夏が旬!? アルト・アディジェのキノコ事情
秋のイメージが強いキノコ狩りですが、あっという間に9月も後半に入り、アルト・アディジェ地方ではピークが過ぎ去ってしまいました。今から旬を迎えるキノコ類もあるけれど、我々の一番の狙いはやっぱりポルチーニ!新鮮なものを調理して食べるにも、乾燥させて保存しておくにも最高のキノコです。
が、ここは標高の高いアルプスの山間部。冬の寒さが厳しいのはもちろん、夏は涼しく、春秋でもフリースやジャケットを羽織るほど肌寒いところ。ポルチーニが育つにはある程度の暑さが必要なため、シーズンは早くて7月中旬以降。9月に入ると終わりに近づいてゆくという、2か月足らずの短い期間しかないのです。
その間、誰でも好き勝手にキノコ狩りを楽しめるわけではありません。イタリアの他の州と同様、アルト・アディジェ地方にも独自のルールが存在し、地域外の住民は、郵便局や観光案内所などで事前にキノコ狩り申請を行う必要があります。1人1日8ユーロ払い、認められるのは全キノコ類合わせてたったの1kgまでと少ないんですよね。。。
従わなければ、パトロール中の森林警察による罰金対象。しかも、キノコは全て踏みつぶされるらしいです。
さらにもう1つ、悩ましいルールが存在します。
実は、キノコを採っていいのは「偶数日」のみ。つまり、20日に大雨であきらめて次の日が晴天でも、21日は禁止!キノコ狩りに行ってはいけないことになっています。
ただし、そんなときには
「ちょっとオーストリアまで行こう!」
なんていう抜け道も。日にち規制のない隣国の森まで出かける人も多くいるのです。キノコを採るために国境越えるなんて、“さすがヨーロッパ”な光景ですよね。
さて、雨がたくさん降って森全体が湿った後、太陽がしばらく照った頃を見計らって、名人たちだけでなく素人っぽい私たちも、それぞれ秘密の森へと入ります。
まずパッと目に入るのが、遠くからでも目立つ真っ赤なベニテングタケ。毒々しい見た目の通り、いわゆる毒キノコ!!
ですが、ポルチーニと同じ環境に生息することから、その周辺はポルチーニチャンス。くまなく目を凝らして探します。
ポルチーニは傘がしっかりと硬めで、裏側がひだ状ではなく、スポンジのようにふわっとした感じ。さらに柄(え)の部分が太くがっしりとしていて、見分けやすい特徴を持っています。柄が赤いニセモノも存在するので、その点には注意が必要です!
キノコ狩り歴わずか3年程度の私、最初はキノコの感触が怖くて(?)触るのを躊躇していたくらいですが、最近、良いものを見る目が養われてきたみたい。
まるで生まれたてのように、ひょっこりと顔を出しているのを見つけると嬉しくなっちゃいます。
これくらい小さいほうが、新鮮で寄生虫もいないので、そのまま洗って調理するのに最適です。
小さく切って、オリーブオイルとニンニク、バターで炒め、タリアテッレ(フェットチーネ)などのきしめん状パスタと和えれば、相性抜群!この食感がたまりません~
生長しながら、スポンジ部分が白から綺麗な黄緑色へと変化していくポルチーニですが、これが黒っぽくなるとあまり良い状態とは言えず、切り離して捨てなければなりません。
大きな大きなポルチーニを見つけたときは「おぉっ!」となる反面、白い寄生虫がにょろにょろと群がっていたり、ナメクジなどに食べられてしまっていたりすることも多く、「うぅっ…」となることも。
育ちすぎたもの=古いものは、ナイフやブラシなどで汚れを取り除いてスライスし、ストーブで熱を送って乾燥させ、その過程で寄生虫を完全に追い出します。
乾燥ポルチーニは、水で戻してリゾットにするのにピッタリです。
瓶に入れて保存しておけば、急な来客の多いイタリアでかなり重宝します。
キノコ狩りの許可を得るためにお金を払い、時間をかけて探すくらいなら、買ったほうが確実、と思う人もいるかもしれません。しかし、木々に覆われてひんやりとした森の中を歩くこと自体が楽しみの1つ。苔のじゅうたんのふわっと感が私は大好きです。
なお、売られている乾燥ポルチーニは通常、乾燥控えめ。水分でかさ増しされています。自分たちで採ってきた満足感と凝縮された旨味がより美味しいことは言うまでもありません。
が、ここは標高の高いアルプスの山間部。冬の寒さが厳しいのはもちろん、夏は涼しく、春秋でもフリースやジャケットを羽織るほど肌寒いところ。ポルチーニが育つにはある程度の暑さが必要なため、シーズンは早くて7月中旬以降。9月に入ると終わりに近づいてゆくという、2か月足らずの短い期間しかないのです。
その間、誰でも好き勝手にキノコ狩りを楽しめるわけではありません。イタリアの他の州と同様、アルト・アディジェ地方にも独自のルールが存在し、地域外の住民は、郵便局や観光案内所などで事前にキノコ狩り申請を行う必要があります。1人1日8ユーロ払い、認められるのは全キノコ類合わせてたったの1kgまでと少ないんですよね。。。
従わなければ、パトロール中の森林警察による罰金対象。しかも、キノコは全て踏みつぶされるらしいです。
さらにもう1つ、悩ましいルールが存在します。
実は、キノコを採っていいのは「偶数日」のみ。つまり、20日に大雨であきらめて次の日が晴天でも、21日は禁止!キノコ狩りに行ってはいけないことになっています。
ただし、そんなときには
「ちょっとオーストリアまで行こう!」
なんていう抜け道も。日にち規制のない隣国の森まで出かける人も多くいるのです。キノコを採るために国境越えるなんて、“さすがヨーロッパ”な光景ですよね。
さて、雨がたくさん降って森全体が湿った後、太陽がしばらく照った頃を見計らって、名人たちだけでなく素人っぽい私たちも、それぞれ秘密の森へと入ります。
まずパッと目に入るのが、遠くからでも目立つ真っ赤なベニテングタケ。毒々しい見た目の通り、いわゆる毒キノコ!!
ですが、ポルチーニと同じ環境に生息することから、その周辺はポルチーニチャンス。くまなく目を凝らして探します。
ポルチーニは傘がしっかりと硬めで、裏側がひだ状ではなく、スポンジのようにふわっとした感じ。さらに柄(え)の部分が太くがっしりとしていて、見分けやすい特徴を持っています。柄が赤いニセモノも存在するので、その点には注意が必要です!
キノコ狩り歴わずか3年程度の私、最初はキノコの感触が怖くて(?)触るのを躊躇していたくらいですが、最近、良いものを見る目が養われてきたみたい。
まるで生まれたてのように、ひょっこりと顔を出しているのを見つけると嬉しくなっちゃいます。
これくらい小さいほうが、新鮮で寄生虫もいないので、そのまま洗って調理するのに最適です。
小さく切って、オリーブオイルとニンニク、バターで炒め、タリアテッレ(フェットチーネ)などのきしめん状パスタと和えれば、相性抜群!この食感がたまりません~
生長しながら、スポンジ部分が白から綺麗な黄緑色へと変化していくポルチーニですが、これが黒っぽくなるとあまり良い状態とは言えず、切り離して捨てなければなりません。
大きな大きなポルチーニを見つけたときは「おぉっ!」となる反面、白い寄生虫がにょろにょろと群がっていたり、ナメクジなどに食べられてしまっていたりすることも多く、「うぅっ…」となることも。
育ちすぎたもの=古いものは、ナイフやブラシなどで汚れを取り除いてスライスし、ストーブで熱を送って乾燥させ、その過程で寄生虫を完全に追い出します。
乾燥ポルチーニは、水で戻してリゾットにするのにピッタリです。
瓶に入れて保存しておけば、急な来客の多いイタリアでかなり重宝します。
キノコ狩りの許可を得るためにお金を払い、時間をかけて探すくらいなら、買ったほうが確実、と思う人もいるかもしれません。しかし、木々に覆われてひんやりとした森の中を歩くこと自体が楽しみの1つ。苔のじゅうたんのふわっと感が私は大好きです。
なお、売られている乾燥ポルチーニは通常、乾燥控えめ。水分でかさ増しされています。自分たちで採ってきた満足感と凝縮された旨味がより美味しいことは言うまでもありません。