NONINO(ノニーノ)といえば、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州にある1897年創業の老舗グラッパメーカー。
代々家族経営で引き継がれ、現在は3姉妹が経営の舵取りを行っている。
華やかでエネルギッシュな女性たちが造る、ノニーノのグラッパ。今日はその魅力についてご紹介しよう。
グラッパというのはイタリアではお馴染みの食後酒で、“ヴィナッチャ”と呼ばれるブドウの搾りかすを原料として造られる蒸留酒だ。
ヴィナッチャは、もともとワイン造りで余った、単なる“ブドウの搾りかす”という認識だった。そのため、昔は品種が何であるか、またその品質まで気にされることはなかった。
そんな中、3姉妹の両親ベニートさんとジャンノーラさんは、品質にこだわったグラッパ造りを目指し、原料のヴィナッチャにいち早く注目。1973年にイタリアで初めて単一ブドウ品種(ピコリット)のみを使った高品質グラッパを生み出したことで、ノニーノの名を一躍有名にした。
さらに1984年には、アルコール発酵させた果皮入りのワインを蒸留して造るフレッシュなグラッパ“アクアヴィーテ”を開発し、ノニーノはイタリアのグラッパ業界を牽引する存在となったのである。
製造責任者である3女エリザベッタさんが案内してくれた今回の訪問では、幸運にもノニーノ社の樽熟成庫の中に入るという貴重な経験をすることができた。
なぜ貴重かというと、普段ノニーノ社が所有する7つの樽熟成庫は、ウディネ県の税関の管理下に置かれており、たとえノニーノ一族でも勝手に入ってはいけないという厳格な規則で決められているからだ。
アラームがなっても、中から煙が出ても、警察が到着するまで中に入ってはいけないという法律も定められているそう。
中に入れるのは、ボトリングのために樽からグラッパを抜き取ったり、新しく熟成するグラッパを入れたりするときのみ。その際には、ウディネの税関に1週間前までに申請しなくてはいけない。そして必ず税関職員が鍵の開け閉めを行う。
こうして厳重に管理された熟成庫には、2,455個のバリック樽(225L)をはじめ、樫の木、サクラの木、アカシアの木、シェリーカスク(シェリーの熟成に使用された樽のこと)などの多種多様の小樽が並んでいる。このそれぞれの樽こそが、グラッパに複雑味を与えるという重要な役割を果たしているのだそうだ。
そう説明するエリザベッタさん。なんと特別に1998年の樽からマルヴァジーアのグラッパを試飲させてくれた。
「この香りはPazzesco(パッツェスコ=常軌を逸している)よ。」と、言われてテイスティングすると驚きのアロマ。
マルヴァジーアはフレッシュな白ワインにも使われるブドウ品種ながら、20年以上の熟成を経て、華やかな香りがより研ぎ澄まされ、さらに樽からもたらされたオークの深い香りと一体となっている。飲んだ後にも、チョコレートやリコリス、スパイスなどの余韻がずっと口の中で漂う。木樽で熟成させたグラッパの素晴らしさを感じた瞬間だった。
ノニーノ社は、12ヶ月から27年の様々な熟成グラッパを造っている。
実はグラッパを長期間樽で熟成させる生産者は彼らを除きほとんどいないという。
熟成すればするほど、中のアルコールは蒸発して目減りしていくので単純にコストがかかるという理由もある。しかしそもそもグラッパを長期間熟成させるためには、ワイン同様それに耐えうるだけのポテンシャルが必要で、グラッパそのものの品質が問われる。原材料のセレクションから徹底的にこだわるノニーノだからこそ、イタリア国内でも唯一無二に近い長期熟成グラッパを生み出せるのだ。
また “熟成感”を演出するためにカラメル色素などの着色料を使用する造り手も多い中、ノニーノは無添加。じっくり時間をかけた樽熟成は余韻の奥深さを生み出すだけでなく、グラッパに天然の色調を与えてくれる。
「熟成庫の樽は全てデータが記録されていて、何年何月にその樽に入れたか、どういった熟成の経緯を辿っているか、樽の木材やグラッパの原料ブドウはどこから来たかなどが分かるの。この蔵にある樽は私たちにとって本当に大事なものよ。」
と、グラッパ造りのメソッドがすべて詰まっているその書類を誇らしげに見せてくれたエリザベッタさん。
日本では12ヶ月熟成と8年熟成のグラッパが楽しめる。
8年熟成のグラッパ「グラッパ・リゼルヴァ・オット・アンニ」は単一畑で取れたマルヴァジーアなどのブドウの搾りかすを蒸留して、こだわりの比率でブレンド。バリックとシェリーカスクで熟成され、より香り高いグラッパへと進化する。そしてその香りを裏切らない、スパイスやチョコレートなど、98年の樽のグラッパの片鱗をも感じさせる素晴らしい余韻が長く続くのである。
是非、ノニーノの樽熟成グラッパの余韻を楽しんで頂きたい。
モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼ノニーノ社について詳しくはこちらから↓↓▼
https://www.montebussan.co.jp/wine/nonino.html
代々家族経営で引き継がれ、現在は3姉妹が経営の舵取りを行っている。
華やかでエネルギッシュな女性たちが造る、ノニーノのグラッパ。今日はその魅力についてご紹介しよう。
グラッパというのはイタリアではお馴染みの食後酒で、“ヴィナッチャ”と呼ばれるブドウの搾りかすを原料として造られる蒸留酒だ。
ヴィナッチャは、もともとワイン造りで余った、単なる“ブドウの搾りかす”という認識だった。そのため、昔は品種が何であるか、またその品質まで気にされることはなかった。
そんな中、3姉妹の両親ベニートさんとジャンノーラさんは、品質にこだわったグラッパ造りを目指し、原料のヴィナッチャにいち早く注目。1973年にイタリアで初めて単一ブドウ品種(ピコリット)のみを使った高品質グラッパを生み出したことで、ノニーノの名を一躍有名にした。
さらに1984年には、アルコール発酵させた果皮入りのワインを蒸留して造るフレッシュなグラッパ“アクアヴィーテ”を開発し、ノニーノはイタリアのグラッパ業界を牽引する存在となったのである。
製造責任者である3女エリザベッタさんが案内してくれた今回の訪問では、幸運にもノニーノ社の樽熟成庫の中に入るという貴重な経験をすることができた。
なぜ貴重かというと、普段ノニーノ社が所有する7つの樽熟成庫は、ウディネ県の税関の管理下に置かれており、たとえノニーノ一族でも勝手に入ってはいけないという厳格な規則で決められているからだ。
アラームがなっても、中から煙が出ても、警察が到着するまで中に入ってはいけないという法律も定められているそう。
中に入れるのは、ボトリングのために樽からグラッパを抜き取ったり、新しく熟成するグラッパを入れたりするときのみ。その際には、ウディネの税関に1週間前までに申請しなくてはいけない。そして必ず税関職員が鍵の開け閉めを行う。
こうして厳重に管理された熟成庫には、2,455個のバリック樽(225L)をはじめ、樫の木、サクラの木、アカシアの木、シェリーカスク(シェリーの熟成に使用された樽のこと)などの多種多様の小樽が並んでいる。このそれぞれの樽こそが、グラッパに複雑味を与えるという重要な役割を果たしているのだそうだ。
そう説明するエリザベッタさん。なんと特別に1998年の樽からマルヴァジーアのグラッパを試飲させてくれた。
「この香りはPazzesco(パッツェスコ=常軌を逸している)よ。」と、言われてテイスティングすると驚きのアロマ。
マルヴァジーアはフレッシュな白ワインにも使われるブドウ品種ながら、20年以上の熟成を経て、華やかな香りがより研ぎ澄まされ、さらに樽からもたらされたオークの深い香りと一体となっている。飲んだ後にも、チョコレートやリコリス、スパイスなどの余韻がずっと口の中で漂う。木樽で熟成させたグラッパの素晴らしさを感じた瞬間だった。
ノニーノ社は、12ヶ月から27年の様々な熟成グラッパを造っている。
実はグラッパを長期間樽で熟成させる生産者は彼らを除きほとんどいないという。
熟成すればするほど、中のアルコールは蒸発して目減りしていくので単純にコストがかかるという理由もある。しかしそもそもグラッパを長期間熟成させるためには、ワイン同様それに耐えうるだけのポテンシャルが必要で、グラッパそのものの品質が問われる。原材料のセレクションから徹底的にこだわるノニーノだからこそ、イタリア国内でも唯一無二に近い長期熟成グラッパを生み出せるのだ。
また “熟成感”を演出するためにカラメル色素などの着色料を使用する造り手も多い中、ノニーノは無添加。じっくり時間をかけた樽熟成は余韻の奥深さを生み出すだけでなく、グラッパに天然の色調を与えてくれる。
「熟成庫の樽は全てデータが記録されていて、何年何月にその樽に入れたか、どういった熟成の経緯を辿っているか、樽の木材やグラッパの原料ブドウはどこから来たかなどが分かるの。この蔵にある樽は私たちにとって本当に大事なものよ。」
と、グラッパ造りのメソッドがすべて詰まっているその書類を誇らしげに見せてくれたエリザベッタさん。
日本では12ヶ月熟成と8年熟成のグラッパが楽しめる。
8年熟成のグラッパ「グラッパ・リゼルヴァ・オット・アンニ」は単一畑で取れたマルヴァジーアなどのブドウの搾りかすを蒸留して、こだわりの比率でブレンド。バリックとシェリーカスクで熟成され、より香り高いグラッパへと進化する。そしてその香りを裏切らない、スパイスやチョコレートなど、98年の樽のグラッパの片鱗をも感じさせる素晴らしい余韻が長く続くのである。
是非、ノニーノの樽熟成グラッパの余韻を楽しんで頂きたい。
http://www.montebussan.co.jp/
▼ノニーノ社について詳しくはこちらから↓↓▼
https://www.montebussan.co.jp/wine/nonino.html