マンマのレシピ

マンマの紹介

  • サンドラ・バティニャーニ(Sandra Batignani)さん
  • トスカーナ州フィレンツェ県レジェッロ在住
  • 【得意料理】ミートソース・リボッリータ

お料理説明・背景

とにかくイタリアのマンマは働き者! 共働きが多いイタリアで、自分の仕事はもちろん、掃除、洗濯の家事に加え、とても大変なのが子供の学校の送り迎え。高校に上がるまで、どんなに近くても大人の送り迎えを義務としているイタリア。高校に上がっても、学校が遠かったり、はたまた子供が友達と遊びに出かけて遅くなる時には、決まって大人が送り迎えをするのです。もちろん、送り迎えは旦那さんも、そして祖父母が元気であれば家族みんなで分担することができますが、それにしてもお母さんにかかる負担は大きいもの。その上、おいしいもの大好きなイタリア人ですから、家の食事だって手を抜くわけにはいきません。毎日の食事、毎日の送り迎え、仕事、家事、その一切をパワフルにこなすイタリアのお母さんたちには本当に頭が下がります。

さて、今回レシピを紹介いただいたサンドラさんも、そんなパワフル・マンマの一人。 トスカーナの田舎の森の中に暮らす彼女は、毎朝子供をフィレンツェ市内の学校に送り、そのまま仕事へ。仕事はバリスタ。朝から行きつけのBARでコーヒーを飲む習慣があるイタリアで、「ボンジョルノ」といつも通り迎えてくれるバリスタの存在は重要なもの。いつも明るい彼女とのおしゃべりを楽しみにしてくる常連客も多くいます。そんな忙しい仕事が終わったら、息つく暇もなく学校へ迎えに行って一緒に家に帰る。モトクロス好きのご主人と息子の出す大量の洗濯物に家の掃除、さらには高齢の義父の介護までこなしていたというのだから、もうスーパーウーマン級です。

そんな彼女から教えてもらったこちらのレシピは、トスカーナの伝統料理で、家庭でよく作られる母の味。忙しいお母さんの片手間でも作りやすく、しかもしっかり家族の胃袋も満たしてくれる救いの一品です。というのも、材料を鍋に入れたらあとはじっくり火にかけるだけだから。火事にならないように注意さえすれば、つきっきりで鍋をみる必要もなく、その間に掃除や洗濯など他の家事を済ませることができてしまう、時短どころでない、時間を倍活用できるメニューなのです。

野菜の甘みがしっかり染み込んだお肉は食欲をそそるおいしさ。がっつりお肉を食べられるので、育ち盛りのお子さんや、仕事で体力消耗した旦那さまの食欲をしっかり満たしてくれ、その上、たくさんの野菜も一緒に食べられるので、栄養面のバランスもバッチリです。しかも、温め直せば次の日はさらにトロトロでおいしくいただけるので、時間のある週末などに作りおいて、少しずつ食べるのにも向いています。 作り方は本当に簡単なので、ぜひ一度試してみてくださいね。

レポート:藤原 亮子(Ryoko Fujiwara)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。

材料

牛肉とタマネギのトロトロ煮込み(4人分)

・牛肩ロース塊400g
・タマネギ6個
・ニンジン1本
・セロリ1本
・赤ワイン500cc
・塩・コショウ少々
・オリーヴオイル適量

作り方

下ごしらえ

  1. 牛肉をタコ糸でしばっておきます。これは、煮込んでいくと形が潰れていくのを防ぎ、丸く保つ為のものなので、形が保たれるよう均一に糸を巻きます。

作り方

  1. 焼く前に肉に塩コショウで下味をつけたら、オリーヴオイルをひいた鍋に入れ、両面に焼き色が付くように強火で焼く。(写真a 参照)
  2. 野菜をざく切りにする。(写真b,c 参照)
  3. 1にニンジンとセロリを加え軽くいためる。(写真d 参照)
  4. さらにタマネギを肉を覆うように入れたら、赤ワインを加え、蓋をして弱火でゆっくり1時間ほど煮込む。(写真e 参照)
  5. 時折、お肉と野菜を上下するようにかき混ぜ、タマネギがとろりと軟らかくなったら、塩コショウで味を整えてできあがり。(写真f 参照)
  6. 塊肉を包丁でスライスして皿に取り分け、お野菜を添え、煮汁もかけて召しあがれ。(写真g 参照)
  • a. お肉を両面焼く
  • b. ニンジン・セロリをざく切りにする
  • c. タマネギもざく切りにする
  • d. ニンジン、セロリを加える
  • e. 肉を覆うようにタマネギを入れ赤ワインを加える
  • f. 時折混ぜながら1時間煮る
  • g. 塊肉をスライスして盛り付ける

お料理ポイント

もし途中で水分がなくなりそうになったらお湯を足しても大丈夫です。タマネギがとろりと軟らかくなるまでじっくり煮込むのがおいしさの秘訣です。