養蜂とぶどうと蜂蜜と
すっかり秋風が吹き始めたモデナです。みなさんいかがお過ごしですか?
そんな中ぶどうの収穫をいつにするか、そんな話が出てくるのも今の時期。
今回はエミリアロマーニャ州からミツバチのお話をしたいと思います。
ミツバチは全世界で減少傾向にあると言われ、世界の果物や野菜の受粉の70%はミツバチたちがになっていると言われており、全滅すれば、食糧危機となる事は必須との事。
コルディレッティ(Coldiretti : Confederazione Nazionale coltivatori Diretti)イタリア全国直接栽培者連合の調べではイタリアの蜂蜜年間生産量は2万トン。うち、一位ロンバルディア州、二位ピエモンテ州、三位エミリアロマーニャ州の順になっています。日本は年間生産量2、8トン。
どうりて、日本の果物栽培の受粉の様子が筆を使っての人工受粉についてイタリア人から驚きを持って質問される訳です。これだけの数のミツバチがいるわけだからイタリアでは人工受粉をする必要がないわけなのに納得。
さて、我が家はモデナ県の東に位置する、ランブルスコソルバーラ種DOCの生産地の中心。我が家の葡萄畑も規定に沿って、ランブルスコ、サラミーノ、トレビアーノ種と、3種類のぶどうの木が植えられています。もちろん、バルサミコ酢作りに使うぶどうもこの畑で栽培しています。
ぶどう自体は花をつけたら、花粉を自ら飛ばして受粉する「自家受粉」を行う植物と言われますが、ぶどうの花の間を仕切りに飛び交うミツバチたち確実に受粉のお手伝いしてくれています。
統計データでは養蜂箱を置いた後のぶどうの味が向上したという報告も多く、我が家のぶどうの実のつき方もとても良い事から、確実に我が家の葡萄畑に貢献してくれている大事な働き手。
庭の様々な果樹も毎年鈴なり。
何よりもミツバチは農薬や、大気汚染などに大変敏感でミツバチが住める環境であるということは、私たち人間にとっても安全が保証されたようなもの。
その反面たまたま、急な雨が降った時に写真の分蜂の群れを見つけて、うちの子に加わった群もいるのです。
6月、7月の好天が功を奏し、やっと8月に採蜜作業にこぎつけることができました!採れた蜂蜜は約120kg。
ミツバチは貯蔵した巣穴が蜜が一杯になると蜜蝋で蓋をします。これをナイフで削り取り、ドラム缶に均等になるように差し込み、手回しの遠心分離機にかけてハチミツを取り出します。
黄金色のハチミツが流れ出てくる様子は圧巻!でもこれだけでは、ハチミツに混じった蜜蝋などが混じって、食感が悪いので、最低10日間寝かせます。すると蜜蝋が上にたまり、ハチミツと分かれるので、綺麗なハチミツが採取できるのです。
3月の上旬から咲く、果樹の花桃、プラム、桜、を始め、アカシア、シナノキ、我が家の周りはパルミジャーノの牧草を栽培しているので、エルバメディカと呼ばれる牧草のお花などなどイタリア語でMiele di mille fiori 千の花の蜜。(和名ならば百花蜜)味も香りも濃厚。同じ牧草を食べて育った牛の乳から作るパルミジャーノレッジャーノチーズとの相性も抜群です。
その土地でできたものはその土地のものとよくあう!
蜂蜜だけでなくバルサミコ酢や、サボール(砂糖を使わず、秋のモデナのフルーツを凝縮させたコンフェトゥーラ)と贅沢に組み合わせながら楽しむことシンプルだけど、豊かなモデナの田舎暮らし。
一度遊びにいらっしゃいませんか?
バルサミコ酢醸造室の見学、試飲講習会、郷土料理のお食事会、料理教室のお問い合わせは
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以前イタリア好きShopping でご紹介させていただいたMirkoシェフの魅惑のコンフェトゥーラ、サボールをパルミジャーノもオススメの一品。まだ少し在庫があるようです。ご購入はお早めに
https://italiazuki.com/2019/07/15/《-会員向け-》-伝統的コンフェトゥーラ-savor(サヴォ/
さて、ミツバチたちがお手伝いしてくれた葡萄の収穫、そろそろはじめます。