パスクアは春の喜びのオンパレード!マルケの復活祭のメニューと卵飾り🎵
皆さん、こんにちは!
イタリアは春爛漫、今週末のパスクアに向けて世間のマンマは大忙しの季節です。
謝肉祭であるカルネバーレが終わり、クワレージマと呼ばれる四旬節が46日間続き…そして復活祭が訪れる、というカトリック教会の習慣行事であることは既に知られていますが、キリスト生誕以前にも、もちろん春は来ていたわけですから、古くは春の訪れ=新しい生命の誕生を祝う土着的な民族風習が、キリストの復活という出来事と重ね合わせて祝われるようになったと言われています。
確かに、春の訪れは、冬に解体した豚のサルーミ熟成が完了し食べ始められる、ニワトリは卵を生み始める、ソラマメにえんどう豆といった春の旬を楽しみ始める…といった、食べ物がとても豊かになる季節でもありますね!
寒く長い冬が終わり、春のみずみずしい野菜を思い切り味わえるこの季節は、農家の人々にとってそれはそれは喜ばしい季節であったことに違いありませんよね。だからこそパスクアは明るく喜びに満ちた雰囲気があるのだな、と思います。
マルケ州では復活祭のメニューはきっちりお決まりがあり、それは昔の人であればあるほど変わりません!笑。
そして我が家も食については伝統色が強い方。復活祭と言えば…羊、そして羊の内臓料理であるコラテッラ!
この、一見写真映えしないベージュの食べ物…でもこの1皿に、色々な家族や農家の台所の歴史が詰まっているのです!!
しかも以外と手間がかかるこの1皿…内蔵の肺、レバー、腸、心臓やその他諸々を全て綺麗に洗い、切り分け、じっくりとラルド(精製ラードではなく豚の背脂を挽いたもの)で炒めてゆく…これでもか!というほど羊の香りがキッチンに立ちこめ(私は北海道生まれなので平気🎵)、最後にニンニクの若葉を刻んだものをたっぷりと入れる..そんな土着的な料理なんです。初めて食べた時はすぐにその魅力が分からなかった私。今はこのコラッテラが大好物です!
そしてマルケを代表するパスクアの食べ物と言えば…卵とペコリーノチーズをたっぷり入れて焼いた塩味のパン、クレッシャ•デイ•パスクア。
伝統的なのはこういうバケツ型のテッラコッタの型で焼いたもの。もちろんテッラコッタもマルケのもの💕
これはピッツア•サラータと呼ばれたり、クレッシャ•ブルスカと呼ばれたり、場所が変わると呼び名も変わりますが、大体は同じようなもの。天然酵母で焼くと美味しさもひとしおです。
外はさっくり、中はしっとりが上手く焼けた証拠。ほど良いチーズの塩味が旨みたっぷりで、この季節どのパン屋さんでも出回るパンなのです。
そして、この素朴な焼き菓子も、この季節の風物詩。チャンベッラ•デイ•パスクアと呼ばれるさっくりした焼き菓子で、アニスの種が爽やかなアクセント。上に塗ったアイシングがお菓子感をグッと引き上げてくれます。
最後にご紹介したいのは….パスクアの日の朝ごはんに欠かせないゆで卵!!
これは、ただのゆで卵ではありません!このお祭りの日のために事前に教会で卵に祝詞をいただいておき、それを茹でたものです。
祝詞を受けたあと、ただ茹でるだけでもいいのですが、せっかくのお祭り、できるだけ華やかにしたいものですよね🎵昔の人は色々工夫をしてこの卵を綺麗にデコレーションしていました。そんなデコレーションの中でも私が特に好きなのが、自然の野菜の色で染める方法。
卵にハーブや花を貼りつけ、それをガーゼなどでしっかりくるみ、野菜から抽出した色の液で茹でる、という方法です。
これがそうやって染められた卵たち。青は紫キャベツ、ピンクは黒ビーツ、水色はウコンと紫キャベツ…と自然の色でこんなにカラフルな色が楽しめるんですよ!とっても可憐だと思いませんか?🌼🍀🌸
もともとは昔東ヨーロッパから入ってきた方法だそうで、イタリアでも一昔までは色々な家庭で染められていたそうです。今では消えつつある習慣ですが、こんな素敵な風習が消えてしまうのは残念..と思い、ここ数年私も毎年染めています。
こうやってハーブをぴったりと濡らした卵にくっつけて(くっつきにくい場合は薄くのばしたでんぷんのりを使う)、ガーゼやストッキングで密着させます。
これを煮出して抽出しておいた野菜の色液に少々のお酢と茹でて冷めるまで置いておくだけ。簡単でしょう?
こんなに綺麗に柄が出るんです!
この色は紫キャベツからですが、お酢との反応できれいなブルーに🎵
お子さんと一緒に作っても本当に楽しい作業なので、皆さんも挑戦されてみて下さいね!
お祭りの時はなぜだか浮かれて楽しい気持ちになりますが、お祭りは食や風習といった伝統を残してゆく大切な行事だという事も忘れてはいけないな、と近年ひしひしと感じ…。こうして家庭の中から、少しずつでいいので子供たちにも伝えていければ、お祭りの意義も深まるのでは、と思います。
皆さんも、良いパスクアをお迎え下さいね。
Buona Pasqua!
イタリアは春爛漫、今週末のパスクアに向けて世間のマンマは大忙しの季節です。
謝肉祭であるカルネバーレが終わり、クワレージマと呼ばれる四旬節が46日間続き…そして復活祭が訪れる、というカトリック教会の習慣行事であることは既に知られていますが、キリスト生誕以前にも、もちろん春は来ていたわけですから、古くは春の訪れ=新しい生命の誕生を祝う土着的な民族風習が、キリストの復活という出来事と重ね合わせて祝われるようになったと言われています。
確かに、春の訪れは、冬に解体した豚のサルーミ熟成が完了し食べ始められる、ニワトリは卵を生み始める、ソラマメにえんどう豆といった春の旬を楽しみ始める…といった、食べ物がとても豊かになる季節でもありますね!
寒く長い冬が終わり、春のみずみずしい野菜を思い切り味わえるこの季節は、農家の人々にとってそれはそれは喜ばしい季節であったことに違いありませんよね。だからこそパスクアは明るく喜びに満ちた雰囲気があるのだな、と思います。
マルケ州では復活祭のメニューはきっちりお決まりがあり、それは昔の人であればあるほど変わりません!笑。
そして我が家も食については伝統色が強い方。復活祭と言えば…羊、そして羊の内臓料理であるコラテッラ!
この、一見写真映えしないベージュの食べ物…でもこの1皿に、色々な家族や農家の台所の歴史が詰まっているのです!!
しかも以外と手間がかかるこの1皿…内蔵の肺、レバー、腸、心臓やその他諸々を全て綺麗に洗い、切り分け、じっくりとラルド(精製ラードではなく豚の背脂を挽いたもの)で炒めてゆく…これでもか!というほど羊の香りがキッチンに立ちこめ(私は北海道生まれなので平気🎵)、最後にニンニクの若葉を刻んだものをたっぷりと入れる..そんな土着的な料理なんです。初めて食べた時はすぐにその魅力が分からなかった私。今はこのコラッテラが大好物です!
そしてマルケを代表するパスクアの食べ物と言えば…卵とペコリーノチーズをたっぷり入れて焼いた塩味のパン、クレッシャ•デイ•パスクア。
伝統的なのはこういうバケツ型のテッラコッタの型で焼いたもの。もちろんテッラコッタもマルケのもの💕
これはピッツア•サラータと呼ばれたり、クレッシャ•ブルスカと呼ばれたり、場所が変わると呼び名も変わりますが、大体は同じようなもの。天然酵母で焼くと美味しさもひとしおです。
外はさっくり、中はしっとりが上手く焼けた証拠。ほど良いチーズの塩味が旨みたっぷりで、この季節どのパン屋さんでも出回るパンなのです。
そして、この素朴な焼き菓子も、この季節の風物詩。チャンベッラ•デイ•パスクアと呼ばれるさっくりした焼き菓子で、アニスの種が爽やかなアクセント。上に塗ったアイシングがお菓子感をグッと引き上げてくれます。
最後にご紹介したいのは….パスクアの日の朝ごはんに欠かせないゆで卵!!
これは、ただのゆで卵ではありません!このお祭りの日のために事前に教会で卵に祝詞をいただいておき、それを茹でたものです。
祝詞を受けたあと、ただ茹でるだけでもいいのですが、せっかくのお祭り、できるだけ華やかにしたいものですよね🎵昔の人は色々工夫をしてこの卵を綺麗にデコレーションしていました。そんなデコレーションの中でも私が特に好きなのが、自然の野菜の色で染める方法。
卵にハーブや花を貼りつけ、それをガーゼなどでしっかりくるみ、野菜から抽出した色の液で茹でる、という方法です。
これがそうやって染められた卵たち。青は紫キャベツ、ピンクは黒ビーツ、水色はウコンと紫キャベツ…と自然の色でこんなにカラフルな色が楽しめるんですよ!とっても可憐だと思いませんか?🌼🍀🌸
もともとは昔東ヨーロッパから入ってきた方法だそうで、イタリアでも一昔までは色々な家庭で染められていたそうです。今では消えつつある習慣ですが、こんな素敵な風習が消えてしまうのは残念..と思い、ここ数年私も毎年染めています。
こうやってハーブをぴったりと濡らした卵にくっつけて(くっつきにくい場合は薄くのばしたでんぷんのりを使う)、ガーゼやストッキングで密着させます。
これを煮出して抽出しておいた野菜の色液に少々のお酢と茹でて冷めるまで置いておくだけ。簡単でしょう?
こんなに綺麗に柄が出るんです!
この色は紫キャベツからですが、お酢との反応できれいなブルーに🎵
お子さんと一緒に作っても本当に楽しい作業なので、皆さんも挑戦されてみて下さいね!
お祭りの時はなぜだか浮かれて楽しい気持ちになりますが、お祭りは食や風習といった伝統を残してゆく大切な行事だという事も忘れてはいけないな、と近年ひしひしと感じ…。こうして家庭の中から、少しずつでいいので子供たちにも伝えていければ、お祭りの意義も深まるのでは、と思います。
皆さんも、良いパスクアをお迎え下さいね。
Buona Pasqua!