モデナのソールフードザンポーネとスーパーザンポーネ
イタリアの街は12月に入るとクリスマスの飾り付けが一斉に点灯します。クリスマス気分満載の街並みですが、家族や親戚、お友達のためにクリスマスプレゼント探しに奔走し、師走のなんだか気ぜわしい雰囲気は日本と同じような感じです。
さて、今回はエミリアロマーニャからお正月のイタリアの食卓の定番をご紹介します。
今や北イタリアを中心にイタリア全土でお正月には欠かせない食材のザンポーネ、実はモデナ県が発祥の地です。ザンパとはイタリア語で動物の足という意味。オーネという大きいことを表す接尾辞つくので大きな足というような意味になります。
16世紀にモデナ県はミランドラ市のピーコ一族のお抱え料理人が考えたと言われています。当時フランス軍が押し寄せてきていたモデナ一帯において、自分たちの食いぶちを守るために、軍隊が到着する前に屠殺をした大量の豚の前足に、大量のミンチ肉を詰め込んで保管し、敵の搾取を免れたのがザンポーネの始まりと言われています。
まず、豚の前足から中身を抜き、うら返して塩と胡椒、肩ロースなどの脂身が少なめの肉や、豚の皮、バラ肉を細かく切ったものに、塩、胡椒で下味をつけ、アニス、ナツメグ、メース(ナツメグの仮種皮)、シナモン、クローブなどスパイスで味をつけます。このスパイスの配合は各家庭や、肉屋、メーカーによってその配合は少しづつ違うそうで、モデナの人たちはご贔屓のザンポーネを12月に入るといそいそと買いに出かけます。スーパーにはもう調理されて、真空パックになったものがたくさん並んでいますが、地元お肉屋さん特製のザンポーネを一晩ゆっくりと水で戻し、皮を柔らかくし、余分な塩分を抜いた後、白い布で包み(破裂などを防ぐため)ごくごく弱火で3時間ほど煮たものは絶品。塩気が強いので、味は付けません。
レンズ豆の煮込みや、ファジョーリ コローナという大ぶりインゲン豆の煮込み、マッシュポテトなどと食べるのがモデナの定番。皮を食べるのか食べないのか悩むところですが、残すとザンポーネは皮も食べるものだよ。コラーゲンがいっぱいだから、お肌ツヤツヤになるよ。などとたしなめられます。もちろん普通のお鍋では入りませんのでザンポーネを茹でる長いお鍋が欠かせません。
さて、そんなザンポーネですが、毎年12月の第1週目の日曜日、モデナ県のカステルヌオーボ市でスーパーザンポーネ祭りが行われます。
Superzamponeのサイト掲載写真より
今年は12月2日、話には何度か聞いていたのですが、第30回目のお祭りを初めて見に行ってきました。今回が30回目のお祭り。巨大コテキーノ今回の重量は769kg!2014年にはギネスブック登録のため、1038kgというとんでもなく大きなものを作ったようです。
壇上の司会者によれば、2014年以降は量より質にこだわってますとのこと。この巨大ザンポーネ風呂桶のようなステンレスのお鍋で煮る事48時間以上、お鍋から引き上げられた後、手すりつき台に乗せられ、しっかりと固定された後、クレーン車でゆっくり巨大まな板の上へ。
Superzamponeサイト掲載写真より
地元の著名人によって包丁が入れられた後、お祭りに来た人々へ無料で振舞われます。無料とあっては物凄い数の人、ひと、ヒト!通常は広場の真ん中に鎮座しているブロンズの豚像も今日は影を潜めていました。
やっとの思いで、頂いたのはザンポーネ、ファジョーリ コローナのトマト煮、パン、これに水かランブルスコが一杯。ヨーロッパではプラスティック製容器を2020年までに無くそうという動きがあり、お皿も紙製、コップ、フォーク類に至るまで、自然に還る素材が使われており、ゴミの分別に対してもアナウンスがあったのには感心しました。
街の中にはクリスマスの飾りを売るお店、特産品のサラミやチーズ類、サラミ輪投げなどの屋台が所狭しと出ており、楽しいお祭りでした。
皆さんも来年、出掛けてみてはいかがでしょうか?
スーパーザンポーネサイトはこちらより。
http://zampone.com/
それでは皆様良いお年をお迎えください。
伝統的バルサミコ酢と郷土料理について知りたいという方は見学、バルサミコ酢の試飲会、郷土料理教室を開催しています。(事前予約必須)
ご興味のある方は私のFacebookページ
https://ja-jp.facebook.com/balsamicland/Akane in Balsamicland
にてメッセージをお待ちしております。
さて、今回はエミリアロマーニャからお正月のイタリアの食卓の定番をご紹介します。
今や北イタリアを中心にイタリア全土でお正月には欠かせない食材のザンポーネ、実はモデナ県が発祥の地です。ザンパとはイタリア語で動物の足という意味。オーネという大きいことを表す接尾辞つくので大きな足というような意味になります。
16世紀にモデナ県はミランドラ市のピーコ一族のお抱え料理人が考えたと言われています。当時フランス軍が押し寄せてきていたモデナ一帯において、自分たちの食いぶちを守るために、軍隊が到着する前に屠殺をした大量の豚の前足に、大量のミンチ肉を詰め込んで保管し、敵の搾取を免れたのがザンポーネの始まりと言われています。
まず、豚の前足から中身を抜き、うら返して塩と胡椒、肩ロースなどの脂身が少なめの肉や、豚の皮、バラ肉を細かく切ったものに、塩、胡椒で下味をつけ、アニス、ナツメグ、メース(ナツメグの仮種皮)、シナモン、クローブなどスパイスで味をつけます。このスパイスの配合は各家庭や、肉屋、メーカーによってその配合は少しづつ違うそうで、モデナの人たちはご贔屓のザンポーネを12月に入るといそいそと買いに出かけます。スーパーにはもう調理されて、真空パックになったものがたくさん並んでいますが、地元お肉屋さん特製のザンポーネを一晩ゆっくりと水で戻し、皮を柔らかくし、余分な塩分を抜いた後、白い布で包み(破裂などを防ぐため)ごくごく弱火で3時間ほど煮たものは絶品。塩気が強いので、味は付けません。
レンズ豆の煮込みや、ファジョーリ コローナという大ぶりインゲン豆の煮込み、マッシュポテトなどと食べるのがモデナの定番。皮を食べるのか食べないのか悩むところですが、残すとザンポーネは皮も食べるものだよ。コラーゲンがいっぱいだから、お肌ツヤツヤになるよ。などとたしなめられます。もちろん普通のお鍋では入りませんのでザンポーネを茹でる長いお鍋が欠かせません。
さて、そんなザンポーネですが、毎年12月の第1週目の日曜日、モデナ県のカステルヌオーボ市でスーパーザンポーネ祭りが行われます。
Superzamponeのサイト掲載写真より
今年は12月2日、話には何度か聞いていたのですが、第30回目のお祭りを初めて見に行ってきました。今回が30回目のお祭り。巨大コテキーノ今回の重量は769kg!2014年にはギネスブック登録のため、1038kgというとんでもなく大きなものを作ったようです。
壇上の司会者によれば、2014年以降は量より質にこだわってますとのこと。この巨大ザンポーネ風呂桶のようなステンレスのお鍋で煮る事48時間以上、お鍋から引き上げられた後、手すりつき台に乗せられ、しっかりと固定された後、クレーン車でゆっくり巨大まな板の上へ。
Superzamponeサイト掲載写真より
地元の著名人によって包丁が入れられた後、お祭りに来た人々へ無料で振舞われます。無料とあっては物凄い数の人、ひと、ヒト!通常は広場の真ん中に鎮座しているブロンズの豚像も今日は影を潜めていました。
やっとの思いで、頂いたのはザンポーネ、ファジョーリ コローナのトマト煮、パン、これに水かランブルスコが一杯。ヨーロッパではプラスティック製容器を2020年までに無くそうという動きがあり、お皿も紙製、コップ、フォーク類に至るまで、自然に還る素材が使われており、ゴミの分別に対してもアナウンスがあったのには感心しました。
街の中にはクリスマスの飾りを売るお店、特産品のサラミやチーズ類、サラミ輪投げなどの屋台が所狭しと出ており、楽しいお祭りでした。
皆さんも来年、出掛けてみてはいかがでしょうか?
スーパーザンポーネサイトはこちらより。
http://zampone.com/
それでは皆様良いお年をお迎えください。
伝統的バルサミコ酢と郷土料理について知りたいという方は見学、バルサミコ酢の試飲会、郷土料理教室を開催しています。(事前予約必須)
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