ヴェネト春の自生野草。ブルスカンドリ、カルレッティ、オルティーケ…
「ブルスカンドリ(bruscandoli)」は、春先ならではのヴェネトの食材のひとつ。野生のルッポロ(=ホップ)の新芽であるが、ヴェネト弁ではこう呼ばれている。春先の畑の端やら山あいなどに見つけることができる。地面からニョキニョキと生えていて、形はツクシのよう。
これを春先に摘み取らないでおくと、夏までには8mほどにも伸びる。雌花は円錐状のコーンのよう、糸が円錐にからみついたような変わった形をしており、黄色い花が咲く。薬学的には眠気覚ましの効用がある、とされる。
ホップの新芽だけあって、苦味がある。主にはリゾットやフリッタータにして料理される、この時期ならではの皿だ。
この時期のアスパラの畑の脇などにもあったりするのだが、これはホップを生産する農家のもの。
前シーズンが終わった後、伸びた茎を刈りとって冬を越すと、春先にはまた新芽を出してくる。生命力が強いので、ホップ生産用の主茎の脇から出てくる細く柔らかい新芽は、茎の下部から切って束にして地元のレストランなどに卸す。
この季節以降は前述の通り、もの凄い勢いで茎は伸びていくので、上方に向かって紐を伸ばして伸びるツルを絡ませるように生育させる。
街場の市場では、春の訪れを感じる頃になると、ブルスカンドリを始めとした野草がお目見えする。総称して、いわゆる「エルヴェッテ・セルヴァティケ(erbette selvatiche )」と呼ばれるものだ。
ブルスカンドリと一緒に並んでいるのは、これもまた非常にメジャーな春の野草の一種「カルレッティ(carletti)」。シラタマソウの若葉だ。私の住むこの地域ではこう呼ぶが、同様に、「タリアテッレ・デッラ・マドンナ(tagliatelle della madonna)」、「シオペット(sciopet)」と様々な名称で親しまれているのが面白い。
やはりこれもリゾットに使われる場面が多いのだが、風味は新鮮な生のピゼッリを覚えるような非常に特徴のあるものだ。
他、同様にリゾットやフリッタータに利用されるものとしては、イラクサ科の植物の若葉である「オルティーケ(ortiche)」なども。
「ローゾレ(rosole)」は「パパーヴェロ(papavero)」のヴェネト弁でヒナゲシの若葉だ。少々苦味がある葉野菜のような感覚にて、大量に一気に茹でてからオイルで炒め、グリルした肉やサルチッシャなどの脇に深緑色のコントルノとしてどっさりと添えられる。
同様に使われるのがヴェネト弁では、「ピッサカーン(pissacan)」。イタリア語だと「タラッサコ(tarassaco)」。いわゆるタンポポの若葉。
これらはよくミックスで上述のようにコントルノとして活用される。
この時期郊外へ出かけるとあちらこちらで道端に車を止めて袋を片手に野草を摘んでいる光景などは珍しくない。もしくは、特別な場所などに行かずとも、散歩の途中でも見かけることも容易なくらい。
日本の春先の野草と同様、生命力あふれる自生野草には、利尿、健胃、鎮痛作用等、様々な薬学的効能もある。
春先という季節の変わり目としては、一年のなかで最も喜びを感じる季節であることもあり、食べてそれを感じるとともに、健康にもよい、という知恵が自ずとあったのだろう。
以前に勤めていたレストランの厨房にて、同僚の南伊人出身のクオーコに野草の話をしたら、”ヴェネト人は馬みたいに草を食べる”とからかわれた。とはいえ、低コスト(購入しない限りは)でしかも健康にもよい、さらには季節感抜群なこんな素敵な食材を楽しまないテはない、と思っている。
これを春先に摘み取らないでおくと、夏までには8mほどにも伸びる。雌花は円錐状のコーンのよう、糸が円錐にからみついたような変わった形をしており、黄色い花が咲く。薬学的には眠気覚ましの効用がある、とされる。
ホップの新芽だけあって、苦味がある。主にはリゾットやフリッタータにして料理される、この時期ならではの皿だ。
この時期のアスパラの畑の脇などにもあったりするのだが、これはホップを生産する農家のもの。
前シーズンが終わった後、伸びた茎を刈りとって冬を越すと、春先にはまた新芽を出してくる。生命力が強いので、ホップ生産用の主茎の脇から出てくる細く柔らかい新芽は、茎の下部から切って束にして地元のレストランなどに卸す。
この季節以降は前述の通り、もの凄い勢いで茎は伸びていくので、上方に向かって紐を伸ばして伸びるツルを絡ませるように生育させる。
街場の市場では、春の訪れを感じる頃になると、ブルスカンドリを始めとした野草がお目見えする。総称して、いわゆる「エルヴェッテ・セルヴァティケ(erbette selvatiche )」と呼ばれるものだ。
ブルスカンドリと一緒に並んでいるのは、これもまた非常にメジャーな春の野草の一種「カルレッティ(carletti)」。シラタマソウの若葉だ。私の住むこの地域ではこう呼ぶが、同様に、「タリアテッレ・デッラ・マドンナ(tagliatelle della madonna)」、「シオペット(sciopet)」と様々な名称で親しまれているのが面白い。
やはりこれもリゾットに使われる場面が多いのだが、風味は新鮮な生のピゼッリを覚えるような非常に特徴のあるものだ。
他、同様にリゾットやフリッタータに利用されるものとしては、イラクサ科の植物の若葉である「オルティーケ(ortiche)」なども。
「ローゾレ(rosole)」は「パパーヴェロ(papavero)」のヴェネト弁でヒナゲシの若葉だ。少々苦味がある葉野菜のような感覚にて、大量に一気に茹でてからオイルで炒め、グリルした肉やサルチッシャなどの脇に深緑色のコントルノとしてどっさりと添えられる。
同様に使われるのがヴェネト弁では、「ピッサカーン(pissacan)」。イタリア語だと「タラッサコ(tarassaco)」。いわゆるタンポポの若葉。
これらはよくミックスで上述のようにコントルノとして活用される。
この時期郊外へ出かけるとあちらこちらで道端に車を止めて袋を片手に野草を摘んでいる光景などは珍しくない。もしくは、特別な場所などに行かずとも、散歩の途中でも見かけることも容易なくらい。
日本の春先の野草と同様、生命力あふれる自生野草には、利尿、健胃、鎮痛作用等、様々な薬学的効能もある。
春先という季節の変わり目としては、一年のなかで最も喜びを感じる季節であることもあり、食べてそれを感じるとともに、健康にもよい、という知恵が自ずとあったのだろう。
以前に勤めていたレストランの厨房にて、同僚の南伊人出身のクオーコに野草の話をしたら、”ヴェネト人は馬みたいに草を食べる”とからかわれた。とはいえ、低コスト(購入しない限りは)でしかも健康にもよい、さらには季節感抜群なこんな素敵な食材を楽しまないテはない、と思っている。