お料理説明・背景
誰もが憧れるラグジュアリーなカプリ島。昔から世界中のVIPがやって来た。今も昔もバカンスにグルメはつきもの。このカプリ風ケーキはそんなカプリを代表するドルチェで、カンパーニア州のお菓子屋さんでは必ず見かけるポピュラーなケーキ。
このケーキは1920年、カプリ島のレストランのコック、Carmine di Fiore(カルミネ・ディ・フィオーレ)によって作られたと言われている。カルミネは疲れていたのか、ちょっとしたミスをしてしまう。焼きあがったケーキに小麦粉を入れるのを忘れたことに気付く。しかし焼き上がりはあらまぁどうして、外側がサクサク、中はしっとりの素晴らしいケーキに!
この話を聞いたとき、パネットーネのルーツを思い出した。お菓子作りは正確な計量と温度管理が必要とされるが、失敗のつもりが大ヒットになるとは、この時点では思わなかっただろう。
また別の話では、カプリに嫁いだオーストリア人女性が、国のザッハートルテが食べたくなり、イタリアにある材料で似たケーキを作ったものが、カプリ風ケーキのルーツだよ! とも聞いたことがある。
マンマはナポリ人だが、このレシピはカプリのヴオットファミリーより教えていただいた秘伝のレシピで、カルミネ・ディ・フィオーレの通り、小麦粉を一切使わないものだ。 ナポリ、カンパーニア州はお菓子のバリエーションが非常に多く、ナポリ市内はババ、スフォリアテッラ、パスティエーラ、カプリはカプレーゼ、アマルフィ海岸はデリッツィア・アル・リモーネ、リコッタ・エ・ペーラなど、お菓子の食べ歩きにはもってこいの地域。 カプリ風ケーキは最近のバージョンでは、チョコを使用せず、レモン風味のカプリケーキなどもある。
レポート:祝 美也子(Iwai.Miyako)
カンパーニア州在住。イタリアの家庭料理に憧れ渡伊。1997年よりナポリ在住。日本での情報誌編集制作勤務経験を活かし、2005年スローフード協会公式ブック”Slow”日本版の現地取材コーディネーションを始め、様々なコーディネート、執筆を多々手がける。1995年より南イタリア情報サイトPiazzaItalia設立。ナポリにてマンマに習うナポリの家庭料理教室などを主宰。ブログ「ナポリのテラスから」で日々の生活をを綴る。
カンパーニア州在住。イタリアの家庭料理に憧れ渡伊。1997年よりナポリ在住。日本での情報誌編集制作勤務経験を活かし、2005年スローフード協会公式ブック”Slow”日本版の現地取材コーディネーションを始め、様々なコーディネート、執筆を多々手がける。1995年より南イタリア情報サイトPiazzaItalia設立。ナポリにてマンマに習うナポリの家庭料理教室などを主宰。ブログ「ナポリのテラスから」で日々の生活をを綴る。
作り方
- アーモンドはミキサーで粉状にする。今回は超細粒を目指し、何度か混ぜて全体が均一の粉状になるようにしたが、アーモンドの粒々感が好きな場合、多少粗びき部分を残してもOK。(写真a 参照)
- バターを湯煎で溶かす。時間がない場合、電子レンジでもOK。(写真b 参照)
- 砂糖を2に入れて、白くもったりしたクリーム状になるまでくよく混ぜる。時間がない場合、電気ミキサーで混ぜてもOK。(写真c 参照)
- 全卵を1個づつ加え、6個全て加える。全て手作業にこだわるマンマの出来上がりは、最終的に少し玉のようになるが、最終的な仕上がりには問題ないとの事で、写真eの感じでOK。(写真d,e 参照)
- アーモンドパウダーを投入し更によく混ぜる。(写真f 参照)
- チョコレートを湯煎にかけ溶かしていく。(写真g 参照)
- 完全に溶けたチョコレートを5に投入しよく混ぜる。(写真h 参照)
- ベーキングパウダーを加える。(写真i 参照)
- ケーキ型にはバターをたっぷり塗り、更にその上に小麦粉を薄くまぶす。テフロン加工等したケーキ型でその必要がない場合はしなくてもよい。(写真j 参照)
- 型に流し込む。(写真k 参照)
- 180度で10分、その後160度に下げ40分ほど焼く。竹ぐしをさして焼きあがっていたら火を消しオーブンから出す。(写真l 参照)
- 粗熱がとれたらケーキ皿に盛り、ひっくり返して完成。(写真m 参照)