マンマのレシピ

マンマの紹介

  • カルメラ・ディピエッリ(Calmera Dipierri)さん
  • トスカーナ州フィレンツェ在住
  • 【得意料理】カンネッローニ

お料理説明・背景

「トマト缶なんて買ったことないわ! いつも手作りするのよ」と、まるで上手に描けた絵を見せてくれる少女のようにキラキラとして、笑いながら話してくれるのはカルメラさん。自慢の手料理で家族の健康を守り、働きながら二人の子供を育て上げたマンマだ。  子供たちが巣立ち、夫婦二人暮らしになっても料理の手は抜かず、食いしん坊のお父さんのためにいつも献立をきちんと整え、それから息子の職場へ週に2回お弁当を届けるのも欠かさない。もちろん料理は好きとのことだが、彼女の料理を食べるといつも思うのだ、ただ料理をすることが好きというだけではない、彼女の料理は家族への愛情そのものなのだなと。

今回、教えてもらうレシピを決める時に、日本の人は軽い食事も好きだから、前菜でもいいと伝えたら、「ダメダメ、メニューを考える時にメイン料理がないなんて。栄養はちゃんと取らなくっちゃ」
ということで、レシピは家族のいちばんの好物でカルメラさんの得意料理でもある「カンネッローニ」と、寒い季節に温まるフィレンツェの郷土料理「サルシッチャとインゲン豆のトマト煮」に決まった。

「カンネッローニ」は、カンネッロ(筒)の形がパスタの名前の由来。イタリア全土で広く知られ、よく食べられている料理だが、それぞれの土地、具材、作る人によってバリエーションもさまざま。このレシピも幾度となく作り、試行錯誤を繰り返して出来上がった、彼女ならではの一皿。必要以上に脂肪や油分を加えないように、リコッタは牛乳のものを使い、ホウレン草はいためるのではなく、軽く湯がいて使う。ベシャメルソースは正しい分量で手作りし、パルミジャーノ・レッジャーノも軽く味付け程度にして入れすぎないなどの工夫がされている。コクを出したくてつい使い過ぎてしまうチーズやバターを適切に使うことで、食材それぞれがもつ味を生かしつつ、おいしく味を整える、それがカルメラ流。

脂肪分に気をつけるのは、彼女の好みもあるが、家族の健康も考えてのこと。そういった細かな気遣いで作られたこの料理は、本当にどんどんおかわりしたくなるおいしさ。味わいの軽さの秘密は、手順一つひとつに家族を思う気持ちが添えられているからだろう。 コロナ禍で外出制限され、家族でも思うように会えない日々、久しぶりに家族の集まる機会が出来とても喜んでいたカルメラさんの、愛情たっぷりの料理が今、湯気を立てて出来上がる。

*このレシピは『イタリア好き』本誌vol.44を基に再取材をして修正、加筆をしたものです。
*「サルシッチャとインゲン豆のトマト煮」のレシピは『イタリア好き』本誌vol.44をご覧ください。

レポート:藤原 亮子(Ryoko Fujiwara)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。

材料

リコッタチーズとホウレン草のカンネッローニ(4人分)

・カンネッローニ用パスタ12枚12㎝四方
・ホウレン草300g
・リコッタチーズ250g
・卵1個
・イタリアンパセリ3~5枚
・塩少々
・コショウ少々刻んだもの
・ナツメグ少々
・パルミジャーノ・レッジャーノ適量
・オリーヴオイル適量

ベシャメルソース

・牛乳1L
・小麦粉50g
・無塩バター70g
・塩少々

種類豊富なイタリア食材&ワインサイト「tartaruga(タルタルーガ)」からもお求めいただけます。

作り方

下ごしらえ

  1. ベシャメルソースを用意する。牛乳を小鍋で温める(沸騰しないようにする)。フライパンにバターを溶かしたら、小麦粉を加えいためる。混ぜ続けながら、温めた牛乳を少しずつ加えていく。牛乳をすべて加え、滑らかに混ざったら塩で味を整え火から下ろしておく。
  2. ホウレン草を洗って、軽く水を切った状態で鍋に入れ、塩をふって蒸す。火が通ったら水気を絞り細かく切っておく。
  3. イタリアンパセリをみじん切りにしておく。
  4. オーブンを200℃に温めておく。

作り方

  1. リコッタチーズに卵、ホウレン草、イタリアンパセリを入れ、よく混ぜ合わせる。(写真a 参照)
  2. 塩・コショウとナツメグを加えて味を整える。(写真b 参照)
  3. パスタをゆでる。ゆで上がったパスタはくっつかないように布巾の上に広げておくと作業しやすい。(写真c,d 参照)
  4. オーブン皿にオリーヴオイルを入れ、全体に広げ、ベシャメルソースも少量入れ同じように全体に広げる。(写真e 参照)
  5. パスタを1枚取り、中央に1の具を一文字に載せ、空いている両端を中央の具に向けてたたみ、筒状にする。(写真f 参照)
  6. 筒状にしたパスタの綴じ合せた方を下にして、3のオーブン皿に載せる。同じようにすべてのパスタに具を包んでオーブン皿に並べていく。(写真g 参照)
  7. パスタをオーブン皿全体に敷き詰めたら、パルミジャーノ・レッジャーノをふりかける。(写真h 参照)
  8. 最後に、ベシャメルソースを上に広げる。(写真i 参照)
  9. 200℃に温めたオーブンの下段に入れ15分、その後温度を180℃にして上段に移しさらに15分焼く。表面に薄っすら焼き色がついたら出来上がり。(写真j 参照)
  • a. 具材を合わせる
  • b. 塩・コショウとナツメグで味を調える
  • c. パスタをゆでる
  • d. 布巾の上に広げておく
  • e. ベシャメルソースを広げる
  • f. パスタに具を載せ筒状にする
  • g. 綴じ合わせを下にして並べる
  • h. パルミジャーノ・レッジャーノをふりかける
  • i. ベシャメルソースを上に広げる
  • j. オーブンで焼く

お料理ポイント

今回のカンネッローニ用のパスタは12㎝四方の生パスタを使用。筒状で販売されている乾麺もある。調理法は製品の指示に従って。
ホウレン草の下ゆでは、少量の水で蒸すようにすると栄養が水に流れにくい。
ベシャメルソースは焦らずに少しずつ牛乳を加えながら、とにかく混ぜ続けるとダマになりずらい。
オーブンによって火の入り具合が違うので時間は目安に。表面の焼き具合を出来上がりのポイントにするとよい。