5代続く製粉所の誇り ガスパリ製粉所 後半
今日は3月8日、国際女性デーの日としてミモザの花を女性に贈る日。
なのですが、モデナは3月4日から行動制限が出てしまい、残念ながらお花屋さんもお休み。
何もしないのはつまらない。庭に咲く花を摘んで、ミモザを模したミモザケーキを作りました。
もちろん小麦粉は
先日ご紹介したガスパリ製粉所のもの石臼挽きの粉は混ぜるときにふんわりと良い香り。
さて先日の5代続くガルパリ製粉所の記事の続きです。
小麦粉は白くない?!
小麦粉の色は?と聞いたら白に決まっているよ。と言いたくなりますが実はあの白い粉は精製過程で表皮と胚芽を取り除いたものなのです。
製粉過程でまず、ゴミや不純物を取り除き、小さく粉砕したあとににふるいにかけられ、比重ごとに分けて行きます。
通常大きな工場では何百キロと言う小麦を数分で挽くそうで、粉砕時にかなりの熱を持つそうです。その後16ほどの工程を経て選別ふるい分けをされます。
小麦のビタミンミネラル分は精製過程で表皮と胚芽が取り除かれるだけでなく、製粉工程の熱により、残っていた微量のビタミン、ミネラルもほぼ消失してしまうそうです。
石臼で挽かれた小麦は37度ほんのり暖かくとてもいい匂い、舐めてみると甘い!色も黄色みがかった薄いベージュ。1時間に挽ける小麦の量は最大500kgとのことでした。
小麦粉の添加物、保存料不使用は当たり前のことではない?!
スーパーの棚に陳列されている小麦粉の原材料を見ても保存料の記載は見当たらず、わざわざ製粉所の謳い文句にする必要があるのか?と聞いてみました。
EUの規定では小麦粉にグルテン、酵素を添加することは、元々小麦に含まれる成分ゆえ、食品表示に記載しなくても良いと言う規定があるのだとか。
調べると、日本でも加工時に用いられ、食べる際にはもう効果を持たない添加物は「加工助剤」と呼ばれ、パッケージに原材料として表示する必要がないと言う添加物に入っているようです。したがって、消費者が小麦粉のパッケージを見ても、グルテン、酵素の使用の有無はわかりません。
一体何故、グルテンや酵素を添加させる必要があるのでしょう?
小麦は農産物ですから、毎年出来が違います。そのため、できる小麦粉も質が違ってくる。昔はパン屋さんを始め、消費者はそういった、新粉の癖を毎年調整して使っていたそうです。でも今はクレームが来る。一定の膨らみ具合。少ない粉でふわふわの柔らかなパンを短時間で作りたい。そこでグルテンと酵素の登場。どちらも短時間で膨らみをよくする働きがあり、科学的に抽出したものを添加することで解消されてしまうわけです。
このグルテンの添加、近年イタリアを始め欧米諸国で激増している小麦アレルギーに一役買っていることは間違いない。ちょっと怖い話です。
こちらのフェルナンダさんはお姉さんと共に、ひどい化学物質アレルギーがあり、自分たちが食べられないものは作らない、作ってはいけないと確信し、お祖父さん達の製粉技術を継承し、すべての製品に一際添加物、保存料を使用しないと言う方針に決めたそうです。
ある程度一定品質の小麦粉を作るために、毎年4〜5種類の性質や成分の異なる小麦をブレンドして調整し、挽いているとの事でした。
エミリアロマーニャ州の軟質小麦粉
エミリアロマーニャ州のパスタと言えば、タリアテッレに、トルテッリーニ、ラザニア、など。これは軟質小麦粉のなせる技。卵をつなぎに使い薄ーく薄く伸ばして卵色のパスタを打ちます。ツルッとした食感。同じ軟質小麦でパンも郷土菓子も作られてきました。
南イタリアのセモリナ粉と呼ばれる小麦粉は硬質小麦から作られ、全く手触りも食感も異なります。砂のような粒子状。粒の大きさにより名前が変わります。大変給水率が高いことから、モチモチとした歯触りの色々な形のパスタを作り出すことができます。もちろんパンにもお菓子にも使います。
どちらも美味しいし、適材適所によって使い分ける必要がある。軟質小麦は灰分の量によって名前が異なります。
スペルト小麦や色々な古代小麦もいい。かと言って、現代の小麦が悪いわけではなく、製粉の工程で良し悪しが変わるのだとフェルナンダさん。
石臼で挽いた粉はパンを作る時、倍以上の発酵時間がかかりますが香りが高くて、噛めば噛むほど味があり、砂糖を入れなくても優しい甘み。なによりも腹持ちが良いそうです。時間をとるのか、便宜性をとるのか?
何千年も前、人類が粉を弾き始めた頃と変わらない石臼に、現代のコンピュータ制御新旧の融合された機械に、5代続く製粉場の揺るぎない誇りと良いものを作りたいと言う決意を見せていただきました。
取材をさせていただいたガスパリ製粉所の動画(You Tobe チャンネル Akane in balsamicland ) を撮ってきましたので、ぜひ合わせてご覧ください。
ガスパリ製粉所MOLINO GASPARI SRL
定休日 日曜日
住所 : VIA MUZZA 2095
41017 RAVARINO FRAZ.STUFFIONE MO
サイトはこちらからhttps://www.molinogaspari.it/
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