リゾット・アッラ・イゾラーナ〜ヴェネト米産地の大収穫祭〜
イーゾラ・デッラ・スカーラ…ヴェネト州最大の米産地
米の品種は、「ナーノ・ヴィアノーネ・ヴェロネーゼI.G.P.」。”ナーノ(=小さい)”というように、小粒で丸い形状が特徴。この土地は、ポー川とアディジェ川に囲まれたデルタ地帯にあたり、地下よりの湧き水により清澄な水が豊富なことから、500年ほどの稲作の伝統を持つ土地として知られている。
地域内には、いくつもの米農家が点在し、土地本来の同品種のほかにも、各種米及び近年では、昨今の健康志向から人気の出ている半つき米や全粒米、米粉からできるパスタや菓子類などの他製品、さらには、米乳を使った化粧品にまで製品の範囲を広げている。
米の大収穫祭「フィエラ・デル・リーゾ」
米収穫の時期となると、その生産物をさらに盛り上げるべく、米の収穫祭「フィエラ・デル・リーゾ」が開かれる。今年の開催はなんと53回目。聞くところによると、小さな町の秋祭り的な始まりだったのが、今やイタリア国内でも最大級の収穫祭にまで成長。そしての会期はなんと1ケ月にも及ぶ。会期中には、様々なイベントが企画されており、完全に町おこしとして一役買うイベントだ。
会期中に会場を訪れる人々の目的はもちろん、米料理を食べること。会場内には大きな仮説テントが設けられ、各生産者がスタンドを持ち、自社の米でつくるリゾットを提供している。
会場中央にある会計に行って一律6ユーロのチケットを購入。そして各人が好みの生産者のスタンドにてリゾットを受け取る仕組み。
各社により様々なリゾットが振舞われるが、どこのブースにもある定番メニューがある。それが、「リゾット・アッラ・イゾラーナ」。いわゆる「イゾラーナ風(イーゾラ・デッラ・スカーラ風)リゾット」だ。
伝統的なイゾラ風リゾット「リゾット・アッラ・イゾラーナ」とは
オリジナルレシピは、子牛と豚肉のひき肉を、バターとローズマリーで炒める。肉にしっかりと火が入ったら、肉ベースのブロードを投入。そこへ米を加えて蓋を閉めて弱火で火を入れる。米にブロードをしっかり吸わせたら、塩と挽きたての黒コショウ、シナモンをしっかりと効かせ、これまたこの地を代表するグラーナ・パダーノをたっぷり加えて仕上げる。リッチな風味のリゾットだ。
通常のリゾットのようにブロードを少しずつ足して仕上げる方法ではなく、ここでは米を予め分量の量ってあるブロードに吸わせて仕上げる方法をとる。まるで日本の米を炊くような感覚だ。この方法は、米の脱穀作業者(ピロータ)が忙しい作業中に、手間を省いて昼食の準備を行うために考案されたものとして、一般的には「リゾット・アッラ・ピロータ」と呼ばれているものだ。
この収穫祭になると、いつも訪れる私の顔なじみの生産者「リッコー(Riso Riccò)社」のブースを訪れた。ブース内には大きな鍋が設置され、たくましくて人懐っこいいつものメンバーが楽しそうにリゾットを作っている。
お祭り用の下準備として、朝のうちに肉を炒め、そこにローズマリーと香辛料を加えた肉のベースを仕上げてある。客の入りを見ながらブロードと米を大鍋に入れて、下準備した肉、さらには仕上げにグラーナ・パダーノをたっぷり加えて完成させる。
大鍋でつくるリゾットは仕上がりが均一になりにくいのでは、との思うのだが、できあがるリゾットは上々。それも、毎年恒例のこのメンバーの腕、そして米本来の特徴である、アミド含有量が高いことから、比較的パラパラとした仕上がりになり経時にも耐えやすい等の要因も重なり、いい具合のアルデンテを保ち、簡易キッチンで作ったとは思えない旨い仕上がりだ。
そして…「タスタサル (Tastasal)」
イゾラーナ風リゾットをつくるうえで、また有名な素材がコレ。「タスタサル」とは、いわゆるサルシッチャ(生ソーセージ)の腸詰めをしていない中身だけのもの。
コショウが効いた肉の粗ミンチでこれをリゾットのメイン素材となる。
収穫祭には、このタスタサルを売る肉屋の売店もある。
基本のタスタサルはもちろんのこと、それを円形にしたスヴィツェラ=スイス風(ハンバーグ状)、ポルペッテ(団子状)、ポルペットーネ(ミートローフ状)など、タスタサルをベースにしたものが販売されており、それらも飛ぶように売れる。
米、そして地元伝統料理のリゾットを中心にした小さな町の熱いお祭りは、彼ら生産者とそれの関連する人々たちで大いに盛り上がる。
主催者などの話では、さらに同収穫祭の質を上げるべく、来年以降の構想もあるのだとか。そのひとつが現在提供しているプラスチック皿の廃止など。さらなる進化もまた楽しみだ。
米の品種は、「ナーノ・ヴィアノーネ・ヴェロネーゼI.G.P.」。”ナーノ(=小さい)”というように、小粒で丸い形状が特徴。この土地は、ポー川とアディジェ川に囲まれたデルタ地帯にあたり、地下よりの湧き水により清澄な水が豊富なことから、500年ほどの稲作の伝統を持つ土地として知られている。
地域内には、いくつもの米農家が点在し、土地本来の同品種のほかにも、各種米及び近年では、昨今の健康志向から人気の出ている半つき米や全粒米、米粉からできるパスタや菓子類などの他製品、さらには、米乳を使った化粧品にまで製品の範囲を広げている。
米の大収穫祭「フィエラ・デル・リーゾ」
米収穫の時期となると、その生産物をさらに盛り上げるべく、米の収穫祭「フィエラ・デル・リーゾ」が開かれる。今年の開催はなんと53回目。聞くところによると、小さな町の秋祭り的な始まりだったのが、今やイタリア国内でも最大級の収穫祭にまで成長。そしての会期はなんと1ケ月にも及ぶ。会期中には、様々なイベントが企画されており、完全に町おこしとして一役買うイベントだ。
会場中央にある会計に行って一律6ユーロのチケットを購入。そして各人が好みの生産者のスタンドにてリゾットを受け取る仕組み。
伝統的なイゾラ風リゾット「リゾット・アッラ・イゾラーナ」とは
オリジナルレシピは、子牛と豚肉のひき肉を、バターとローズマリーで炒める。肉にしっかりと火が入ったら、肉ベースのブロードを投入。そこへ米を加えて蓋を閉めて弱火で火を入れる。米にブロードをしっかり吸わせたら、塩と挽きたての黒コショウ、シナモンをしっかりと効かせ、これまたこの地を代表するグラーナ・パダーノをたっぷり加えて仕上げる。リッチな風味のリゾットだ。
通常のリゾットのようにブロードを少しずつ足して仕上げる方法ではなく、ここでは米を予め分量の量ってあるブロードに吸わせて仕上げる方法をとる。まるで日本の米を炊くような感覚だ。この方法は、米の脱穀作業者(ピロータ)が忙しい作業中に、手間を省いて昼食の準備を行うために考案されたものとして、一般的には「リゾット・アッラ・ピロータ」と呼ばれているものだ。
この収穫祭になると、いつも訪れる私の顔なじみの生産者「リッコー(Riso Riccò)社」のブースを訪れた。ブース内には大きな鍋が設置され、たくましくて人懐っこいいつものメンバーが楽しそうにリゾットを作っている。
イゾラーナ風リゾットをつくるうえで、また有名な素材がコレ。「タスタサル」とは、いわゆるサルシッチャ(生ソーセージ)の腸詰めをしていない中身だけのもの。
コショウが効いた肉の粗ミンチでこれをリゾットのメイン素材となる。
収穫祭には、このタスタサルを売る肉屋の売店もある。
米、そして地元伝統料理のリゾットを中心にした小さな町の熱いお祭りは、彼ら生産者とそれの関連する人々たちで大いに盛り上がる。
主催者などの話では、さらに同収穫祭の質を上げるべく、来年以降の構想もあるのだとか。そのひとつが現在提供しているプラスチック皿の廃止など。さらなる進化もまた楽しみだ。