夏とトマト
暑い日が続いていますが、イタリア好きのみなさんいかがお過ごしですか?牧草の刈り取りはこの時期の風物詩。ゴロゴロと畑に牧草ロールが並びます。パルミジャーノ レッジャーノ チーズの牛に始まり、色々な家畜の飼料に使われます。
夏といえばトマト、皆さんのイメージはきっと、南イタリアのイメージが強いのではないかと思います。
イタリアの国立統計研究所Istatの調べによれば、加工用に適した品種のトマトPomodoro da industriaはエミリア・ロマーニャ州がイタリア一位の生産量。総耕作面積は何と24,866ヘクタール、東京都(21,090ヘクタール)よりも大きい面積なのだそうです。どうりてトマトの加工工場も沢山あるはずです。
通常トマト栽培は支柱を立てて、そこにトマトが絡みつくように育てますが、加工用のトマトは無支柱栽培。ゴロゴロと赤い実が畑に転がっています。なかなかその風景は圧巻!1970年代ごろから導入された無支柱栽培は生産性を飛躍的に向上させたと言われています。衝撃に強く、果汁が豊富で、糖度の高い品種が次々とできてきたそうです。
こちらはIbridi prismaticiという品種で、先が丸くてそこまで大きなものではありませんでしたが、食用に販売されてものに比べて、皮が硬いのですが、甘みは十分。
農家の方のオススメは、2、3日置いて、追熟させてから加工した方がいいよとの事。
刈り採り作業が行われているようで、この時期半日でこんなに沢山の量が採れるそうですが、近所の人が家庭用に50kg、100kg単位でどんどん買いに来るので、あっという間になくなってしまうのです。
我が家ではこの時期家族総出で、トマトソースを作ります。
15年ほど前に近所の農家のおじいさんに教えてもらった作り方。
以前はそのおじいさんから買っていたのですが、高齢で作れなくなってしまったので、作るようになりました。
先ずはトマトをよく洗い、半分に切ります。
それを湯の中で20分湯でて、ざるに取り、1時間ほどしっかりと水分を切ったあと
電動裏漉し機にかけて、種と皮を取り除きます。トマトの実と果汁は鍋で温めたあと、煮沸した瓶に詰めてしっかりと蓋をし、最後にぬるま湯をはった鍋に瓶を並べて加熱殺菌、そのまま自然に冷まして出来上がり。
我が家では約140kgのトマトを使い、120本のトマトソースが出来上がります。これを一年間でほぼ消費してしまいます。和食の頻度も多い我が家ですから、一般のイタリア家庭の消費量は確実にそれを上回る事でしょう。私より先のお客さんがトラックで1000kg買っていったのもさもありなん。きっとお友達や親戚を集めて一緒に作るのでしょう。
夏の味がしっかり入った自家製のトマトソースの味を知ってしまったら、なかなかスーパーでトマトソースが買えなくなる事必須。
大変だけれど、価値があるトマト仕事。
さあ残りの70kg用の瓶の消毒をしなくては!
第11弾 マッシモ編集長と行くバルバレスコマラソンとエミリア・ロマーニャ伝統の美食の旅10日間の旅催行決定致しました。バルバレスコマラソンの後、
コーディネイトさせていただいた、Vol.36イタリア好きの取材先を巡ります。アチェタイアの見学、Mirkoシェフのお料理教室にお食事会、パルミジャーノレッジャーニチーズ工場見学などなど内容盛りだくさん。まだ若干余裕があるそうので、是非お申し込みください!
https://italiazuki.com/2019/05/21/第11弾%E3%80%80編集長マッシモと行く%E3%80%80バルバレスコ/