マンマのレシピ

マンマの紹介

  • サンドラ・バティニャーニ(Sandra Batignani)さん
  • トスカーナ州フィレンツェ県レジェッロ在住
  • 【得意料理】ミートソース・リボッリータ

お料理説明・背景

イタリア人は本当においしいご飯が大好き! おいしいものに飽くなき探究心を持っているのだなぁと感心することが多々あります。現に陽気でおしゃべり好きなイタリア人の話題の大部分は食べ物。ふと電車で隣合わせになっただけで始まるおしゃべりは、あそこのアレがおいしかったという一般的な話題から、それはこんな風にして作るんだとか、うちのお母さんはこんな風に作るなど、どんどん話は深くなっていくのです。そして何よりも私が素敵だなと思うのは、おいしいものを誰かに共有しようと積極的に情報を教えてくれること。おいしそうと少しでも興味を示すと、作り方を細かく教えてくれますし、それが友達なら「作ってあげるから食べにおいで」と必ず招いてくれます。その心の温かさがまたご飯をおいしくするのだなぁとも思います。

さて、そうやって広まって受け継がれていくおいしいレシピたち。トスカーナの田舎の森の中に暮らすパワフル・マンマ、サンドラに教えてもらったのも、料理上手だった彼女のおばさんから受け継がれたレシピの一つ。鶏レバーのクロスティーニはトスカーナ地方の郷土料理ですが、料理好きだったおばさんのレシピは一味違います。バターとお酒を使ってちょっとリッチに香り豊かに仕上げられたレバーペーストはワインにとてもよくあいます。お酒でレバーの臭みは消えますし、アルコールは飛ばしてしまいますので、もちろんお子さまでも食べられるおいしさです。 パンにのせて前菜やワインのつまみとしてよく食べられるメニュー。冷凍も可能なので、小分けにして冷凍ストックしておくと、一品足りない時、ちょっとおつまみが欲しい時など重宝しますよ。

ちなみに、作り方手順で使用している半月型のナイフ「Mezza Luna」も母から子へと受け継がれる伝統の一つ。みじん切りにするときに本当に便利なのです。今はフードプロセッサーなど便利なものもありますが、程よい細かさに切れるこのナイフに、「やっぱりこれでなくては!」とイタリアの家庭では愛用されています。

レポート:藤原 亮子(Ryoko Fujiwara)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。

材料

鶏レバーのクロスティーニ(4人分)

・鶏レバー約250g
・アンチョビ4枚
・カッペリ(酢漬け)大さじ1
・無塩バター50g有塩でも可。後で塩味を調整
・ローリエ2枚
・マルサラ酒(辛口がおすすめ)大さじ4ブランデーでも代用可
・塩・コショウ適宜
・パンお好み量

作り方

  1. レバーをバターで軽く焼き色がつくまでいためる。(写真a 参照)
  2. ローリエ、マルサラ酒、塩、コショウを加え、アルコールが飛ぶまで火をいれる。(写真b 参照)
  3. 一旦レバーを取りし出し、まずは大まかに切る。(写真c 参照)
  4. 3にアンチョビ、カッペリを加える。(写真d 参照)
  5. さらに細かくなるまで切る。(写真e,f 参照)
  6. 5を小鍋に入れ軽く火を通しなじませる。(写真g 参照)
  7. バターを塗ったパンにのせて、軽くトースターで焼いたらできあがり。(写真h 参照)
  • a. レバーをいためる
  • b. ローリエ、マルサラ酒などを加えアルコールが飛ぶまで火入れする
  • c. レバーを大まかに切る
  • d. アンチョビ、カッペリを加える
  • e. 半月型のナイフで切る
  • f. 細かく切る
  • g. 小鍋に入れなじませる
  • h. バターを塗ったパンを軽く焼く

お料理ポイント

2の行程で塩をしますが、後でアンチョビを加えるのでその分の塩分を考慮し、塩の入れすぎに気をつけて。