機転が利いて本当に心強い存在!
暖炉の火が順調に燃え始め、
これはこれで雰囲気が最高でした。
熾火調理は時間がかかりますが、特に急ぐ必要もない山の時間。火の暖かさに癒されながら、ぼーっと過ごす心地よさに眠くなるのを我慢して、夕食タイムにします。
ビバッコ定番メニューはタマネギと一緒に炒めたルガネガ(生ソーセージ)&白インゲン豆のトマトソース和え。山での食事はシンプルでも格別なんですよね。
外はすでに真っ暗、電気もないため、頼りになるのはろうそくの火。ゆらゆら、ゆらゆらと雰囲気も増すばかりです。
携帯もつながらず、大自然の中でゆったりとアナログに過ごす贅沢。一歩外に出れば空一面に無数の星が輝いていて、言葉では言い表せないほどの美しい夜でした。
寝袋にくるまって眠り、翌朝。
コーヒーとビスケットで朝食を済ませ、ビバッコを掃除して後にします。
周辺散策を終えたら、再びキイロに染まった森林を通り抜けて帰路へ。
水道も電気もない不便なビバッコ泊は、普段の暮らしとは程遠い唯一無二の体験ができ、何より楽しいからやめられません。
不安に感じる方もいるかもしれませんが、皆様はいかがでしょうか。ご質問やご感想など、気軽にインスタグラム(@yukino.it)にコメントいただけたら嬉しい限りです。