毬栗ころころ~秋深まる渓谷を歩いて収穫祭体験
先日、秋色深まるイタリアンアルプスの、とある渓谷を15㎞近く歩いてきました。すでに肌寒い季節ではありますが、青空の下を歩くのは心地よく、夏とはまた違う表情を見せる山々の美しいこと。今回の目的は…「トゥルゲレン」‼
なんと聞きなれない響きでしょう!
それもそのはず。トゥルゲレン(Törggelen)とはこの地方特有の方言。ブドウの収穫を終える9月下旬頃、イザルコ渓谷(伊)/アイザック渓谷(独)を中心に始まる収穫祭を表す言葉です。12月あたりまでゆる~く続き、自由にいつでも誰でも参加可能。ただし、いくつか押さえるべきポイントがあります。
まずは
①栗のトレイルからスタート!
大自然の中を歩いて新鮮な空気を存分に味わいつつ、この時季の風景を楽しむことからトゥルゲレンは始まります。全長60㎞もある栗のトレイルのうち、私たちは一部分のみ歩いてみたのですが、、、
信じられないくらいに栗、くり、クリ!!!
地面いっぱい、毬栗(いがぐり)や毬から飛び出た栗で敷き詰められていました。油断していると、頭上に毬栗が落ちてきて、けっこうトゲトゲが痛いので要注意です。
よく見ると、栗って1つの毬に仲良く3つ入っているんですね。外側の2つがぷくっと膨らみ、真ん中の栗は押しつぶされたような形になっています。
栗がなっているのを見るのは、実は初めてだったのですが、なんとも可愛らしいものでした。
そんな栗の道を抜けた先には、この絶景が待っています。
さらに歩いて山村に到着し、山小屋に寄り道してテラスでランチタイム。
普段は閉まっている農家でさえ、秋から冬にかけてのこの期間だけオープンして伝統料理をふるまってくれるのもトゥルゲレンの醍醐味です。
食事は
②大麦スープと肉プレートが定番!
プリモは大麦スープやカネーデルリ、セコンドはソーセージや塩漬け豚肉のザワークラウト添えという風にほぼ決まっているものなので、メニューを見ながら選ぶものではありません。ただし、これらの中から一部だけオーダーするなどの融通はたいてい利くのでご安心を!
さて、美味しくいただいてお腹いっぱいになった私たちは、再び栗のトレイルを次の村へと歩き始めました。小さな村が点在しているこの辺りでは、歩いて20分ほどで隣の村に到着します。
そこから駐車場へと引き返すことにしたのですが、帰り道だからといって、まだまだトゥルゲレンは終わっていません。
おやつには
③焼き栗で決まり!
これだけ栗を踏みながら歩いてきたのだから、名物の栗は食べておかなきゃ!ということで、アペリティフを兼ね、ブッシェンシャンク(伊:フラスカ)のテラス席にお邪魔することにします。ブッシェンシャンクとはもともと、ワイン生産者が新酒の時期にテーブルと椅子を出し、自家製ワインを比較的安価でふるまってくれるような場所。気取らずに立ち寄れる雰囲気が素敵なんです。
そこで栗のお供に
④ワインジュース!? Süßenを賞味!
収穫したてのブドウを搾った液体で、発酵が始まる前の段階、つまりはアルコールのほとんどない状態のズゥーセン(Süßen)を飲むのが慣例です。
トゥルゲレンの語源はトルキォ(Torchio)=ブドウ圧搾機。ブドウ収穫とワイン造りを祝う伝統行事であるからには、この年の第一号となる若いワインを飲まずに帰るわけには行きません。
濃い果汁が口いっぱいに広がる贅沢なブドウジュースはルビー色も綺麗。ノンアルが物足りない方は、11月に入ると出来立ての新酒を味わえるようになるのでしばしお待ちを!
トゥルゲレンに参加するといっても、どこかに届け出をするわけでも、参加費を支払うわけでもなく、好きなところから歩き始めて、好きな場所で食べて飲み、それぞれの飲食に対して支払いをするものです。
決してオシャレはせず、山スタイルでカジュアルに行くのが暗黙のルール。栗のトレイルはしっかり整備されて歩きやすくなっているため、車でアクセス可能な山小屋であっても、ハイキング気分で歩いて行くのがオススメです。標高が高く、ドロミティ山塊までくっきりと望む大パノラマは、見飽きることのない感動があります。
本来、トゥルゲレンの夜は各所で賑やかな宴となって盛り上がるのですが、コロナウイルスの状況悪化により、縮小を余儀なくされているのが仕方なくも悲しいものです。
なんと聞きなれない響きでしょう!
それもそのはず。トゥルゲレン(Törggelen)とはこの地方特有の方言。ブドウの収穫を終える9月下旬頃、イザルコ渓谷(伊)/アイザック渓谷(独)を中心に始まる収穫祭を表す言葉です。12月あたりまでゆる~く続き、自由にいつでも誰でも参加可能。ただし、いくつか押さえるべきポイントがあります。
まずは
①栗のトレイルからスタート!
大自然の中を歩いて新鮮な空気を存分に味わいつつ、この時季の風景を楽しむことからトゥルゲレンは始まります。全長60㎞もある栗のトレイルのうち、私たちは一部分のみ歩いてみたのですが、、、
信じられないくらいに栗、くり、クリ!!!
地面いっぱい、毬栗(いがぐり)や毬から飛び出た栗で敷き詰められていました。油断していると、頭上に毬栗が落ちてきて、けっこうトゲトゲが痛いので要注意です。
よく見ると、栗って1つの毬に仲良く3つ入っているんですね。外側の2つがぷくっと膨らみ、真ん中の栗は押しつぶされたような形になっています。
栗がなっているのを見るのは、実は初めてだったのですが、なんとも可愛らしいものでした。
そんな栗の道を抜けた先には、この絶景が待っています。
さらに歩いて山村に到着し、山小屋に寄り道してテラスでランチタイム。
普段は閉まっている農家でさえ、秋から冬にかけてのこの期間だけオープンして伝統料理をふるまってくれるのもトゥルゲレンの醍醐味です。
食事は
②大麦スープと肉プレートが定番!
プリモは大麦スープやカネーデルリ、セコンドはソーセージや塩漬け豚肉のザワークラウト添えという風にほぼ決まっているものなので、メニューを見ながら選ぶものではありません。ただし、これらの中から一部だけオーダーするなどの融通はたいてい利くのでご安心を!
さて、美味しくいただいてお腹いっぱいになった私たちは、再び栗のトレイルを次の村へと歩き始めました。小さな村が点在しているこの辺りでは、歩いて20分ほどで隣の村に到着します。
そこから駐車場へと引き返すことにしたのですが、帰り道だからといって、まだまだトゥルゲレンは終わっていません。
おやつには
③焼き栗で決まり!
これだけ栗を踏みながら歩いてきたのだから、名物の栗は食べておかなきゃ!ということで、アペリティフを兼ね、ブッシェンシャンク(伊:フラスカ)のテラス席にお邪魔することにします。ブッシェンシャンクとはもともと、ワイン生産者が新酒の時期にテーブルと椅子を出し、自家製ワインを比較的安価でふるまってくれるような場所。気取らずに立ち寄れる雰囲気が素敵なんです。
そこで栗のお供に
④ワインジュース!? Süßenを賞味!
収穫したてのブドウを搾った液体で、発酵が始まる前の段階、つまりはアルコールのほとんどない状態のズゥーセン(Süßen)を飲むのが慣例です。
トゥルゲレンの語源はトルキォ(Torchio)=ブドウ圧搾機。ブドウ収穫とワイン造りを祝う伝統行事であるからには、この年の第一号となる若いワインを飲まずに帰るわけには行きません。
濃い果汁が口いっぱいに広がる贅沢なブドウジュースはルビー色も綺麗。ノンアルが物足りない方は、11月に入ると出来立ての新酒を味わえるようになるのでしばしお待ちを!
トゥルゲレンに参加するといっても、どこかに届け出をするわけでも、参加費を支払うわけでもなく、好きなところから歩き始めて、好きな場所で食べて飲み、それぞれの飲食に対して支払いをするものです。
決してオシャレはせず、山スタイルでカジュアルに行くのが暗黙のルール。栗のトレイルはしっかり整備されて歩きやすくなっているため、車でアクセス可能な山小屋であっても、ハイキング気分で歩いて行くのがオススメです。標高が高く、ドロミティ山塊までくっきりと望む大パノラマは、見飽きることのない感動があります。
本来、トゥルゲレンの夜は各所で賑やかな宴となって盛り上がるのですが、コロナウイルスの状況悪化により、縮小を余儀なくされているのが仕方なくも悲しいものです。