ユネスコにも登録されているアルノ川の源流に行ってみた
アルノ川のはじまりはどんなところかご存知ですか
フィレンツェの中心を流れる川と言えばアルノ川。過去に氾濫したこともあるほど、大雨の時などは水位もあがる川ですが、この川の源流はどんなところなのかこれまで見に行ったことがありませんでした。数年前に、イタリア人の友人が「ハイキングにもおすすめのすごく素敵な場所だったよ」というのを聞いてから一度は行ってみたいと思っていて、ようやく9月に行ってきました。
アルノ川の源流はCapo D’Arno(カポ・ダルノ)といいますが、フィレンツェから車で1時間半ほどの場所にあります。近くまでは車で行けるし駐車場もあるので、車で行くことをお勧めします。アルノ川源流周辺は、ユネスコ世界遺産にも登録されている場所です。
源流があるくらいだから、途中に水が流れているところで水を汲めるなどと勝手に思っていましたが、結論から言うと全くそんなところはありませんでした。なのでナチュラルウォーターを持参するか、山道に入る手前にある天然水が出る場所で持参した水筒などに水を補給していく必要があります。ちょっとわかりにくいのですが、この天然水が汲める場所は標識の右手の低い場所にあり、冷たく、そしてとても美味しい天然水なので、この水を汲んでいくことをお勧めします。
人によって歩くペースも異なりますが、道標には1時間25分とあり、目安として往復3時間くらいを考えておけばいいかと思います。最初は道路もならされていましたが、途中からはゴツゴツ大きな石だらけの道もあり、歩きやすい運動靴が必須です。
さらに、けっこう急な上り坂が続くので私のような運動不足の者にとっては、かなり息が上がるコースでした。途中の美しい山林の景色に癒やされながらコツコツと歩きましたが、なかなかいい運動になるハイキングコースです。ちなみにイタリアのハイキングコースの道標は白と赤の印で、少し迷いそうになったら、木の上に記されたこの白と赤の印を探して進むと迷いません。
アルノ川の源流には、今年で没後700年となるダンテの「神曲」の石碑
アルノ川の源流場所には標識が立てられているので、たどり着いたことがわかります。そこから下ると、アルノ川の源流を見ることができます。
それはそれは小さな渓流なので、「こんな小さな起源が60キロも離れたフィレンツェに流れていくと、あんな大きな川になるのか!」となかなか感慨深い気持ちになります。
この源流には、フィレンツェ出身の詩人ダンテ・アリギエーリの「神曲」の石碑が立てられています。
“Per mezza Toscana si spazia
un fiumicel che nasce in Falterona”
訳「フィレンツェの中心を流れる川、フォルテロナ山で生まれる」
今年はダンテ・アリギエーリの没後700年となる記念の年。そんな年にこの場所を訪れることができて、よりいっそう想い出深いものとなりました。
リラックスできる美しい自然を満喫できるアルノ川源流へのハイキング。この日は道路脇に美味しいブラックベリーが沢山なっており、道中おやつ代わりに食べることもできました。日本からイタリアへ来るにはハードルが高すぎますが、いつか再びイタリアへお越しの際には、こんなイタリアでのリラックスハイキングもおすすめですよ。
このイタリア好き通信では、私が紹介できるのはトスカーナ州だけですが、私のブログではイタリア中の素敵な街や近隣国なども紹介しています。イタリア全20州のうち18州訪問、世界では約40カ国を旅してきた旅行好き&グルメな私のブログ&インスタグラムもよかったらのぞいてみてください♪最近ではウンブリア州の素敵な街や美味しいものなどを紹介しています。
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撮影したナポリの写真が本「平和学と歴史学/【著】戸田三三冬」のカバー表紙に採用されました
今年8月に戸田三三冬さん著「平和学と歴史学―アナキズムの可能性」が三元社から出版されました。第二章ではナポリについて色々書かれていることから、本のカバー表紙に私が2014年に撮影したナポリの写真が採用されました。小さいモノクロ写真ではありますが、立派な本の表紙に写真が採用されてとても光栄です。
三元社から送っていただいた本はようやく先日イタリアの自宅に届いたばかりなのでまだ読み始めたばかりですが、三度訪れたことのあるナポリの章を特に楽しみ読み進めているところです。いろんなサイトで購入可能ですので、ご興味のある方はお買い求めの上、是非読んでください!