マンマの紹介
- イーダ・カッカヴィエッロ(Ida Caccaviello)さん
ヴァレンティーナ・ヌンツィアータ(Valentina Nunziata)さん - カンパーニア州ソレント在住
- 【得意料理】レモンを使った料理、レモンのリゾットなど
お料理説明・背景
カンパーニア州ソレントといえば、“イタリア好き”でなくても聞いたことはあるでしょう。ナポリ駅を出発し、ヴェスヴィオ山とポンペイを横目に電車に揺られて1時間と少し、意外にも地味で小さなソレント駅に着く。でも降車する観光客は多い。そこから車で10分も走るとイーダさん家族が営むレモン農園に着く。 農園は、「ペルゴラーティ」という方式の棚が張り巡らされていて、大きなレモンが実をつけ、レモンのトンネルの中でさわやかな香りに包まれる。
ソレントの冬はミクロクリーマーという気候で冬にしっかり冷え込むため、北風が吹けば気温がマイナスになり果汁を凍らせたり、氷が降って表面を痛めてしまったりすることからその棚を使って保護している。でも寒さとヴェスヴィオの土壌が、レモンの味を濃厚にして、香り高いソレント産のレモンができるのだ。
農園の横にはアグリトゥリズモがある。代々レモン農家だったご主人のジョゼッペさんが「レモン農園だけではこの先厳しいだろう」と、1998年にアグリトゥリズモを始めてから、イーダさんはそこで料理を作っている。 料理好きのイーダさん、「昨日は近所の人たちと豚を潰したわ」と出てきたのがレモンソースの効いた軽く爽やかな味のソレント風スカロッピーナ。サラミやサルシッチャも作ったという。
今回紹介するティラミスは、自前のレモンをふんだんに使った料理。もともと価値の高かったソレントのレモンは一時それを失ってしまったが、レモンチェッロがその価値を再び押し上げた。香り高い皮に、まろやかな酸味と厚く白い部分の甘さが特徴だ。ソレントレモンの理解を深めてもらうためにもイーダさん親娘が作るレモンを使った料理は大切なのだ。レモンチェッロやマルメラータ、レモン風味のオリーヴオイルもすべて手作りしている。アグリトゥリズモに来るお客さんに提供して食べてもらうことで、ファンになってもらえればこれほどうれしいことはない。
キッチンではいつも一緒の娘のヴァレンティーナさん、料理はイーダさんから習い、受け継いでいる。最近はそれにヴァレンティーナ風のアレンジを加えて新しい料理も提供しているのだとか。 ポンペイのあたりで古代ローマ人が観賞用に栽培を始めたとされるレモン。土地に根付く長い歴史を背景に、仲よし親娘でその価値を今に伝えている。ソレントへ行ったらレモンをどうぞ。
文:イタリア好き編集長 マッシモ 写真:遠藤素子
材料
レモン風味のティラミス(6~8人分)
・レモン | 1~2個 | できれば無農薬を使用 |
---|---|---|
・生クリーム | 400cc | マスカルポーネで代用可。(マスカルポーネ200gと砂糖40~50g程度) |
・水 | 500cc | |
・砂糖 | 大さじ3程度 | シロップ用と生クリーム用。量はお好みの甘さで調整可 |
・卵 | 3個 | |
・レモンチェッロ | 適量 | |
・サボイアルディ | 1袋程度 | 器の大きさにより調整 |
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作り方
- 鍋に水と砂糖大さじ2、1/2個分のレモンの皮を入れて火にかける。砂糖が溶けたら火から下ろして、レモンチェッロを加えておく。(写真a 参照)
- 生クリームに砂糖(大さじ1程度)を加え8分立ての固さになるまで泡立てる。(写真b 参照)
- 別のボールに卵白を入れてツノが立つまで泡立てたところへ卵黄を加え、8分立て程度にする。(写真c 参照)
- 2と3を混ぜ合わせ、1のシロップ(皮は含まない)の半量~2/3程度を、加減を見ながら少しずつ加え、レモン風味のクリームに仕上げる。
- 器の底に4のクリームを敷く。(写真d 参照)
- 皮を除いて残ったにシロップにサボイアルディをくぐらせ器に並べていく。(写真e,f 参照)
- 5~6を2回程度繰り返す。(写真g 参照)
- 最後にクリームを塗り、刻んだレモンの皮を散らしたら冷蔵庫で最低1時間冷やす。(写真h 参照)