お料理説明・背景
4月から9月までは、アマルフィ海岸の段々畑にたくさん育つ、レモンの収穫時期です。アマルフィ海岸のレモンは両端が尖り、表面はデコボコとしていて不揃いな形をしています。鼻につく酸味ではなく、心地よい爽やかな酸味が特徴です。
黄色い部分のレモンの皮にエッセンシャルオイルを多く配合しているため、ピールした皮は芳香効果が高く、シンプルなパウンドケーキやビスケットに混ぜると口の中にレモンの香りがいっぱいになります。また、小麦粉をまぶした肉をフライパンで焼き、レモンピールとレモンジュースを合わせると、優しいレモンソースの肉料理が完成します。
さらに、さっぱりとした食事をとりたい時は薄くスライスしたレモンに塩とオリーヴオイル、そしてイタリアンパセリを合わせると、とっておきのレモンサラダが完成します。レモンのスライスサラダと聞くと少し驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、優しい酸味に塩とオリーヴオイルがよくマッチしてとてもおいしいので、無農薬レモンで是非試されてみてください。
そして、搾ったレモンはシンク磨きにも使え、お肌にも優しくうれしいことばかりなので余すところなくお使いくださいね。
今回は、アマルフィのレモンをたくさん栽培している段々畑に囲まれたご自宅で、ご主人と共にレモンツアーやレモンを使った料理教室などをされているまさにアマルフィのレモンを知り尽くしているジョヴァンナさんに、レモンティラミスを紹介していただきました。新鮮なフルーツを添えることもある爽やかなレモンティラミスは、ティーンエイジャーのお子さんお二人も大好物なのだそうです。レモンに囲まれた仕事をなさっているのでレモン風味に飽きることはないのかと尋ねると、「小さい頃には両親と小さなレモン畑に行って収穫の手伝いをしていたわ。広大なレモン畑を持つ主人と結婚しても、レモンの香りは幼い頃の楽しい思い出があるからか、幸せな気持ちを運んでくれるんです」と答えてくれました。
今回紹介するレシピでは生クリームを使っていますが、マスカルポーネチーズの風味をより楽しみたい方は、生クリームではなくマスカルポーネチーズの量を少し増やしても構いません。そして、イタリアで「ティラミス」というとサヴォイアルディビスケットが定番ですが、代わりにスポンジケーキやプレーンのパウンドケーキにシロップを含ませてもおいしいレモンティラミスができます。ぜひお好みの味を見つけてみてください。
作り方
下ごしらえ
- ビスケットを浸すシロップを作る。ピールしたレモン、グラニュー糖、水を鍋に入れて火にかけ、沸騰寸前で火を止め冷ましておく。(写真a 参照)
- ボウルに生クリームを入れ、ハンドミキサーでもったりするまで泡立てたら冷蔵庫で冷やしておく。(写真b 参照)
作り方
- 2つのボウルに卵白と卵黄を分ける。卵白をハンドミキサーでメレンゲ状にする。(写真c 参照)
- 卵黄を入れたボウルへグラニュー糖を加え、ハンドミキサーでもったりするまでしっかりと混ぜる。空気を含んで、卵黄とグラニュー糖のかさが増えるえるようにしっかり混ぜることでクリームにハリがでる。(写真d 参照)
- 4にマスカルポーネチーズを加えさらにハンドミキサーで混ぜる。(写真e,f 参照)
- マスカルポーネチーズがしっかり混ざったら、同じボウルへ、先ほど冷蔵庫に入れておいた生クリーム、メレンゲ状にしておいた卵白を順番に混ぜ合わせる。この際、空気をしっかり含んだ素材をこわさないように、下から上へ大きく円を描くようにふんわりと混ぜていくことが大切。(写真g,h,i 参照)
- 全ての材料を混ぜたら、ピールしたレモンの皮を加える。(写真j 参照)
- サヴォイアルディビスケットを予め用意したシロップに少しだけつけ(シロップの中にビスケットを放置せず、手で掴んだまま表と裏にシロップを馴染ませる程度)、器に並べる。(写真k 参照)
- ビスケットの上にクリームを重ね入れたら、またビスケットを並べていく。(写真l 参照)
- 2層~3層のレイヤー状にしたら、仕上げにお好みでレモンピールを飾ると華やかになる。(写真m 参照)