陣内秀信教授とアマルフィの友好関係20周年
皆様こんにちは。
2019年も残すところあと僅かとなりましたが、皆様にとって2019年はどのような年だったでしょうか?
アマルフィ海岸に住む日本人として今年は特別な思い出を残してくれるものになりました。「8月31日から9月2日まで行われたビザンツ帝国の新年の祭典 建築史家である陣内秀信教授マジステルの称号授与」については前回のブログでご紹介させていただきましたが、祭典が素晴らしかっただけでなく、今までの日本とアマルフィの間での様々な交流が改めて評価される感極まる祭典となったのです。
イタリア好きの方なら陣内教授の出版されているイタリアの様々な都市構造に関する書籍を読まれたことのある方も多いかと思います。
今年は陣内教授がアマルフィ海岸のフィールド調査を開始されてから20年目の節目の年にあたる事をご存知でしょうか?
20年前から毎夏、法政大学陣内研究室の学生たちとアマルフィ海岸を訪れ、アマルフィ文化歴史センターのコバルト教授やアマルフィについて知らないことはないのではと申し上げても大げさではない歴史家のガルガーノ教授、そしてアマルフィの建築家を目指す若者達も交え一軒一軒扉を叩き、住民の家族構成や歴史についてのインタビューに重点を置きながら住居を実測されるというイタリア人が考え付かないような研究方法で都市を解読されてきました。
地元民から「アマルフィ市民の誰よりも多くの家で歓迎された陣内教授」と愛情たっぷりに表現される陣内教授。日本からの観光客の方とのお喋りで「僕の家は陣内教授に調査されたんだよ。」と自慢する地元民もいらっしゃる程です。
そして陣内教授のご紹介が縁で「美濃市とアマルフィ市手漉き紙の友好関係」が2013年に締結され、同年アマルフィにある中世の造船所アルセナーレ(現羅針盤とアマルフィ海洋公国博物館)を見事に生かして美濃市の職人の方々が美濃和紙を使ったあかりアート展を開催するだけでなく、アマルフィの手漉き紙職人と美濃和紙の手漉き紙職人が地元民の前で実際にデモンストレーションを披露し、違いを体感できる機会、そして提灯づくりのデモンストレーションなども行われこのイベントがきっかけで日本がとても身近に感じられるようになった、と語ってくれる青年たちが今でもいる程大成功のイベントでした。
*提灯作りに見入る地元中学生たち
2014年には、24名からなるアマルフィ訪問団が美濃市を訪れ、産業祭に参加したり、美濃和紙を使った様々な商品を作る方々のもとを訪れ、生で鑑賞する太鼓での歓迎や、ナポリ民謡を日本語でも一緒に歌うなど、訪問団の心が熱くなる1週間を過ごしました。
*美濃市の方々が開いてくださったお別れ会でナポリ民謡を一緒に。
そして、今年の2月には「日本のアマルフィ」と呼ばれている和歌山市雑賀崎でアマルフィのミラノ市長と陣内教授、そして和歌山大学の永瀬准教授とともに景観や土地を生かす観光についてのシンポジウムで講演され、アマルフィの人気レストランSENSIのヘッドシェフ トルモリーノ氏による和歌山の食材を使ったアマルフィ料理を振る舞う食フェアが行われたのですが、日本でもイタリアでも再評価されている「地産地消」を具体化する食事は和歌山の方々にも歓迎され、市長もシェフも大感激でした。
*公民館で行われたシンポジウム
*食フェア開会式で和歌山市雑賀崎の皆様にお礼を述べられるミラノ市長
*リゾットを皆様の前で調理するトルモリーノシェフ
2015年からは、日本とアマルフィの交流をより強固にする、という目的で冬季日本語講座もアマルフィ文化歴史センターが開催してくださっているので、日本との交流をとても大切にしてくださっていることが皆さんにも伝わると思います。
以上のように活発な交流を進めているアマルフィ市ですが、ビザンツ帝国の新年の祭典では、「日出ずる国が語るアマルフィ」とのタイトルで大勢の地元民の前で「アマルフィの歴史地区の面白さと特徴」についてお話しされた陣内教授。「建築家として歴史地区の多くの民家がヴァケーションハウスになってきて、地元民の生活が忘れ去られつつあることについてどう思うか?」など鋭い質問も出てきたインタビューでは、地元民も巻き込んだ意見交換が繰り広げられ、ガルガーノ教授から「文化が忘れ去られると、歴史地区は観光村になってしまう」とのコメントが出た時は会場の熱気がピークに。陣内教授のおかげで、自分たちの町のあり方を再認識する機会を持てた住民は翌日の陣内教授マジステル就任式を心待ちにされたことは皆さんも容易にご想像できるかと思います。
*夕暮れ時の広場で行われた講演会とインタビュー
*アマルフィ市とともに行ってきた活動についてお話しされる陣内教授
*大聖堂上でアマルフィ市民にマジステルお披露目式に登場された陣内教授とソリチェッリ司教
アマルフィ市と日本の文化交流コーディネーターである筆者ですが、数々の感動を共有させてくださった陣内教授には尊敬と感謝の気持ちばかりです。交流の最大の魅力は、日本とアマルフィの皆さんがそれぞれご自身のご活躍を紹介していただける機会があり、相手に理解してもらう事で生まれる感動です。2020年も益々双方がご自身の歴史や文化を披露する機会があり、相互理解が深まる一年になることを願うばかりです。
2019年も残すところあと僅かとなりましたが、皆様にとって2019年はどのような年だったでしょうか?
アマルフィ海岸に住む日本人として今年は特別な思い出を残してくれるものになりました。「8月31日から9月2日まで行われたビザンツ帝国の新年の祭典 建築史家である陣内秀信教授マジステルの称号授与」については前回のブログでご紹介させていただきましたが、祭典が素晴らしかっただけでなく、今までの日本とアマルフィの間での様々な交流が改めて評価される感極まる祭典となったのです。
イタリア好きの方なら陣内教授の出版されているイタリアの様々な都市構造に関する書籍を読まれたことのある方も多いかと思います。
今年は陣内教授がアマルフィ海岸のフィールド調査を開始されてから20年目の節目の年にあたる事をご存知でしょうか?
20年前から毎夏、法政大学陣内研究室の学生たちとアマルフィ海岸を訪れ、アマルフィ文化歴史センターのコバルト教授やアマルフィについて知らないことはないのではと申し上げても大げさではない歴史家のガルガーノ教授、そしてアマルフィの建築家を目指す若者達も交え一軒一軒扉を叩き、住民の家族構成や歴史についてのインタビューに重点を置きながら住居を実測されるというイタリア人が考え付かないような研究方法で都市を解読されてきました。
地元民から「アマルフィ市民の誰よりも多くの家で歓迎された陣内教授」と愛情たっぷりに表現される陣内教授。日本からの観光客の方とのお喋りで「僕の家は陣内教授に調査されたんだよ。」と自慢する地元民もいらっしゃる程です。
そして陣内教授のご紹介が縁で「美濃市とアマルフィ市手漉き紙の友好関係」が2013年に締結され、同年アマルフィにある中世の造船所アルセナーレ(現羅針盤とアマルフィ海洋公国博物館)を見事に生かして美濃市の職人の方々が美濃和紙を使ったあかりアート展を開催するだけでなく、アマルフィの手漉き紙職人と美濃和紙の手漉き紙職人が地元民の前で実際にデモンストレーションを披露し、違いを体感できる機会、そして提灯づくりのデモンストレーションなども行われこのイベントがきっかけで日本がとても身近に感じられるようになった、と語ってくれる青年たちが今でもいる程大成功のイベントでした。
*提灯作りに見入る地元中学生たち
2014年には、24名からなるアマルフィ訪問団が美濃市を訪れ、産業祭に参加したり、美濃和紙を使った様々な商品を作る方々のもとを訪れ、生で鑑賞する太鼓での歓迎や、ナポリ民謡を日本語でも一緒に歌うなど、訪問団の心が熱くなる1週間を過ごしました。
*美濃市の方々が開いてくださったお別れ会でナポリ民謡を一緒に。
そして、今年の2月には「日本のアマルフィ」と呼ばれている和歌山市雑賀崎でアマルフィのミラノ市長と陣内教授、そして和歌山大学の永瀬准教授とともに景観や土地を生かす観光についてのシンポジウムで講演され、アマルフィの人気レストランSENSIのヘッドシェフ トルモリーノ氏による和歌山の食材を使ったアマルフィ料理を振る舞う食フェアが行われたのですが、日本でもイタリアでも再評価されている「地産地消」を具体化する食事は和歌山の方々にも歓迎され、市長もシェフも大感激でした。
*公民館で行われたシンポジウム
*食フェア開会式で和歌山市雑賀崎の皆様にお礼を述べられるミラノ市長
*リゾットを皆様の前で調理するトルモリーノシェフ
2015年からは、日本とアマルフィの交流をより強固にする、という目的で冬季日本語講座もアマルフィ文化歴史センターが開催してくださっているので、日本との交流をとても大切にしてくださっていることが皆さんにも伝わると思います。
以上のように活発な交流を進めているアマルフィ市ですが、ビザンツ帝国の新年の祭典では、「日出ずる国が語るアマルフィ」とのタイトルで大勢の地元民の前で「アマルフィの歴史地区の面白さと特徴」についてお話しされた陣内教授。「建築家として歴史地区の多くの民家がヴァケーションハウスになってきて、地元民の生活が忘れ去られつつあることについてどう思うか?」など鋭い質問も出てきたインタビューでは、地元民も巻き込んだ意見交換が繰り広げられ、ガルガーノ教授から「文化が忘れ去られると、歴史地区は観光村になってしまう」とのコメントが出た時は会場の熱気がピークに。陣内教授のおかげで、自分たちの町のあり方を再認識する機会を持てた住民は翌日の陣内教授マジステル就任式を心待ちにされたことは皆さんも容易にご想像できるかと思います。
*夕暮れ時の広場で行われた講演会とインタビュー
*アマルフィ市とともに行ってきた活動についてお話しされる陣内教授
*大聖堂上でアマルフィ市民にマジステルお披露目式に登場された陣内教授とソリチェッリ司教
アマルフィ市と日本の文化交流コーディネーターである筆者ですが、数々の感動を共有させてくださった陣内教授には尊敬と感謝の気持ちばかりです。交流の最大の魅力は、日本とアマルフィの皆さんがそれぞれご自身のご活躍を紹介していただける機会があり、相手に理解してもらう事で生まれる感動です。2020年も益々双方がご自身の歴史や文化を披露する機会があり、相互理解が深まる一年になることを願うばかりです。