灰色のチーズって?特産「グラウケーゼ」を求めて山登り
アルプスの山々へ出かけると、カランコロンカラン…というベルの音がよく響いています。
壮大な緑の大地に牛や羊、ヤギなどが放牧されているのです。逃げるどころか近寄ってくるし、時には登山道を陣取っていることも。
そんな動物たちと触れ合いながら、マルガ(Malga)巡りをするのも山岳地帯散策の楽しいところ。車でアクセス可能な場所もある一方、山奥の場合は歩いて登っていかなければならず、マルガを目的地として登山に出かけることもよくあります。
このマルガというイタリア語は、なかなか一言で和訳するのが難しいのですが、動物たちを放牧して、その乳から牛乳やバター、チーズなどの乳製品を製造&直売する酪農家の山小屋。その場で料理が提供されていることも多く、新鮮な逸品を味わえるのが醍醐味です。
前置きはこれくらいにして、今回お届けするのは車を停めてから歩いて約2時間、標高差600m登った先にあるマルガ。名物の「グラウケーゼ」(独語Graukäse)を求めて出発です。グラウ=グレー、ケーゼ=チーズなので、つまりは灰色のチーズという不思議な名前。どんなチーズなのでしょうか?
しばらくは整備された緩やかな道が続きます。
途中、牛乳やチーズなどを運ぶための小さなロープウェイが。つまり、目指すマルガはこのロープの先。
急な斜面に差し掛かり、ゆっくり休みながらおよそ30分…
なかなかハードな登りを越えて、マルガ“Bärenfiechtalm”に辿り着きました!
まずは、殺菌処理されていないバターミルク(バターを作る過程で残った液体)をいただきます。酸味が効いていてさっぱり。
そして、グラウケーゼを探しに来たことを伝えたら
「私が作ってるのよ」とこのスマイル。
これが、チーズ職人メラニーさんの作るグラウケーゼ。強烈な香りがツンと漂っています。
奥の工房を見せてもらうと、1週間の作業工程を大まかに説明してくれました。
牛乳からバターを作るための脂肪分を取り出し、その残りの部分、いわゆる脱脂乳を使用して作られるのがグラウケーゼです。
「最も脂肪分の少ないチーズなの」とメラニーさん。
脱脂乳を、段階を経ながらゆっくりと50度まで温めて低温殺菌した後、水気を切って塩やコショウを加え、大きな容器に入れて手で押します。2日ほど寝かせ、さらに型にはめて25度の部屋で2日以上、熟成させたら食べ頃。
気になるお味は…
かなり濃い酸味!!というのか独特の味わいでなかなか表現が難しいけれど、コショウがピリッとアクセントに効いていて、チーズ好きの私にはハマるおいしさ!食感は柔らかく、むしろベチャッとしていて、歯にくっつく感じです。
クセが強いので好みが分かれ、実際、香りが苦手で近寄れない人もいるくらい。
かつて貧しかった人々が売るためにバターを作り、その不要な部分を活用して自分たちのためにグラウケーゼを作っていたという-
それが今では特産品となり、アルト・アディジェ地方ではスーパーでも気軽に少量から手に入るため、見かけたらぜひ試してもらいたい一品。私はこの冬、グラウケーゼを使ったスープに挑戦しようと思っています。
壮大な緑の大地に牛や羊、ヤギなどが放牧されているのです。逃げるどころか近寄ってくるし、時には登山道を陣取っていることも。
そんな動物たちと触れ合いながら、マルガ(Malga)巡りをするのも山岳地帯散策の楽しいところ。車でアクセス可能な場所もある一方、山奥の場合は歩いて登っていかなければならず、マルガを目的地として登山に出かけることもよくあります。
このマルガというイタリア語は、なかなか一言で和訳するのが難しいのですが、動物たちを放牧して、その乳から牛乳やバター、チーズなどの乳製品を製造&直売する酪農家の山小屋。その場で料理が提供されていることも多く、新鮮な逸品を味わえるのが醍醐味です。
前置きはこれくらいにして、今回お届けするのは車を停めてから歩いて約2時間、標高差600m登った先にあるマルガ。名物の「グラウケーゼ」(独語Graukäse)を求めて出発です。グラウ=グレー、ケーゼ=チーズなので、つまりは灰色のチーズという不思議な名前。どんなチーズなのでしょうか?
しばらくは整備された緩やかな道が続きます。
途中、牛乳やチーズなどを運ぶための小さなロープウェイが。つまり、目指すマルガはこのロープの先。
急な斜面に差し掛かり、ゆっくり休みながらおよそ30分…
なかなかハードな登りを越えて、マルガ“Bärenfiechtalm”に辿り着きました!
まずは、殺菌処理されていないバターミルク(バターを作る過程で残った液体)をいただきます。酸味が効いていてさっぱり。
そして、グラウケーゼを探しに来たことを伝えたら
「私が作ってるのよ」とこのスマイル。
これが、チーズ職人メラニーさんの作るグラウケーゼ。強烈な香りがツンと漂っています。
奥の工房を見せてもらうと、1週間の作業工程を大まかに説明してくれました。
牛乳からバターを作るための脂肪分を取り出し、その残りの部分、いわゆる脱脂乳を使用して作られるのがグラウケーゼです。
「最も脂肪分の少ないチーズなの」とメラニーさん。
脱脂乳を、段階を経ながらゆっくりと50度まで温めて低温殺菌した後、水気を切って塩やコショウを加え、大きな容器に入れて手で押します。2日ほど寝かせ、さらに型にはめて25度の部屋で2日以上、熟成させたら食べ頃。
気になるお味は…
かなり濃い酸味!!というのか独特の味わいでなかなか表現が難しいけれど、コショウがピリッとアクセントに効いていて、チーズ好きの私にはハマるおいしさ!食感は柔らかく、むしろベチャッとしていて、歯にくっつく感じです。
クセが強いので好みが分かれ、実際、香りが苦手で近寄れない人もいるくらい。
かつて貧しかった人々が売るためにバターを作り、その不要な部分を活用して自分たちのためにグラウケーゼを作っていたという-
それが今では特産品となり、アルト・アディジェ地方ではスーパーでも気軽に少量から手に入るため、見かけたらぜひ試してもらいたい一品。私はこの冬、グラウケーゼを使ったスープに挑戦しようと思っています。